六角オセロ & 右・石田流 & 目くらまし戦法

六角オセロ と 六角碁 と 将棋の浮き飛車めくらまし戦法 の考案者です

夜の若宮大路

2021-03-30 20:29:43 | Weblog
SF傷だらけの天使 55話



ドームハウスに着き、公園に来ると、篠原英子がベンチに座っていた。
「ひでちゃん、どうしたの?」
「なんでもない。ちょっと疲れただけ」
あゆみが、よう子の真似をして尋ねた。
「ひでちゃん、どうしたの?」
「この子は?」
「ちょっと預かっているんです」
「ひでちゃん、どうしたの?」
「こいつ~~~、なまいきな!」
「へへへ~~」
「預かってるって、ひょっとして、この子、あゆみちゃんですか?」
「はい、そうです!ひでちゃん、どうして知っているの?」
「実は、この子の母親が、わたしの家にいるんです」
「ええ~~~え!」
「あゆみちゃん、涌井あゆみって言うんだよね」
「はい、そうです!」
「お母さんの名前は、涌井いづみでしょう?」
「はい、そうです!」
「やっぱり、そうだ!」
「ママ、どこにいるんですか?」
「わたしの家よ」
「どこにあるんですか?」
「今、連れて行ったあげるわ」
あゆみは、今にも泣きだしそうな目をしていた。
「よう子さんも来てください」
「はい」
・・
「あゆみ~~~!
「ママ~~~!」
「ごめんね、あゆみ!」
「ママ、どこに行っていたの?」
「ごめんね、あゆみ。行けなかったんだよ」
あゆみは泣き出して、母にしがみついた。
「ママ~~~~~!」
英子が、よう子に説明した。
「実は、昨日お昼過ぎ、この方が、瞑想道場の門のところで、うずくまっていたんです」
よう子は黙って聴いていた。
「それで、道場の人と、高野山病院までリアカーで運びました。それで、今日の三時過ぎまで、点滴を受けていました」
「病気だったんですか?」
「疲労と、栄養状態だったそうです。それで、先ほど迎えに行き、軽い食事をしてから、一緒に帰って来ました」
「それは、大変だったですねえ」
「ママ、だいじょうぶ?」
「大丈夫だよ、あゆみ」
「鎌倉に帰ろうよ」
「そうだね、帰ろうね」
「鎌倉で、おいしいラーメン食べたら、また元気になるよ」
「そうだね、あゆみ」
よう子が質問した。
「ラーメン、好きなんですか?」
「はい」
英子
「よう子さん、涌井さん親子は、わたしが一日預かります。安心してください」
「そうですか」
「はい」
よう子は尋ねた。
「あゆみちゃん、ママと一緒がいいよね」
「うん!」
「じゃあ、よろしくおねがいします」
「はい」
「あっ、そうだ。後で、あゆみちゃんの下着と歯ブラシを持って来ます」
よう子は、ショーケンとアキラに報告に行った。
・・
「それは良かった!」
「鎌倉の人か~~、懐かしいなあ~~、鶴岡八幡宮、鎌倉海岸、江ノ電、若宮大路、鎌倉ハムのハムカツ」
「おまえ、好きだったもんなあ~~、夜の若宮大路」
「うん。なんかロマンチックなんだよね~~」
「わたしも大好き!江ノ電も大好き!」
「江ノ電、いいよな~~。情緒があって!」
よう子
「誰か、ロマンチックな人でもいたの?」
「いたんですよ~~、ひでちゃんに似た人がね」
「で?」
「裏切りの街角になっちまったけどね」
「失恋ってこと?」
「そう」


