昨日は元気だったのに――と、別れは突然やってきたりする。いつも通り夕飯を食べて、ゆっくり眠りについて、朝起きたら息も切れ切れ。そのまますうっと、消えてしまう。命は、こうも儚いのか。あ、巣から顔を出すヒナたち。ありったけの力で口をあけている。1秒が限界。だから、何度も、何度も。かすかな息、朝から細く細くつないで、あと1分で日付が変わる時に命を終えた。ぐっと左の胸びれ、上向けて。そんな金魚がいた。