石ころ

報い(創世記29章)

 

 ヤコブは旅を続けて、東の人々の国へ行った。(1)
ヤコブは、母の兄ラバンの娘ラケルと、母の兄ラバンの羊の群れを見ると、すぐ近寄って行って、井戸の口の上の石を転がし、母の兄ラバンの羊の群れに水を飲ませた。
そしてヤコブはラケルに口づけし、声をあげて泣いた。(10~11)

 

ヤコブは心細かったのだろう。彼は策略家ではあったけれど、これまではいつも母が味方をしてくれ責任も取ってくれた。自立する間も無く族長となることは、神のご計画ではなかったろう。

 

見よ。わたしはあなたとともにいて、あなたがどこへ行っても、あなたを守り、あなたをこの地に連れ帰る。わたしは、あなたに約束したことを成し遂げるまで、決してあなたを捨てない。(28:15)

 

この神の御約束をたまわるには、彼はひとりで神に信頼するところを通らなければならないのだ。

 

ラバンは妹の子ヤコブのことを聞くとすぐ、彼を迎えに走って行って、彼を抱きしめて口づけした。そして彼を自分の家に連れて帰った。ヤコブはラバンに事の次第をすべて話した。
ラバンは彼に「あなたは本当に私の骨肉だ」と言った。ヤコブは彼のところに一か月滞在した。(13~14)

 

 この時のラバンは心から甥を喜んで迎えている。「私の骨肉」という言葉には、人の心の頼りなさを、アダムがエバを初めに見て喜んだ言葉から思い出す。

 

「これこそ、ついに私の骨からの骨、私の肉からの肉。これを女と名づけよう。男から取られたのだから。」(2:23)

 

これほどに喜んだエバを、彼女の誘いにのって善悪の実を食べたことを神に叱られた時、「あなたが与えてくださったこの女が・・」などと言ったのだから・・。

 

ラバンの心も変わって行くのだ。人には永遠の愛はない。

でも今はキリスト者のうちに、永遠の愛であるキリストがいてくださる。私たちにはキリストに拠る、変わることのない愛の望みがある。

 

ラバンはヤコブに言った。「あなたが私の親類だからといって、ただで私に仕えることもないだろう。どういう報酬が欲しいのか、言ってもらいたい。」
ラバンには二人の娘がいた。姉の名はレア、妹の名はラケルであった。(15~16)

 

ヤコブはラケルを求めて七年間働くことになる。しかし、ラバンはヤコブをだましてレアを与えた。

ヤコブは神の選びに在っても、父と兄を騙した報いのように騙された。そうして、さらに七年間ラバンに仕えることになる。

30章では、姉妹の間の子を競う話となるが、その中でも神のご計画は着々と成って行くのである。

 

 世では不正がまかり通り、大概は狡猾な者の方が勝利する。しかし、その中に神のご存じでないことは一つもない。麦も毒麦も一緒に育つのが世である。
また、一人の人の中にも善も悪も存在する。ただ、キリストの血によって洗われ聖霊の導きの中でのみ、神の栄光を現わすことが可能となる。

 

神が問われるのはただ信仰のみである。キリスト信仰によって、聖霊から来るきよめられた思いの中に、今日を導かれて、何よりも神を愛する最高の善を成すのである。

 

 結果はヤコブからレアとラケルという妻を通して、イスラエルの12部族が出て来ることになるのだから、神の祝福は完全であった。義も聖も神のご計画にのみ在る。

しかしその中にあって、人は自分を治めることも躾けられて行く。

 

ラバンは答えた。「われわれのところでは、上の娘より先に下の娘を嫁がせるようなことはしないのだ。
この婚礼の一週間を終えなさい。そうすれば、あの娘もあなたにあげよう。その代わり、あなたはもう七年間、私に仕えなければならない。」(26~27)


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