05甲斐バンド LIVE in 薬師寺 裏切りの街角

空戦・袖飛車 & 空戦・石田流


道案内犬ゴン

2021-03-30 19:10:10 | Weblog
SF傷だらけの天使 28話




「ごめんなすって、ごめんなすって!」と言いながら、平行二輪のセグウェイ道案内ロボットが通行していた。後に外国人の観光客が歩かされていた。
「ゴンだわ!」
「道案内ロボット、名前をゴンって言うの」
「なんで、ゴンなの?」
「以前、ゴンと言う名の道案内犬がいたんです」
「道案内犬?」
「九度山の慈尊院から高野山に行く、弘法大師が歩いていたという山道があります。その道を案内する犬がいたんです。その犬の名前が、ゴン」
「そんな犬がいたんだ?」
「野良犬だったゴンを、慈尊院が飼って、それから案内するようになったんです」
「不思議な犬だねえ~~」
「弘法大師も、犬に案内されたということです。その犬の生まれ変わりではないかと言われています」
「山道は、くねくねと山道は、迷う人が多かったんです」
「だから、案内してたんだ?」
「そうです。道案内したゴンは、一人で、慈尊院に戻って来るんです」
「偉い犬だなあ~~」
「その犬が死んだら、慈尊院は、弘法大師像の横に、ゴンの石像を建てたんです」
「いつのはなし?」
「昭和六十年頃のはなしです。本にもなっています」
「どんな犬だったか見てみたいな~~」
「この犬です」
よう子は、携帯の待ち受け画像を見せた。白い犬だった。
「柴犬かな?」
アキラも、携帯の待ち受け画像を見せた。
「僕のは、よう子ちゃんにそっくりの、関根恵子」
「わたしって、こんなに美人かしら?」
よう子は笑った。
冷たい風が吹いていた。
「まだ秋なのに、高野山は寒いねえ」
「高野山は、和歌山の北海道と呼ばれているんですよ」
「そうなんだ」
「転軸山は、冬になると、スキー場になるんですよ」
「えええ~~~、そうなの!」
「はい」
「どえらいところに来ちまったなあ」
「寒いの嫌いですか?」
「大嫌い」
「そんなに?」
「なんかねえ、うつになっちゃうの」
「わたしはねえ、気圧が低くなると憂鬱になるんですよ」
「へ~~え、そうなんだ」
ショーケンが答えた。
「そういうの、気圧病って言うんだって」

買い物は終わった。
「よう子ちゃんは、帰ったら、いつも何してるの?」
「テレビでニュースを見て、インターネットをやって、ときどき、外に出て宇宙人と交信しています」
「宇宙人と交信?」
「はい。音楽を聴きながら、テレパシーで」
「宇宙人、いるの?」
「まだ、応答はありませんけど、いつかは来ると思ってます」
「ロマンチストだねえ~~」
「ロマンじゃあなくって、高野山には、けっこうUFOも目撃されているんですよ」
「へ~~え、そうなんだ」
「アキラさんも、どうですか?」
「じゃあ、今度やってみるかな」
ショーケンが言った。
「高野山だから、あの世の人が出て来るんじゃないのか?」
「怖いこと言わないでよ、兄貴~~」
「あの世の人が、あのよ~~!って出てくんだよ」
「あ~~~あ、兄貴も高野山の駄洒落病になっちゃった」
三人は笑っていた。カラスも、カッ、カッ、カッ~~と笑うように鳴いていた。山の香りの風が吹いていた。

SF 傷だらけの天使 - 道案内犬ゴン

甲斐よしひろ この夜にさよなら

空戦・袖飛車 & 空戦・石田流


高野山小学校の高根分校

2021-03-29 18:54:37 | Weblog
SF傷だらけの天使 15話

高野山小学校の高根分校↑

「じゃあ、明日から早速始めるか」
「そうだねえ」
「サツマイモは、どのくらいあるんですか?」
アキラが答えた。
「今、試しに焼いたから、あと二十個くらいです」
「それじゃあ、足りないわあ」
「じゃあ、追加しないといけないなあ」
「常に五十個くらいは必要だと思うわ」
「アキラ、また調達に行くか」
「どこに行くの?」
「まずは、麻田さんのところ」
「あるかなあ?」
「麻田さんって?」
アキラが答えた。
「このサツマイモを売ってくれた農家です」
「まだ、あると思いますよ、農家は普通は小出しにするんです」
「小出しに?」
「普通、サツマイモは取ったら、すぐ売るんじゃなくって、二週間くらい、それ以上寝かせてから売るんですよ。貯蔵すると甘くなるんです」
「詳しいですねえ」
「わたしの実家も農家だったんです」
「サツマイモは寝かせておいたほうが甘くなるんだ?」
「はい」
「じゃあ、アキラ、今から行ってみるか!」
「行こう」
「わたしも行きます」
「アニキ、無かったらどうしよう?」
「うん?」
「とにかく今は、やれる範囲のことをやるしかないわ。さあ、行きましょう!」
「そうだねえ」
「欲張ったらキリが無いわ。それなりにやるしかないでしょう」
「そうだねえ」
ショーケンは感心した。
「小島さんは強いねえ~~」
「女は強いんですよ~~」
「そうかもねえ」
「この焼き芋、持って行ってやろうよ」
「そうだなあ」
「行く前に電話すれば?」
「そうだなあ」
「場所は、どこなんですか?」
「高野山病院の裏の方です」
電話が終わると、三人は自転車に乗り、麻田洋子の家に向かった。
家に着くと、すぐに洋子が出て来た。
「ショーケンさん、待ってました!」
「サツマイモ、まだあります?」
「ここには、もうありませんが、畑に行けば沢山あります。小屋に貯蔵してあります」
「それ、分けてもらいます?」
「いいですよ、いくらほだ?」
「さしあたり、百個ほどあったら助かります」
「いいですよ、そのくらいなら」
「ありがとうございます」
「じゃあ、畑に行きましょう」
「遠いんですか?」
「ちょっと遠いです。山道で坂が多いので、自転車じゃ無理です」
「そうなんですか」
「家のクルマで一緒に行きましょう」
三人は、洋子の運転する軽自動車に乗り込んだ。
「高野山小学校の高根分校の近くに畑があります」
木造の古い校舎が見えて来た。よう子が呟いた。
「わ~~~あ、ノスタルジック!」
「今は廃校になってます」
アキラ「なんだか切ない雰囲気だね~~」
「小学校の頃は、この近くに住んでいたんですよ」
「だから、畑がここにあるんだ」
「そうなんです」
「じゃあ、小学校は、この学校?」
「そうです、ここです」
「何人くらいいたの?生徒は」
「全学年で九十人ほどでした」
「少ないねえ」
「わたしの学年は、十五人でした」
畑に着いた。
「柵に触れると、動物除けの警報音が鳴りますので、注意してください」
アキラは驚いた。
「お~~、触るところだった!」
「今、リモコンで警報機のスイッチを切りますから」
ショーケンは、畑全体を見ていた。
「広い畑ですねえ」
「大したことはありませんよ」
「いろいろとやってるんですねえ」
「はい」
木造の小屋に案内された。
「どのくらい入用ですか?」
「そうですねえ、とりあえず百ほど」


