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世界樹は暗き旋律のほとりに

「世界樹は暗き旋律のほとりに」(藤あさや, 2017/11, Kindle版)
https://www.amazon.co.jp/dp/B077BMKR78/ref%3Dcm_sw_r_tw_dp_9T77VHT6RW8Y0Z2VGD9D

読了しました。
スケールの大きなと言う言葉では表しきれないお話しでした。
今回は Kindle Unlimited による購読です。

この物語は3つのお話しからなる連作短編でした。
1つ目は19世紀のお話し。
化石発掘の名手の少女が、お金持ちの家の子息とともに世界樹を冒険するお話しです。
2つ目は20世紀初頭のお話し。
世界樹の力学を解き明かした青年が、世界樹を巡るある企てに巻き込まれます。
3つ目は多分21世紀のお話し。
前2編の登場人物を先祖にもつ2人が出会い、話しが始まります。

物語を構成する3編とも、世界樹をテーマにしています。
その世界樹は、地球をへこみに抱くそら豆の輪郭線のような形をしています。
これが、著者の他の作品でも登場する楕円軌道リングです。
このアイデアだけでも面白いのに、各話の面白いところはそれだけではありません。
しっかりと描き込まれた独特のキャラクターたち。
世代を超えて世界樹に関与することになる登場人物たちの物語。
ただの冒険譚かと思って読み進めると、アッパーカットを食らわせられます。
読み終えたわたしの頭の中には、漆黒に浮かぶジェリービーンズの輪郭線が……
これは世界樹の呪いかも知れない……
とても面白かったです。
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