花の色は うつりにけりな いたづらに
わが身世にふる ながめせしまに
小野小町の歌です
直訳すれば…
桜の花の色は、むなしく衰え色あせてしまいました、
春の長雨が降っている間に。
ちょうど私の美貌が衰えてしまったのと同じように
恋や世間のもろもろのことに思い悩んでいるうちに。
有名な歌です。
「花」とだけ書かれている場合
古典ではそれは「桜」をさします。
桜の花は今日も満開、
青空との対比がとても美しくて、
思わず車を停めてしまうほどです
この歌が現代まで強く残っているのは…
おそらく日本人にしか分からないとされる
「滅びの美学」、無常観を詠んでいるから…
小野小町といえば美貌だけが取りざたされますが…
「若かった頃に遣り残したことへの悔い」という
誰もが持っているであろう
ほろ苦い想いを感じ取るから
受け入れられるんじゃないかな…っと
少なくともさすらう女は桜を見ると
この歌を思い出してしまいます。
ぱっと咲いて、ぱっと散る潔さが
人の心を離さない
それが桜の凄さなんでしょうね~