「それじゃあ、中に入って選んでください」
「はい」
三人は、中に入り、選別して、洋子から渡された袋に、サツマイモを入れて出て来た。
ショーケンは、洋子に代金を払った。
「ありがとうございます」
「また来ますので、よろしく」
「はい。それ重いので、自宅まで届けますよ。どこですか?」
「転軸山のドームハウスです」
「ひきこもり革命軍の?」
「はい、そうです」
「じゃあ、ショーケンさんも、ひきこもりなんですか?」
「違いますよ」
「でしょうねえ~~」
よう子が助言した。
「あそこの半数の人は、ひきこもり革命軍とは関係ないんですよ」
「そうなんですか」

ドームハウスに着いた。ショーケンとアキラは、自宅にサツマイモを入れると、また戻って来た。
「ドームハウスの中って、どうなってるんですか?今度、見せていただけません?」
「いいですよ。いつでも」
「今日は、いいです」
麻田洋子の自宅に着いた。
「いや~~、どうもありがとう、洋子さん。助かったよ」
「どういたしまして」
三人は、晴れ晴れとした気分で、電動アシスト自転車のペダルを踏み込んだ。
高野山の鐘が、午後の五時を告げていた。カラスも、どこかに向かって鳴きながら飛んでいた。アキラが、カラスを見ながら歌いだした。

カラス なぜ鳴くの~~~ ♪

少し、風が吹いていた。ショーケンは、≪風の中のあいつ≫のような表情で、漕いでいた。

SF 傷だらけの天使 - 高野山小学校の高根分校

補足
1982年に休校となった高野町立高野山小学校 高根分校(和歌山県伊都郡高野町林18)は、かつて和歌山県にあった小学校です。国道317号線から少し外れた集落内にあり、現在もその校舎は残されています。中に入ることはできないものの、校舎の外観は美しく保たれており、当時元気に通っていた子どもたちの姿を思い浮かべることができます。また校庭には創立100周年を記念する石碑やひょうたん型の池が残されており、その歴史の長さをうかがい知ることができます。


風の中のあいつ OP 1973 歌:沢田研二

空戦・袖飛車 & 空戦・石田流


おいしいわ~~!

2021-03-29 18:04:40 | Weblog
SF傷だらけの天使 14話



はたして、次の日の午後がやって来た。

「プロパンガスも用意したし、あとは来るだけだなあ」
「そうだねえ」
ショーケンの携帯が鳴った。
「りゅうちゃんからメールだ」
「何て?」

ストーンは要らないと思います。外国人は『歯が折れる~~~』と怖がってしまうと思います。従って「ベイクト・スウィートポテト」にしましょう(笑)
質問してきたらbaked with stoneでクッキング方法をすこし可視化できると思いました。

「やっぱり、程塚さんだねえ~~、外国人を、よく知ってるねえ~~」
「米軍基地でエンジニアのリーダーやってたから、外国人には詳しいんだよ」
「なるほどねえ、これからは、なるほどづかさんと呼ぼう」

