ヨーグルト神話:さあ、どうする、ヨーグルト
非常に興味深いエッセーを紹介したい。 かなりご高齢の方のブログからの引用である。
元サイト:zenmz.exblog.jp
さあ、どうする? ヨーグルト
★ 食べ物の話に下手な理屈を持ち込むのは禁物ですね。特に”からだにいい”というお薦め言葉。よく激突することがあります。今、私が、悩んでいるのは、カスピ海ヨーグルトの健康効果 。毎朝、いただき元気の源・・・と信じて疑わなかったのですが・・・
★ 牛乳から作られたカスピ海ヨーグルトは、一般的なプレーンヨーグルトと同様に、腸内環境を整える作用があり、しかも、カルシウムやタンパク質も摂取できると、あって、長年、我が家では、毎朝、必ずいただく習慣になっています。タネさえあれば家庭で手軽に作れるのも魅力。
★ 種類の多いヨーグルトの中でも”カスピ海”は、トロリとした独特の粘りが特徴で特に肌荒れによい、とか俗信があり、若い女性に人気があります。その俗信も数年前、武庫川女子大学国際健康開発研究所が科学的研究で裏付け、一躍、有名になりました。
★ なんでも、この粘りの正体は、「クレモリス菌FC株」という菌で、うまみを出すだけでなく、理想的排便を司る整腸効果で美肌を作ることや免疫調整に抜群の効果がある、ことがわかり、日本食品化学工学会で公式発表されました。
★ 長年のファンだった私などは、自分の体験と合わせて、大きく頷いたものでした。しかも、どうしても免疫機能が落ちる高齢者にとっては、感染に対する抵抗力に大きく関わるNK細胞活性が高まり免疫調整作用のあることも判明した、と言われます。
★ 我が家で長年、カスピ海ヨーグルトを重宝してきたのは、一つにはその信頼性にあります。それは、「カスピ海ヨーグルト」の名付け親である長寿研究で有名な家森幸男先生(元京大教授)が長寿者の多いコーカサス地方で発見され日本に持ち帰って普及された、というので、紹介された最初から疑うこともなく食べてきました。
★ 明らかになった「クレモリス菌FC株」の研究結果は、家森先生によってフランスの学会でも発表され、国際的にも「公知の事実」になっているそうです。
★ ところが、
「腸のために毎日ヨーグルトを食べ、カルシウム不足にならないように、と、毎日牛乳を飲んではいませんか? それは、胃腸を悪くする”間違った健康法”です」と「ヨーグルト神話」を真っ向から否定する胃腸学の専門家が大声をあげ始めました。
★ その人は、ただ者ではありません。腸内内視鏡によるポリープ切除法の開発者として世界に知られた著名な胃腸学者、新谷弘実博士。日米で35万例以上の内視鏡検査と10万例以上のポリペクトミーを1例の合併症もなく成功に治めた実績の持ち主。
★ その大家が、
「毎日ヨーグルトを食べているという人で、よい腸相の持ち主に会ったことがありません。アメリカ人の大半は毎日たくさんの牛乳を飲みますが、非常に多くの人が骨粗鬆症に悩まされています。お茶の先生など、仕事で大量のお茶を飲んでいる人には、胃ガンの前駆症状ともいえる萎縮性胃炎を起こしている人が少なくありません。胃相・腸相の悪い人に健康な人はいません」
と言い切るのです。
★ 新谷博士と言えば、予防医学の分野では必ずトップに登場する大先生です。その方が自ら胃腸病患者30万人の臨床例からその結論に達した、と言うのですから余程の根拠のあるお話なのでしょう。
★ 「ヨーグルトを常食しているなら、便やガスのにおいが強くなっているはずです。これは腸内環境が悪くなってきている証拠だと思ってください。くさいのは、毒素が腸内で発生しているからです」・・
・ここまで言われると、誰でも、ドキンとするでしょう。
★ シンヤ・ビオジマ(シンヤ健康長寿法)を唱え始めた新谷先生は、本気のようです。今年秋には東京に「 ビオジマ・アカデミー」を開校するそうです。 35万症例の胃腸検診と10万例の食歴・生活習慣の調査から導き出した健康長寿法。そのキーワードは、反ヨーグルト、反牛乳。
★ さて・・・? と、思います。
コーカサス地方が世界の長寿国でヨーグルトを常食しているのは動かし難い事実。
そのヨーグルト俗信は間違い、と啓蒙に乗り出した世界的胃腸学者の警告。
前者の効果を実地に確かめた家森博士は高齢者の免疫調整機能を高めるといい、
35万もの胃腸検診した新谷博士は、萎縮性胃炎や骨粗鬆症になる、と、おっしゃる。
★ 78歳の砌(みぎり) 私は、どうしたらいいのでしょう?
