ユズが逝った。
先月の、おだやかに晴れた日の夜のこと。
すぐに自分の病気が致命的で
巻き込んでしまうとわかったのか、
側にいようとするみんなふり切って
ひとり、
視線時々ガラスの向こう、
広い水槽で静かに最期の日々を過ごした。
その姿描き留めたいと
えんぴつ手に水槽の前で紙広げると、
動く力もうほとんどないはずなのに、
いつものポーズ見せてくれた。
秋のひまわりと、赤いガーベラの前で。
送るのは明るい色でと思った。
でも手向けたのは、
別れの前の日お花屋さんで見つけた
やわらかなピンクのトルコキキョウ。
デルフィニウムも一瞬気になったけど、
この色、この感じが
なんとなくユズらしいな、と。
4年と少し。
その間いろいろな花と過ごして、
どの花が好きだったのだろう。
デルフィは。
5月に見たのが最後になったけど、
秋になって、
そのうち冬になって、
またいっぱい、
金魚と遊ぶのを見られる。
カフェの友人が金魚を描いてくれた。
(似てる?)
(似てるんじゃない?)