ピンポ~~ン パンポ~~ン ♪

玄関のチャイムが鳴った。
『宅急便で~~す!』

石焼き芋の機械は無事に届いた。
「アキラ、表で試運転してみよう」
「そうだね~~」

試し焼きしていると、よう子がやって来た。
「どうですか、うまく焼けてます?」
「ばっちり!これで2回目」
「アキラ、焼いたやつ、出してやれ」
「あいよ」
アキラは、よう子に差し出した。
「じゃあ、いただきま~~す」
「どう?」
「おいしいわ~~!」
「焼き具合は、どう?」
「ちょうどいいわ~~、両親に持って行ってやってもいいかしら?」
ショーケンが嬉しそうに答えた。
「もちろんだよ」
「じゃあ、二個ください」
アキラが、大きいのを二個、手渡した。
「アキラ、りゅうちゃんにも届けてくれ」
「あいよ、じゃあ二本」
よう子は、両親に届けると、また戻って来た。アキラも戻って来た。
「兄貴、程塚さん、とっても喜んでたよ」
誰かがやって来た。よう子に手を振りながら、
「こんにちわ、よう子ちゃん」
「こんにちわ」
ショーケンが、よう子に尋ねた。
「ドームハウスの方ですか?」
「十番の篠原さんです」
「はじめまして、十番の篠原英(ひで)子と言います。どうぞよろしく」
「新しく入って来た、萩原健一です。どうぞよろしく」
彼女は、ザルの焼き芋を見ていた。
「石焼き芋ですか?」
ショーケンが頷いた。
「ええ、そうです」
「おいくらですか?」
「ええっと、そうですねえ、ドームハウスの方ですから、一本百円でいいです」
「じゃあ、二つください」
「ありがとうございます」
「すいません。袋を切らせていまして」
「無かったら、このままでいいです」
彼女は、一本を紙バックに入れ、一本を食べながら去って行った。
アキラが、にこっと笑った。
「今のが、記念すべき最初の御客さんだねえ、篠原ひで子さん、覚えておこう」
よう子が言った。
「あの人、パーキンソン病なんですよ」
「パーキンソン病?たしか、モハメド・アリが」
「そうです。手足が震えたり、動かなくなったりする病気です」
「大変な病気なんだねえ」
「難病の一つなんです」
どうしようもない風が吹き、可憐な花を揺らしていた。

SF 傷だらけの天使 - おいしいわ~~!

坂崎幸之助と吉田拓郎のオールナイトニッポンGOLD 第40回(2010年9月27日)

空戦・袖飛車 & 空戦・石田流


ドームハウス

2021-03-29 09:15:08 | Weblog
SF傷だらけの天使 3話




「兄貴、これからどうするの?」
「引きこもり革命軍の程塚隆二に会いに行く」
「我々は、大地に引きこもる、の程塚隆二に?」
「そうだ」
「知り合い?」
「まあな」
「その人、どこにいるの?」
「転軸山」
「ひきこもり、うつ病は、砂糖の食べ過ぎ」
「なんだいそりゃあ?」
「程塚隆二の学説」
「へ~~~え」
「右を見ても、左を見ても、お寺ばっかしじゃん」
「そうだなあ」
二人は、バス停に戻った。
「転軸山は、次の次の次だよ。次のバスは三十分後」
「じゃあ、歩くか」
「そうだね、高野山の勉強にもなるしね」
転軸山に着いた。のぼりがはためいていた。
「我々は、大地に引きこもる、兄貴、ここだ」
「そうみたいだな」
二十軒ほどの丸い家が建っていた。
「変な家だねえ」
「ドームハウスってやつだな」
「どの家なんだろう?」
「訊いてみるか?」
「そうだねえ」
ショーケンは、いちばん近い家のチャイムを鳴らした。表札には、河合とあった。若い綺麗な女性が出て来た。
「すみません。程塚さんの家を探しているんですけど、ご存知ありませんか?」
「パスワードを言ってください」
「パスワード?」
「はい」
「知りません。高校のときの友人の萩原健一と言えば分かります」
「ちょっと待ってください」
「はい」
・・
「高校の名前を言ってください」
「聖橋(ひじりばし)高等学校」
「ちょっと待ってください」
「はい」
アキラは、後で聴いていた。
「パスワードとは驚いたね~~」
戻って来た。
「わたしが、案内いたします」


