六角オセロ & 右・石田流 & 目くらまし戦法

六角オセロ と 六角碁 と 将棋の浮き飛車めくらまし戦法 の考案者です

ポップコーンをほおばって 百グラム二百円 計算式は?

2021-03-23 17:26:53 | Weblog
ポップコーンをほおばって

百グラム二百円 計算式は?

「一本、二本で売るより、百グラムいくらで売ったほうが良心的じゃないかしら?」
「そうだねえ~~、兄貴、どう思う?」
「そうだなあ、そうするか」
「じゃあ、百グラム二百円とかではどうだろう?」
「それで行こう」
ショーケンは考え込んでいた。
「だけど、計算が面倒だなあ」
ポップコーンを食べ始めた。ショーケンには、深く何か考えるときには、何かを食べるクセがあった。
「どっこが?」
「うん?」
「簡単じゃん」
「そっかあ?」
「兄貴、馬っ鹿じゃないの?」
「計算式は?」
「百グラム、二百円だから、単純にグラムに二倍すればいいんじゃない」
「うん?」
「二百グラムだったら、二倍の四百円、百二十グラムだったら、二百四十円」
「グラムが円になるってことか?」
「そいうこと」
「なるほど、そういうことか」
「式とか要らないよ。電卓で二倍すればいいの」
「おまえ、頭いいなあ~~」
アキラは呆れかえっていた。
「とにかく、百グラム二百円の札、作っとくよ」


育ちが違うってことだな




翌日がやって来た。
「兄貴~~~、リアカー持って来たよ~~」
「今、行く!」
二人で、リアカーに石焼き芋機を載せていると、よう子がやって来た。
バスケットを持って、まるでアルプスの少女ハイジのような恰好でやって来た。
「どうかしら~~?」
二人は、ぽかんとして見ていた。
「このバスケットに石焼き芋を入れて、踊りながら売るの。どうかしら~~?」
ショーケンが答えた。
「別に踊らなくても」
「わたし、踊りも得意なんですよ~~♪子供の頃にバレエをやってたんですよ~~♪」と言いながらも踊っていた。
「兄貴、いいんじゃない、うけるかもよ」
「そうかなあ?」
「男が、不愛想に売るよりかは売れるよ」
「そうかもなあ」
「外国人には、絶対にうけるよ」
「よう子ちゃんが、大丈夫なら、いいよ」
「だいじょ~~ぶ、でええ~~す♪」
「まるで、ミュージカルだねえ」
「ミュージカルで売りましょうね~~~♪」
アキラはため息をついた。
「ピクニック気分だねえ~~」
「明るく楽しく行きましょ~~う♪」
「小島さんの、そういうのって、どこから出るのかなあ?」
「生まれつきの、根明なんです」
「俺たちとは、育ちが違うってことだな」
「育ちがいいと、根明になるんだ?」
「そうだよ。頭もいい」
「頭も?」
「環境も食べ物もいいと、脳も元気になるってこと」
「な~~るほどね~~」
「じゃあ、芋が焼けたら出発しよう」
「兄貴、計りが無いよ」
「あっ、そうか」
「わたしの家に小さいのがあります。今、持って来ます」
「芋って、どのくらいあるんだ?」
「さ~~~あ?」
よう子が計りを持って来た。
「計ってみよう」
・・
「だいたい、二百から四百だね」
「二百だと、四百円だなあ、売れるかなあ?」
「そのくらいの値段だったら売れるよ」
「りゅうちゃんからもらった新聞紙で袋も作ったし、大丈夫みたいだな」
・・
リアカーは、隆二の運転するクルマに牽引されて、無事に大通りに辿り着いた。
高野山の鐘が、午前十時を告げていた。
「兄貴、どっちに行く?」
「そうだなあ~~?」
「とりあえず、ここから始めましょう」
精進料理を食べた一条院の前だった。よう子は踊り始めた。そして、すぐに止めた。
「ちょっと、道が狭いわね。もう少し広いところに行きましょう」
彼女は、近くの金剛峯寺(こんごうぶじ)の正門前に案内した。
彼女は踊り始めた。すると、外国人の観光客が集まって来た。
「兄貴、来たよ来たよ!」
アキラがコマーシャルを開始した。
「え~~え、ベイクト・スウィートポテイト、ベイクト・スウィートポテイト!」
「え~~え、は日本語だよ」
「あっ、そっか」
彼女は、踊りながら、バスケットの焼き芋を、うまそうに食べ始めた。
「ベイクト・スウィートポテイト、ベイクト・スウィートポテイト!」と言いながら、
アキラは感心して見ていた。
「おお、やるねえ、彼女!」
リアカーの両サイドには、よう子が提案した英語で『焼き石で焼いたサツマイモ』と書かれてあった。
よう子のパフォーマンスで、石焼き芋は、外国人観光客に次から次に売れ始めた。
「兄貴、すごい売れ行きだねえ~~」
五時までに、百個持って来たサツマイモが売れ切れてしまった。
「兄貴、売れ切れちゃったよ」
「おおお、凄いなあ~~」
「今日の売り上げ、ざっと六万円、すげ~~~!」
「金剛峯寺(こんごうぶじ)に、お礼を言って帰りましょ」
「そうだね」
「そうだな」


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