六角オセロ & 右・石田流 & 目くらまし戦法

六角オセロ と 六角碁 と 将棋の浮き飛車めくらまし戦法 の考案者です

風魔小太郎 SF傷だらけの天使 76話

2021-03-24 19:49:30 | Weblog
風魔小太郎 SF傷だらけの天使 76話



きょん姉さんの踊り酔拳の演武は終わった。三人は、倒れそうになるのを、目を閉じて我慢していた。
「皆さん、大丈夫ですか?」
よう子が目を開けた。
「どうやら大丈夫みたいです」
アキラも目を開けた。
「あ~~あ、びっくりした!地震かと思った」
ショーケンも目を開けた。
「凄い!何だ、今のは?」
よう子
「これなら、何もしなくても、相手を倒せますねえ」
「でも、瞬時に攻撃してこられると、駄目なんです」
「でも、大したものだわ~~、びっくりしちゃった」
誰かが、手を叩いて見ていた。
「紅流踊り酔拳ですね」
風魔忍者の風間だった。
「いやあ、お見事!お見事!」
「ありがとうございます。まだまだ未熟者です」
「どなたから、この技を?」
「わたしの父です」
「高田渡先生ですか?」
「はい、そうです。わたしの父です」
「観光地レポーターの高田今日子さんですか?」
「はい、そうです」
「わたしは、風魔忍者の風間杜夫という者です。どうぞよろしく」
「風魔小太郎の風魔忍者ですか?」
「はい、そうです」
「どんなことができるんですか?」
「いろんなこと、出来ますよ。遠当ての術とか」
「どんな術ですか?」
「気合い術です。たとえば、気合いで飛んでる鳥を落とす、とか」
「ええ~~、そんなことが?」
「じゃあ、やってみましょう」
風間は周りを見た。近くの木に、カラスが止まっていた。
「あのカラスを、落としてみせましょう」
風間は、指で印を結んで、奇声を発した。
「キェェ~~~~~ッ!」
カラスは落下した。
「わ~~~、凄い!」
三人も、びっくりしていた。
「あのカラス、死んだんですか?」
「気絶してるだけです」
「人間も、ああなるんですか?」
「風魔小太郎は、人間や馬も倒せたそうですが、わたしには無理ですね。猫くらいなら」
「声で落とすんですか?」
「気で落とすんです」
「き?」
「遠隔気功です。瞬時に、気を相手に送るんです」
「スズメ蜂とかは?」
「昆虫は無理ですねえ、殺虫剤でないと」
風間は笑っていた。
「ときどき、スズメ蜂退治の依頼が、忍者隊・月光に来ますよ。これが、完全武装して、けっこう大変なんですよ」
「そうでしょうねえ」
「ペットボトルに蜂の入り口を作り、焼酎とジュースを入れて、吊り下げておくと、中に入って溺れ死にますよ」
「へ~~え、そうなんですか?それも忍法?」
「昔は、ひょうたんに酒を入れて使ってたみたいです」
「忍術って、合理的なんですねえ」
「そう、忍術は科学なんです」
「スズメバチ、怖いですもんねえ~~」
「刺傷被害が一番多い蜂はスズメバチでです。とくに、秋口の九、十月は繁殖の時期になるため攻撃性が高まり、五メートル以上離れた場所にいても刺してくることがあります」
「怖いですねえ」
「どういうところにいるんですか?」
「土の中、家屋の壁間、屋根裏などの閉鎖的な場所ですね。樹木、崖、橋下などの開放的な場所にも」
「見たら攻撃してくるんですか?」
「見張りのハチが巣の危険を察知した時に、羽音を立てて警戒行動を取ります。威嚇を無視すると一斉に毒針で攻撃してきます」
「威嚇されたら、すぐに逃げればいいんですね?」
「黒い部分のをめがけて刺してくるため、頭部や目を狙われることが多く、とても危険です」
「よく分かりました。気を付けます」
風間は、三人に挨拶した。
「やあ、よう子ちゃん」
「風間さん、久し振り~~」
風間は、ショーケンを見た。
「元テンプターズのショーケンさんですね?」
ショーケン
「そうです。初めまして、どうぞよろしく!こっちは、相棒のアキラです」
アキラ
「どうぞよろしく!」
よう子
「風間さん、どうして、ショーケンさんを知っているんですか?」
「有名ですから、知ってますよ」
「へ~~~え」
「実は、さっき、犬丸さんに聞いてたんです」
「なんだ、そうだったんですか」
「でも、以前から、テンプターズもショーケンさんのことも、知ってましたよ」
「そうなんですか」
「ショーケンさん、テンプターズのヴォーカルって、最初は女性だったんですよね?代役で、ショーケンさんが飛び入り参加して」
ショーケン
「はい、そうです。詳しいですねえ」
よう子
「風間さん、かなりマニアックなことを知っていますねえ」
「実は、僕は、テンプターズのファンだったんですよ。タイガースと違って、男のファンが多かったんですよ」
「そうなんですか」
「野球のタイガースじゃないよ」
風間は笑っていた。気絶していたカラスが起き上がって、大空へ飛んで行った。
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02甲斐バンド LIVE in 薬師寺 翼あるもの