二人は、程塚隆二のいるドームハウスに案内された。
「りゅうちゃん、久し振り~~!」
「おお~~~う、ショーケン!」
それは、高校時代以来の再開であった。
「どうしてた、ショーケン?」
「いやあ~~、ピッグの解散後、失業しちまってねえ」
「そこまでは知ってる」
「ぬいぐるみを着て、天地真理のバックで踊ったりして、アルバイトしてたり」
「そんなことまでやってたんだ」
「帰りの電車賃が無くって、僕を知っていた女性から、お金をもらったこともあったよ、サインしたら喜んでた」
「ショーケンのファン、多かったもんな~~」
「天国と地獄を体験したよ」
「大宮駅は、女性ファンで凄かったねえ~~」
「業界に踊らされてただけだよ」
「いきなり、ショーケンからメールが来て、びっくりしたよ。頭脳警察に追われてるんだって?」
「日比谷の野音で、反政府ロックコンサートをやったら、群衆を扇動したということで、危険人物になって、全国指名手配」
「民衆扇動罪か、僕と同じだ」
「行く場所が無くって困っているんだ、かくまってくれないかなあ?」
「いいよ、同じ仲間だから」
「ありがとう。感謝するよ」
「空いてるドームハウスがあるから、そこを提供しよう」
隆二は、アキラを見た。
「二人?」
アキラが答えた。
「そうです、二人です。よろしくおねがいします!」
「分かりました。じゃあ、早速案内いたしましょう」
空いてるドームハウスは隣だった。
「一応、生活必需品はそろっています」
アキラが質問した。
「このドームハウスって、コンクリートですか?」
「発泡スチロールです」
「えっ!」
「安心してください、耐熱性なので燃えたりはしません」
「壊れないの?」
「強化発泡スチロールなので大丈夫です」
「驚き桃ノ木」
「空気の層で断熱するので、夏は涼しく、冬は温かく過ごせます」
奥の部屋から音楽が聞こえていた
「おっ、自由に歩いて愛して。じゃん」
「そう、ピッグの時代のね」


PYG/自由に歩いて愛して Now The Time For Love (1971年)

空戦・袖飛車 & 空戦・石田流



米軍人の49%ワ○チン拒否!接種義務化への強要する政府にブチ切れたアメリカ人たち

2021-03-29 08:28:24 | Weblog
米軍人の49%ワ○チン拒否!接種義務化への強要する政府にブチ切れたアメリカ人たち

空戦・袖飛車 & 空戦・石田流


熊が出ます 注意してください!

2021-03-28 10:55:22 | Weblog
SF傷だらけの天使 2話



「兄貴、ここから先は、二時まで事故で止まっているよ」
「仕方ない、歩くか」
山沿いの登山鉄道を、十歳くらいの少女が、一人で歩いていた。
「お父さんと、お母さんが、交通事故で高野山病院に入院してるんです」
「それで、この線路を歩いていたんだ?」
「はい」
「名前は、何て言うの?」
「あけみ、白木あけみ」
「僕は、ショーケン。そっちは、アキラ」
少女は、不安そうな表情で返事をした。
「ショーケンさん、アキラさん、よろしく、おねがいします」
「このバッグの中、何が入っているの?」
「コンビニで買った弁当と飲み物」
高野山登山電車・南海高野線は、事故で紀伊神谷から動かなくなっていた。
「あと一駅だから、頑張ろうね」
「うん」
線路の脇には、細い道があった。
「兄貴、道があるよ」
「もうすぐだから、こっちでいいよ」
「なんだか、コンドルでも飛んでいそうなとこだねえ」
「コンドルはアンデスだよ」
「まあ、そうだけど・・・」

Leo Rojas - El Condor Pasa (Videoclip)

