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札幌・円山生活日記

札幌を代表するフレンチレストランの名店~「ミクニ サッポロ」~

北海道増毛町出身でフランス料理の第一人者・三國清三シェフがプロデュースするフレンチレストラン「ミクニ サッポロ」。北海道の旬の食材を大切にしフランス産を中心とした世界の食材と融合させたフランス料理の名店です。パティシエが腕を振るうデザートや厳選したワインもお勧めだそうです。

今日はフレンチレストラン「ミクニ サッポロ」で合同誕生日ランチです。妻も私も7月が誕生日の我が家では毎年この時期に合同誕生日ランチを催しており場所は一昨年・昨年と2年続けて「円山公園」前の「オーベルジュ・ド・リル サッポロ」でした。今年は別の店にしようと色々と思案したのですが地下鉄東西線「西18丁目駅」近くの「YUKIO SASAKI (ユキオササキ)」と最後まで迷った末に「ミクニ サッポロ」にしました。同店は札幌に転居する前に北海道へ旅行に来た際に何度か利用したのですが転居後は初めてでオンライン予約サイトから予約してまいりました。


「ミクニ サッポロ」は札幌ステラプレイスの9階部分(写真中央の屋上に飛び出た部分)にあります。ステラプレイス・センターエレベーターⅠを利用します。
ステラプレイス・センターエレベーターⅠを9階でおりた店へのアプローチ。

途中に三國清三シェフの写真が飾られています。三國シェフは帝国ホテルの名物料理長ムッシュ村上信夫氏の推薦で在スイス・ジュネーヴ日本政府代表部大使の公邸料理人に就任。在任時及び離職後にジュネーブ及びパリの名店で修行の後に帰国し市ヶ谷一口坂の「ビストロ・サカナザ」のシェフに就任(「ビストロ・サカナザ」はその後ミクニグループの(確か)「リヨン」に店名変更)。1985年に四谷のお屋敷街に一軒家レストランのはしりとして「オテル・ドゥ・ミクニ」を開業し大活躍するようになります。「ビストロ・サカナザ」や「リヨン」は若いサラリーマンでも出入りできる店でその頃からの三國ファンです。「オテル・ドゥ・ミクニ」時代はキッチンで怒鳴る三國シェフの声が客席まで聞こえたのものですが最近は穏やかになられたようです。

「ミクニ サッポロ」の店内。開店11時30分すぎに入店時の様子です。昼過ぎはこのフロアのテーブルはほぼ満席になりました。

案内された窓際の席から見た札幌の街。ビルの合間に藻岩山が見えます。

テーブルセット。テーブルウェアは1863年にフランス・リモージュに誕生したブランド「BERNARDAUD(ベルナルド)」のミクニ特製。カトラリーはフランスの「Christofle(クリストフル)」です。 
予約したのは“ミクニ・ランチ”。税・サ込みで5,500円。妻がメインの蝦夷鹿が少し苦手で「北海道産牛フィレ肉のポワレ」に変更(プラス同2,800円)。

飲み物のメニューです。グラスワインも色々と選択できます。
折角ですのでこちらの「ソムリエセレクション」から注文します。

飲み物の注文を終えると追加メニューの紹介がありました。

阿寒湖のウチダザリガニ(エクルヴィス)。他の食用ザリガニに比べ大きく湖の冷たい水で育つため身が詰まり美味しいそうです。グラタンに仕上げた1品が1人前税・サ込みで1,000円ということでつい注文しました。

白のグラスワインは「Rully 1er Cru Blanc [2007] Lou Dumont Courtiers Selections(リュリー プルミエ・クリュ ブラン ルー・デュモン クルティエ・セレクション)。15年の熟成を経てコクと味わいを増したシャルドネ。「ルー・デュモン クルティエ・セレクション」はNHKの「プロフェッショナル・仕事の流儀」にも出演した仲田晃司氏がクルティエたちとフランスのドメーヌを回り何らか事情で全部を出荷しなかった古酒を購入しラベルを仲田仕様に張り替えたもの。古酒の割には安めの価格で購入できるので現役時代はお気に入りのネット専用ワインショップでよく買ったものです。その販売価格からすれば1杯2,200円は少し高いかなと思いますが「ミクニ サッポロ」ですから許容します。

