BAR pulito mese

北の街札幌でpulito meseという
お店を営むママの奮闘BLOGです!!
笑ったり泣いたり怒ったり^^:

タオルの国からの指令・・・。

2005年06月07日 | ♪^^心の詩
昔、昔・・・あるところに、
寂しんぼうの女の子がいました・・・。
寂しんぼうの女の子には、タオル君という一番の味方がいました。
それはそれは、ふかふかで包まっていると
寂しんぼうを治してくれる
その、女の子にはなくてはならないタオル君でした。

ある日、また寂しんぼになった女の子は
タオル君に包んでもらおうと、
トコトコとタオル君にちかよると、
タオル君はこういいました・・・。

「もう、ボクは君を包んであげられないんだよ・・・。
タオルの国から指令がきたんだ。
今度は、赤ちゃんを包んであげる場所にいかなくちゃいけないんだよ。
ふかふかの、タオルで赤ちゃんを包んであげるんだよ。
だから、もう君を包んであげられないんだ。」

と、タオル君は呟いたのです。

女の子は、とまどいました・・・。
「タオル君がいなくなったら、
あたちは、どうなるの?
今度、寂しんぼになったら
どうやって寂しんぼを治すの?」
と、女の子は思いました。

タオル君がいなくなったら・・・。
タオル君がいなくなっちゃったら・・・。
もう、あのふかふかのタオル君に包んでもらえなくなったら
涙もふけなくなったら、
あたちはどうしたらいいの・・・。

女の子は、そう思うと涙がとまりませんでした。

でも、タオル君はもう何もいってくれません。

女の子は静かに目を閉じました。
タオル君を、ぎゅっとつかんで静かに目をとじました。

タオル君が、寂しいときにいつも頬をおでこをなでなでして
包んでくれたことを思い出しました。

遊びつかれて眠っているときも、
いつも包んでいてくれたことを・・・。

どんなときも、ふかふかで包んでいてくれたことを・・・。

女の子は、泣くのをやめました。

そして、タオル君に心のなかで呟いたのです。

「タオル君、あたちはもう寂しんぼになっても
大丈夫だよ。
タオル君のふかふかはちゃんと覚えているから。
あたちは、赤ちゃんじゃないから
もう大丈夫だよ。
赤ちゃんを、優しく包んであげにいってもいいよ」って・・・。

そう、心で呟いた瞬間
女の子はつかんでいたタオル君を離しました・・・。

ゆっくり目をあけると、
タオル君はもういませんでした・・・。

残っていたのは、タオル君のぬくもりだけでした。

そう、タオル君は沢山のこと教えてくれていたのです。

「寂しいときは、この温もりを忘れないで

離れていても、
このぬくもりは、消えたりしないから」と、

女の子には、きこえているようでした・・・。


そうして、タオル君は赤ちゃんのいる場所へ・・・。


女の子は、タオルの国にお手紙をだしました・・・。


「もう、タオル君に指令をださないでください。
きっと、赤ちゃんにはタオル君がずっと必要です。
どうか、タオル君に指令はださないでください・・・。」と・・・。


女の子は、わかっていたのです。
タオル君が、女の子のそばを離れることが
どんなに悲しいことなのかを・・・。



そして、時間は流れていきます。
女の子はもう、寂しくてもタオルに頬をよせることは
なくなりました・・・。