道には『熊が出ます 注意してください!』の看板があった。
「兄貴、熊が出るんだって、おっかねえ~~」
「やっぱ、高野山だなあ」
「あけみちゃん、この人、若い頃は歌手だったんだよ」
「じゃあ、歌を歌ってたの?」
「そう」
「どんな歌?」
「兄貴、歌ってくれよ」
「じゃあ、元気の出る歌を、みんなで歌おう」
「そうだね。あけみちゃんの好きな歌は?」
「なんでもいいわ」
「じゃあ、迷子の子猫ちゃん。知ってる?」「うん」
三人は歌いだした。
・・・
「兄貴、極楽橋だ、ここで終点」
「高野山は、まだかよ?」
「ここからは、高野山駅まで高野山ケーブル」
少女は、不安そうな目をしていた。ショーケンは、少女の手を強く握った。
「病院まで行くからね」
「はい、おねがいします」
三人は、高野山ケーブルに乗り込んだ。外国人が多かった。
「凄い勾配だなあ」
「箱根よりも凄いね」
高野山駅に着いた。
「うわ~~、山だらけじゃん!」
「売店とコインロッカーだけだなあ」
「道はあるけど、バス専用道路って書いてあるよ」
「歩きは駄目ってことか」
「バス停があるよ、兄貴」
「分からないから、それに乗ろう」
駅の標高は、八六七メートルと書いてあった。
「こんな山の上に、町なんかあるのかねえ?」
「そうだなあ」
「不気味なところだね」
二人は、顔を見合わせ皮肉っぽく笑った。
「なんでも、お墓が沢山あるところらしいよ」
「ふ~~~ん」
「町は墓だらけだったりして・・」
「そんなことはないだろう」
「世界遺産だもんね、ここは」
「とにかく、高野山病院まで行こう」
「あいよ」
少女は、微笑んでいた。
三人は、高野山病院前で降りた。
ショーケンは、持っていた少女のバッグを手渡した。
「あけみちゃん、ここが高野山病院だよ」
「どうもありがとうございました」
アキラが、少女の肩を、ポンと叩いた。
「あけみちゃん、僕らも一緒に入るよ」
ショーケンも頷いた。「そうだな、保護者が必要かもしれないからな」
「ありがとうございます」
少女は不安だったのか、喜んでいた。
何事もなく、三人は病室に通された。
少女は、母の顔を見ると泣き出した。
「お母さ~~ん!」
「あけみ、一人で来たのかい?」
「ううん、この人達と一緒」
ショーケンは、、ペコリと頭を下げた。アキラも真似して下げた。
「あけみちゃんが、一人で線路を歩いていたものですから・・」詳しく説明した。
「ありがとうございます」
「お父さんは?」
「隣の部屋にいるわ」
「じゃあ、見て来るわ」
あけみは、すぐに戻って来た。
「お母さんは、どこを怪我したの?」
「打撲よ、腰をぶつけて歩けないの。お父さんは、足の骨を折ったの」
「どのくらいで治るの?」
「先生は、一か月くらいって言ってたわ」
「お父さんは?」
「わたしより、ちょっと長いらしいわ」
ショーケンは、あけみの様子を見ていた。
「あけみちゃん、一人で帰れるかな?」
「はい、帰れます。大丈夫です」
「家には、誰かいるの?」

「わたしの妹が、近くに住んでいるので」
「それじゃあ、安心ですね」
ショーケンは、再度、あけみを見た。
「何か分からないことがあったら、電話して」
ショーケンは、電話番号を少女に教えた。
「じゃあ、お母さん。私たちは、これで失礼します」