「アミューズブーシュ」は竹炭のサブレのベースにタラのブランダードのゴマをまぶしたものとプチシュー。
「白いんげん豆のヴルーテ」。「BERNARDAUD(ベルナルド)」の器が見事です。

白いんげんのとろみが付いたスープに鶏軟骨のコンフィとシャントレル茸のプレゼなどが入っています。白いんげんのスープが美味しい。


はるゆたかと天然酵母の自家製パン。

冷前菜は「トマトのムースと魚介のジュレ」。
半球形のトマトのムースの下に昆布出汁を固めたジュレとトマト、帆立貝、北寄貝、つぶ貝、枝豆などが入っています。酸味の効いたトマトムースと一緒にジュレ等をかき混ぜて食べると夏らしい爽やかな味わいです。


料理が少し空いたので店内を観察。席からガラス超しの厨房が見えます。ドアが開閉される度に厨房の声が聞こえるのですが体育会系の職場です。

一段と高いコック帽をかぶるのがシェフの二本柳 眞氏。シェフも北海道浦河町出身で道産食材への拘りが強いそうです。

阿寒湖のウチダザリガニを使った「エクルヴィスのグラタン」。インパクトのある見映えの料理です。

アメリケーヌソースに阿寒湖のウチダザリガニの身とじゃがいも、ズッキーニが入っています。コクのあるアメリケーヌソースが美味しく「これで1,000円ならお得!」と思います。

白ワインがなくなり赤のグラスワインを注文。

白と同じく「ルー・デュモン クルティエ・セレクション」の「Ladoix Les Briquottes Rouge [2006]  ラドワ“レ・ブリコット”ルージュ[2006]年」。熟成香と果実香のバランスの良いピノ・ノワールです。

本日の鮮魚は「昆布盛産のタラのポワレ」。
「これがタラか?!」と思うようなカリカリ・プリプリのタラの身とアンチョビーを使ったという爽やかなソースが合います。美味しい魚料理です。

メインの「蝦夷鹿肉のロースト」。
ゴロンとした鹿肉のローストに根セロリのピューレ、舞茸のフリット、小松菜等が添えられます。ソースはフォアグラとフォンドボーのソース。
鹿肉はきめ細かい肉質で柔らかくローストされています。一口食べた妻も抵抗なく美味しくいただけたそうです。特にフォアグラソースとセロリピューレで食べると複雑な味わいが増します。

蝦夷鹿肉から変更した「北海道産牛フィレ肉のポワレ」。
ソースは肉汁と赤ワインのソース。舞茸のフリット、人参、小松菜等が添えられます。

シンプルなソースで味わう牛フィレ肉でした。


デザートは「サクランボのタルト」。トンカ豆とフロマージュのアイスが添えられています。
「サクランボのタルト」はサクランボのピューレソースが入ったタルト生地の上に日本のチェリーとアメリカンチェリーが載せられています。この時期らしいデザートでした。


最後はエスプレッソと小菓子。
小菓子はクッキー生地にキャラメルでコーティングしたナッツ類をのせたフロランタンとフランボワーズスのゼリー。小菓子はこれくらいが適量でした。

久しぶりの「ミクニ・サッポロ」は北海道産の食材が光る道産フレンチの趣でした。特に阿寒湖のウチダザリガニ(エクルヴィス)を使ったグラタンは目にも楽しめる一品でした。加えて店の雰囲気も良くサービスも良好で地の利も良い・・まさに“札幌を代表するフレンチの名店”でした。また別の季節にも訪問したいと改めて感じました。ご馳走様でした。

「ミクニ サッポロ」
札幌市中央区北五条西2丁目5 JRタワーホテル日航札幌 札幌ステラプレイス9F
予約・問い合わせ 011-251-0392
営業時間 ランチ 11:30~15:00/ディナー17:30~21:30
定休日 火曜日 その他 月に1~2回休業あり
 http://www.jrhotels.co.jp/tower/restaurant/mikuni/menu.php 
(2022.7.6訪問)

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