泣き疲れて、そのまま眠っていた。
目が覚め時はもう朝の10時をまわっていた。
50歳のオッサンが失恋で泣き疲れ、風呂も入らず、頭ボサボサ、目は腫れて最悪だ。
女性が見たらドン引きものだ。
まぁ、ドン引きされても屁とも思わないのだが。
起きて、シャワーを浴び、どうせ出掛けもしないのだから迎え酒でビールを一気に飲んだ。
2本目を飲み終わろうかとしたところで、電話が鳴った。
ったく誰だよ
出る気は無かったから放置。
また鳴り出す。
放置。
また鳴り出す。
あーもうっ!
てな感じで出たら友人だった。
どうやら家族は出掛けたため、一人自由になったので買い物に付き合えとの事。
かなり面倒い。てか行きたくない。
酒飲んでるから運転出来んぞ
と断りを入れるが、自分が運転するからと聞かない。
アウトレットモールに買い物に行きたいそうだ。
とりあえず晩飯と言っても酒飲みだが、奢りの約束させ、仕方なく出掛ける事に。
あー辛い、面倒くさい
友人の乗る車に乗り込み小1時間ほどの道のりだが、まぁよく喋る。
ほぼ、右から左に抜けてよく覚えてない。
そうこうしているうちに到着。
友人はコイツ女子かと思うくらいに次々と店に入り、試着を繰り返す。
自分も買いたいものは無かったが、一応ナイキを覗く。
まぁ、自分の期待するようなスニーカーは置いてないだろう。
案の定、置いてない。
まぁこんなもんだろう。
その後また色んな店をまわり、すっかり暗くなってきた。
腹が減ったと言うのでモール内のフードコートへ。
自分は食欲は無かったから、酒を飲みたかったが、また駐車場まで歩く事を考えるとキツイと思ったのでコーラで済ます。
買い物も出来、腹を満たしている友人を横目に帰途を考えた。
行きに通った道を帰るだろう。
もう一本の道は通るまい。渋滞するし。
何よりも通りたくなかった。
元彼女と最後のデートで走った道だ。
いよいよ帰途。
すっかり暗くなっていたが、友人の運転に任せて自分は助手席でウトウト。
一応帰り道をどう通るか気になったので眠れなかった。
するととある交差点を直進。
まてまて
右折じゃないのか?
友人曰く、この時間なら混んでないだろうから国道通ろうぜ!と
急に身体がざわつき出す。
最後のデートの光景が頭ん中に次から次へと。
最後に食事したレストランの前を通った時にはもう限界だった。
悪寒が酷くなり、頭が痛い。動悸が激しく、身体がダルい。
友人も異常に気付き、大丈夫か?と心配してくれたが、とにかく早く家に向ってくれと。
バタバタと車を降り、友人が心配しつつも挨拶を交わし部屋に戻る。
苦しい。苦しい。
もう死ぬかと思うくらいの身体の異変だった。
こんな調子でこの先大丈夫か?
長い休日が終わった。