空戦・袖飛車 & 空戦・石田流


江ノ電 源氏池

2021-03-28 10:30:22 | Weblog
江ノ電 源氏池 SF傷だらけの天使 102話



江ノ電・鎌倉高校駅 ↑

次の日の朝がやって来た。空は晴れていた。
「きょん姉さん、朝のお散歩しましょう」
「はい、しましょう」
あゆみは三輪車に乗っていた。
「どうして、今日は三輪車なの?」
「きょん姉さんが買ってくれた靴が、早く減るから」
「あゆみちゃん、ケチねえ~~」
「へへへ」
「幼いのに、しっかりしてるわねえ」
「ショーケンさんが買ってくれた三輪車も使わないと」
「ショーケンさんが買ってくれたんだ?」
「はい」
「買ってくれる人が、たくさんいて、いいわねえ」
発明家の程塚隆二がやって来た。
「おはよ~~う!お散歩ですか?」
あゆみが答えた。
「はい、そうです!」
「じゃあ、僕も一緒にしようかなあ」
「それはいいですねえ~~」
きょん姉さん
「もう行って来たんですか?早いですねえ」
「彼らを乗せて行くだけですから、朝飯前です」
あゆみ
「朝ご飯、まだ食べてないんですか?」
ドームが教えた。
「朝飯前とは、朝ご飯を食べていなくても簡単に出来る、って意味です」
「ふうん、そうなんだ。ドームくんは、何でも知っているのねえ」
「だいたいのことは、知っています」
あゆみは、三輪車をこぎだした。
「じゃあ、みなさん出発~~!」
隆二
「電車みたいだねえ~~」
「江ノ電にの乗ってみたいわあ~~」
「僕も乗ってみたいなあ」
「乗ったことあるんですか?」
「ああ、有りますよ。何度も」
「ママと、電車に乗って、お参りに行っていたの」
「鎌倉の鶴岡八幡だね」
「そう」
「大きな池があって、大きな鯉が泳いでいたわ」
「そうだねえ」
「桜の花が、いっぱい咲いていたわ」
「そうだねえ」
「食堂があって、アイスクリームを食べていたわ」
「知ってるよ」
「幼稚園もあったわ」
「鶴岡幼稚園って言うんだよ」
「へ~~~え、知らなかったわ」
隆二
「神社みたいな幼稚園でしょう?」
「うん」
きょん姉さん
「隆二さんも、鎌倉にいたんですか?」
「いえ、僕は、横浜の生麦です」
「生麦事件の?」
「はい」
あゆみ
「横浜って、鎌倉の近くですか?」
「そうだよ、近くだよ」
「だから知ってるんですね」
「きょん姉さんは、博多のどちらに?」
「大濠公園の近くです」
「知ってますよ、大濠公園。有名ですからねえ」
あゆみ
「ドームハウスに住んでたんですか?」
「ううん、普通のマンションだよ」
きょん姉さん
「ここのドームハウスは、いつ頃から?」
「十年くらい前からです」
「なぜ、ドームハウスを」
「ニュースで、見たんですよ。熊本大地震にも壊れなかったドームハウスってね」
「わたしも、ドームハウスに住みたいんですけど、博多にもありますかねえ?」
「さああ、博多ではなくって、福岡ならあるんじゃないでしょうかねえ」
あゆみ
「隆二さんは、宇宙人なんですか?」
「宇宙人じゃありませんよ」
「いろんな発明もするし、きっと宇宙人なんだわ」
「それだったら、いいなあ~~」
隆二は構えて見せた。
「シュワッチ!」
「なんですか、それ?」
「ウルトラの星からやって来た、ウルトラマン!」
「なんですか、それ?」
きょん姉さんも、隆二も笑っていた。
ロボット犬のドームが答えた。
「昔、そういうテレビ番組があったんですよ」
「ドームくんは、何でも知っていますねえ。学校の先生みたいだわ」
隆二
「ロボットの先生。それは、いいアイデアだなあ」
ドームが、三輪車を後ろから押していた。
「キティちゃんの将棋、気に入ったかい?」
「かわいいけど、やっぱり、王将って書いてあるのがいいわ」
「そっか~~~」
「その三輪車、かっこいいねえ~~」
「ショーケンさんに買ってもらったんです」
「それは良かったねえ~~」
「ショーケンさんは、むかし歌手だったのよ」
「知ってますよ」
「りゅうじさん、ショーケンさんの歌、なんか歌えますか?」
「そうだねえ~~」
「何でもいいわ」
「じゃあ、テンプターズの、雨よ降らないで」
隆二は、一本調子で歌いだした。
「りゅうじさん、下手ですねえ~~」
「へへへ」
それでも、平然とした表情で歌っていた。
高野山の空は、晴れて澄み切っていた。


雨よ降らないで

空戦・袖飛車 & 空戦・石田流


油断大敵! UFOカッパ

2021-03-26 20:20:39 | Weblog
SF傷だらけの天使 92話



ショーケン
「りゅうちゃんは、失敗することがあるの?」
「中途半端なことをやると、だいたい失敗しますね」
「そりゃあそうだ」
「人間は、必ず失敗するんです」
「必ず失敗する?」
「そうです、必ずです。プログラムをやってて分かったんです。人間は、コンピュータじゃないから、必ず間違えるんです」
「ふ~~~ん」
「だから、いつも僕は、七十パーセントの確信なんですよ」
「七十パーセントねえ」
「でも、人間には学習能力があるので、後で修正すればいいんです」
「それじゃあ、クルマの運転なんか出来ないんじゃないの?」
「クルマの運転は、実験やプログラムなんかに比べると簡単ですから、百パーセントの確信で運転していますよ。でも、用心していても、人間ですからねえ」
「油断大敵だよね」
「だから、手術なんかでは、手順を見ている助手が、必ずいるんですよ」
「なるほど。これ、まだやってんの?」
「あと十発、十分置きに」
「その後は?」
「食事」
「穀物抜きの夕食ね」笑
「自分を見つめながら、食べることが大切なんです」
「なるほどね。最近、ゴキブリが出てねえ」
「ゴキブリは、生ごみがあると、食べに出てくるんですよ。夜中に」
「台所に多いね」
「そうなんです。生ごみに毒を振りかけておくといいですよ」
「毒?」
「売っていますよ。ネットでも」
「それで死ぬんだ?」
「はい。無いときには、洗剤でも死にますよ。無臭のがいいです」
「へ~~~え、それやってみよう」
「ゴキブリは人を噛むことがあるんですよ」
「ええ、そうなの!?」
「ハチやムカデのように毒はありませんが、ゴキブリの噛む力は非常に強く、ゴキブリが噛んだ箇所から細菌や雑菌が入り込むと、アナフィラキシーショックを起こすこともあります」
「怖いねえ~~」
「人を攻撃しようとしているわけではなく、肌に付着したごみや皮膚の角質を食べようとするからなんです」
「殺さないと、駄目だねえ」
「基本的にゴキブリは夜行性で、餌を探すために活動するといわれています」
「暗くなると、出て来るんだ」
「わたしは、超音波式害虫駆除機を使っています。あらゆる虫を追い払いますよ。ムカデとかも」
「どこで買ったの?」
「ネットで買いました。安いですよ、千円くらいで。寝てるときに噛まれるそうなので、寝床の近くに置いています」
「それ、いいねえ。俺も買おうっと!」
「部屋を常に綺麗にしておくことですね」
「そういうことだね」
「ゴキブリに噛まれたことは?」
「ない。ムカデはあるよ。痛かった!」
「ムカデや蜂の針は、ガムテープで取ればいいんですよ」
「へ~~~え!じゃあ、救急箱にガムテープ、入れておこう」」
よう子
「わたしも使ってますよ。超音波の、まったく出てこなくなりました」
アキラ
「隆二さんも、UFOカッパじゃん」
「これいいですよ。両手が使えますから。傘は、避雷針にもなるから危ないんですよ」
「雷の日の傘は、危ないってこと?」
「そういうことです」
隆二を知っている近所の、UFOカッパの子供が、隆二の発明したカミナリ中和弾の迫撃砲を見ていた。
「発明家のおじさん、これなあに?」
「これはねえ、カミナリを消してしまう大砲だよ」
「うわ~~、すごいなあ~~!」
子供の目は、好奇心で輝いていた。
「これで、カミナリをやっつけちゃんだ!」
「うん、そうだよ」
「やっぱり、おじさんは凄いな~~~」
「大雨になるから、早く帰りなさい」
「は~~~い!」
高野山に、雷鳴が轟き冷たい雨が降っていた。
ショーケンが隆二に言った。
「このカミナリ中和弾、まさにブライトン・ロックだねえ~~」

