日日火水木土土

「月月火水木金金」ではない
怠け者の絵日記、photo日記。

天晴れ、具志堅

2006-08-06 | スポーツ観戦記

亀田興毅の試合をはじめてみた。
すごい人気だとは聞いてはいたが、これまで見る機会がなかった。
試合結果については、報道などで何かと話題にはなっているが、ボクシングの試合ではよくあることだし別に驚きもしなかった。
私の判定では、115対112で亀田の負けだ。

彼のボクシングは、これまでの報道とは裏腹に、かなり堅実なスタイルだという印象だった。
左右のガードを固めた覗き見スタイルで、攻撃のチャンスをうかがうというオーソドックスな戦法だ。
そのせいか、ボクシングの素材としては凡庸な感じを受けた。
ビックマウスぶりなどの、一般報道から受けた印象で、辰吉丈一郎のことを思い浮かべていたが、彼とはまったく違ったタイプのようだ。
辰吉は溢れんばかりの才能で、ノーガードでダッキング、スウェーで華麗に相手のパンチを潜り抜け、軽やかなフットワークでパンチを繰り出すさまは美しかった。
それに比べるとということである。
今回の試合も初回のダウンを挽回するために、守りを固め、手堅く攻めていった。
特に、ボディーへの攻撃はかなり有効だったように思う。
回は進み、一進一退の攻防を繰り返していたが、初回の2ポイントを挽回するほどの優勢には至っていいなかった。
最後の2ラウンドが勝負だと思ったとき、ファン・ランダエタは、中距離から正確なパンチを繰り出し、亀田の足は止まり、手が出なくなってしまった。
これでは勝てるわけがない。以上が、試合の印象だ。
亀田のボディー・ブローのダメージを重視するか、ファン・ランダエタのガードの上からとはいえ、繰り出したパンチの量を重視するかによって判定は変わる可能性はある。

判定については、いまだにマスコミの話題となっている。
そのなかで注目すべきは、具志堅用高の沈黙だ。
亀田に対する苦言をいち早く呈していた彼が、このような亀田が劣勢に置かれたときには口を閉ざしている。
人が明きらかに負い目を負ったときに、寄ってたかって批判を浴びせる世論のあり方を、日ごろ苦々しく思っているので、具志堅の態度には感服した。

サビオラとオーストラリア

2006-06-17 | スポーツ観戦記
ワールドカップがはじまった。
今年のワールドカップの期待は、
1.サビオラの爆発
2.オーストラリアの活躍だ。

1.サビオラの爆発

前回のワールドカップ、韓国-日本大会は、サビオラのための大会になるのではと大いに期待していた。
しかし、私の期待は空振りに終わり、代表をはずされ、出場さえもできなかった。
そのときから、ドイツ大会はサビオラのための大会になって欲しいと思っていた。
しかし、変転激しいサッカーの世界、この4年間でサビオラの影は、以前ほどではなくなってしまっていた。
でも、あの中学生のような純情なサッカー小僧然としたサビオラが、ピッチを走り回り、サッカーを楽しむ姿を堪能したいものだ。
そして、また世界の舞台で活躍するためのきっかけとしても、この大会でぜひ爆発して欲しいとの想いであった。

そして開幕。
いきなり、初戦ではゴールを決め、つぎの試合でも大活躍だった。
セルビア・モンテネグロ戦の前半は実にいい動きだ。
得点シーンにはすべて絡んでいた。
1点目の後方へ出したラストパスは華麗であったし、
2点目のサイドを変えたミドルレンジのパスは正確だったし、
3点目のディフェンダーを押し倒して、
コーナーからドリブルで持ち込でのシュートは力強かった。
いや、もう歓喜、心ワクワクだ。
タレントの多い、今大会のアルゼンチン・チームの中での目だった活躍は、かなり難しいものがあるが、彼ならやれそうな気がする。
それに、左に右に、ディフェンスから攻撃まで、あの小さな体で、きびきびと走り回り姿は美しい。
彼のプレーが、少しでも長く見られることを祈りたい。

2.オーストラリアの活躍

これは、非国民だと思われそうだし、単なるへそ曲がりのようで、あまり大きな声ではいえないのだが。
これは、前大会のアイルランドのような存在になって欲しいとの想いだ。
この両チーム、私の好きなイングランドはヨークシャー地区の名門チーム、リーズ・ユナイテッドの選手が多いのだ。
それが理由で、応援したチーム、アイルランドの前回大会での活躍は光っていた。
そのような活躍を、オーストラリアにもしているということだ。
知っている選手、好きな選手が多いので、必然的に応援したくなるのが、人情というものだ。
国家への思いよりも、個人的な嗜好のほうを優先させる。
公共性よりも、個人的な瑣末な事柄の重視。
地下生活者がつぶやく、世界の滅亡よりも一杯の毎日のお茶を重んじるという暗く陰鬱な志向性。
おっと、話がそれてしまった。
ということで、日本が唯一勝てそうな相手オーストラリアなる報道が、日本ジャーナリズムで流れているときには、物の分からん奴だとの思いを強くしていた。
ハリー・キューエル、マーク・ビドゥカ、この二人の元リーズの選手のすごさを知らないのだろうと言いたかった。
まあ、日本戦での結果は見てのとおりだ。

まだまだ、ワールドカップ、はじまったばかり。
これから、すばらしく美しい多くのプレーをみせてもらいたいものだ。