空戦・袖飛車 & 空戦・石田流


ポップコーンをほうばって♪

2021-03-24 09:07:42 | Weblog
SF傷だらけの天使 19話



「兄貴、芋が無くなっちゃったよ」
「明日の朝、また調達に行こう」
「うん、そうだね」
「兄貴、ここは歩道が無いので怖いねえ」
「そうだなあ」
白いジープが前方の路肩に止まった。
「よう子ちゃん、何してるの?」
「犬丸さ~~ん、仕事の帰りよ」
「仕事って?」
「このリアカーで、石焼き芋を売ってるの」
「へ~~~え、で、ドームハウスまで運んでるんだ?」
「そうなの~~」
「じゃあ、引っ張ってあげるよ」
「ええ、いいの?」
「お安い御用で、まかしんしゃい、まかしんしゃい!」
福岡弁だった。
ショーケンは挨拶した。
「はじめまして、あたらしくドームハウスに来た、八番の萩原健一です。よろしくおねがいします」
「一番の犬丸勝です。よろしく!」
「悪いわねえ、犬丸さん」
「そんなことは、気にせんで、よかたい」
「ありがとう」
「萩原健一さんって、ショーケンと同じ名前。顔も似てるし、ひょっとして本物?」
「はい、ショーケンです」
「ええ~~~、そうなの!びっくり!なんで、こんなところに?」
「程塚さんに会いにね・・」
人の心が読める彼は、それ以上のことは尋ねなかった。
「甲斐バンドの薬師寺ライブを見て来たんですよ」
「薬師寺でですか。そいつは凄いなあ~~。甲斐、頑張ってるなあ~~」


三人は、彼の御蔭で楽ちんでドームハウスまで帰ることができた。
「犬丸さん、どうもありがとう!」
彼は「まだちょっと、他に用があるんだ」と言って去って行った。
直観力のあるアキラが尋ねた。
「あの人、普通の人じゃないでしょう?」
「超能力者です、どうして分かりました?」
「目を見れば分かるんですよ」
「人の心が読める超能力者です」
ショーケンが言った。
「アキラも読めるんですよ」
「だから分かったんですね」
ショーケンは、よう子に頭を下げた。
「よう子ちゃん、今日はどうもありがとう。今日の給金、二万五千円です」
「うわ~~あ、こんなに頂いちゃっていいんですか?」
「よう子ちゃんがいなかったら、こんなには売れなかったから」
「どうもありがとうございます。明日も頑張りま~~す」
「明日は、九時に出かける」
「じゃあ、お弁当を作ってきてあげるわ」
「そんなの、悪いよ」
「じゃあ、二人分、千円で」
「千円、安いねえ~~、じゃあ頼みます」


篠原英子が、公園のベンチで泣いていた。よう子は声をかけた。
「ひでちゃん、どうしたの?」
「なんでもない」
「何でも言ってよ」
「なんでもないの~~~!」
「ほんとにどうしたの?」
英子は泣き出した。
「面接に行ったら、病人は要らないって言われたの」
「それはひどいわ~~」
「くやしくって!」
「詳しく話して」
「聞いてくれる?」
「もちろんよ」
「家に帰って泣いてると、お母さんを心配させるから、ここで泣いてたの」
ショーケンも英子の話を聞いていた。
「ひでちゃん、ひでちゃんの大好きな甲斐バンドの歌を歌ってあげるから、元気を出しなよ」
「えっ、ショーケンさんが、甲斐くんの歌を?」
「ポップコーンをほうばって、しか知らないけどね」
「わたしの大好きな歌」「知ってるよ」「歌って~~」
ショーケンは歌いだした。
英子も歌いだした。

僕らは飛べない鳥じゃあなかったはず♪ 翼を広げたら きっと飛べたんだ♪

英子は元気になってきた。

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12甲斐バンド LIVE in 薬師寺 ポップコーンをほうばって

空戦・袖飛車 & 空戦・石田流