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KAI BAND ブライトン・ロック

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すてきなバレリ

2021-03-26 19:54:35 | Weblog
すてきなバレリ SF傷だらけの天使 88話



きょん姉さん
「将棋って、駒組みで強さが分かるんですか?」
アキラ
「分かりますねえ。強い人ほど、駒組みが綺麗ですねえ。無駄な遊び駒がありませんねえ」
「無駄な動きもない?」
「はい、そうです」
「なんか、武道に似ていますねえ。武道も、強い人の動きは綺麗です」
「ボクシングだって、何だって、同じですよ。強い人は、無駄な動きが無くって美しい」
「そうですねえ」
「きょん姉さんの、紅流酔拳も」
「わたしは、まだまだです」
あゆみ
「わたしも、まだまだで~~す」
「将棋、、じゃあ、どっかで買ってくるかなあ」
ショーケン
「将棋だったら、りゅうちゃんもやるから、持ってるんじゃないかなあ?」
「そうかも知れないね」
きょん姉さん
「じゃあ、あゆみちゃん、買い物に行こうか」
「よう子お姉ちゃんに会えたから、もういいわ。行きましょう」
アキラ
「なあんだ、僕に会いに来たんじゃないのか」
「三人に会いに来ました」
きょん姉さん
「じゃあ、皆さん、失礼します。お仕事、頑張ってください」
「もう少し、ここにいたいわ」
「もう少し・・」
「じゃあ、きょん姉さん、買い物に行って来て、わたし、ここで待ってるるから」
アキラ
「あゆみちゃん、小さいのに、機転が利くねえ。さすが、将棋が強いだけあるなあ!」
よう子
「じゃあ、お姉ちゃんと踊って待っていましょう」
「は~~~い」
あゆみは踊り始めた。よう子も踊り始めた。そして、ロボット犬のドームも踊り始めた。
観光客が、珍しそうに、ドームを見ていた。
「兄貴、こりゃあ、いいや!」
石焼き芋は売れ出した。
ショーケン
「よう子ちゃんも凄いけど、あゆみちゃんも凄いねえ~~」
アキラは、感心して見ていた。
「女って、強いね~~!」
きょん姉さんは、一安心して去って行った。
ショーケン
「外国人も多いし、ひとつ英語の有名な歌でも歌ってみるか!」
「おっ、兄貴、歌うんだ!で、何て歌?」
「モンキーズの、素敵なバレリ」
ショーケンは、音を用意していた。プレーヤーから、歌無しの音楽が流れ出した。
よう子「これ、踊れそうだわ!」
アキラ「モンキーズだから、踊れちゃうよ」
ショーケンは歌いだした。
「すごいねえ~~、兄貴!英語でも歌えるんだ!」
「ああ、このくらいわな」

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ザ・テンプターズ/すてきなバレリ

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