結局は、どちらを信じるか? 我が道を行くしかありませんが・・・科学知識というものも、時として、困った混迷を人間社会にもたらすものですね。おまけに両者の背後には医・食品業者が控えて、財政的サポートをしています。
ご機嫌でおいしいのに・・・理屈の世界に分け入ると??・・いろいろと・・・・あれ、これ。
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次に、その新谷博士の文を紹介する。
元サイト:http://blog.livedoor.jp/jinenseikatu/archives/51675314.html
「ヨーグルト神話」に疑問を感じるこれだけの理由
新谷弘実
最近「カスピ海ヨーグルト」や「アロエヨーグルト」など、各種のヨーグルトが健康効果をうたってブームになっています。しかし、ヨーグルトを毎日食べると腸によいというのは「ウソ」だと、私は考えています。
ヨーグルトを食べつづけている人に話を聞くと、「胃腸の調子がよくなった」「便秘が治った」「ウエストがスッキリした」というようなことをいいます。そして、こうした効果があるのは、すべてヨーグルトに含まれている「乳酸菌」のおかげだと信じているのです。
ところが、この「乳酸菌のおかげ」というのが、そもそも怪しいのです。人間の腸にはもともと乳酸菌がいます。こうしたもともといる菌を「状在菌」といいます。人間の体は、外から入ってくる菌やウィルスに対するセキュリティシステムができあがっているので、たとえそれが体によい乳酸菌であったとしても、状在菌でないものは、このセキュリティシステムに引っかかり殺菌されてしまうようになっているからです。
まず最初に働くのが「胃酸」です。ヨーグルトの乳酸菌は、胃に入った時点ではほとんどが胃酸によって殺されます。そのため、最近では特別な工夫を施して「腸まで届く乳酸菌」を売りにしたヨーグルトも登場しています。しかし、腸まで届いたとしても、はたして状在菌と手を取り合って働くことが本当に可能なのでしょうか。たしかにシャーレの中では生きたまま腸に届くことが確認されているようですが、実際の胃腸の中は実験室とは違います。
私がこうした「ヨーグルト神話」に疑問を感じるのは、臨床現場では、ヨーグルトを常食している人の腸相がけっしてよいものではないからです。ですから私は、ヨーグルトに含まれる乳酸菌が生きたまま腸に届いたとしても、そこで腸内バランスをよくする働きがなされることはないと考えます。
では、なぜヨーグルトに「効果」を感じる人が多いのでしょうか。その理由の一つに「乳糖」を分解するエンザイム(酵素)の不足が考えられます。乳糖というのは乳製品に含まれる糖分のことですが、これを分解するエンザイム「ラクターゼ」は、年齢を経るごとに減少していきます。でも、これはある意味で当たり前のことです。なぜなら「乳」というのは、赤ん坊が飲むものであって、大人が飲むべきものではないからです。つまり、本来ラクターゼは大人には必要ないエンザイム(酵素)なのです。
乳糖はヨーグルトの中にもたくさん含まれています。そのため、ヨーグルトを食べると、エンザイム不足から乳糖をきちんと消化しきれず、その結果として消化不良を起こします。つまり、ヨーグルトを食べると、軽い下痢を起こす人が多いということです。この軽い下痢によってそれまで腸内に停滞していた便が排出されたのを「乳酸菌のおかげで便秘が治った」と勘違いしてしまっているというわけです。
ヨーグルトを常食していると、腸相は悪くなっていきます。これは30万例の臨床結果から自信をもっていえます。もしあなたがヨーグルトを常食しているなら、便やガスのにおいが強くなっているはすです。これは腸内環境が悪くなってきている証拠だと思ってください。くさいのは毒素が腸内で発生しているからです。
このように、一般的にも健康効果がうたわれ、企業などがいかにわが社の商品がすぐれているか訴えているもののなかにも、実際には体にとってよくないものはたくさんあるのです。
冒頭でも述べましたが、これからは自分の健康は自分で守っていかなければならない時代です。相手から出される情報を鵜呑みにするのではなく、自分の体で確かめ、真実を見極めることが必要なのです。自分の体で確かめるというのは、ただたんに食べてみる、やってみるということではありません。なぜなら、先ほどのヨーグルトの例のように、「便秘が治ったからよい」と勘違いしてしまうこともあるからです。
自分の体で確かめるというのは、きちんと選び、実践し、そのうえで、定期的に「胃相」「腸相」を信頼できる医師に診てもらうなど、客観的な結果を確認する努力をするということです。本書で紹介する新谷食事健康法も、実践してくださるなら、私のところでなくても結構ですから、ぜひ実践する前と後で内視鏡検査を受けてみてください。きっと胃相・腸相の劇的な変化を実感していただけることと思います。
健康で長生きするためには、外から聞こえてくる声に翻弄【ほんろう】されるのではなく、自分の体の中から聞こえてくる声にもっと耳を傾けてみることが必要なのです。
新谷弘実 出典: フリー百科事典 『ウィキペディア(Wikipedia)』 |
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人物情報 |
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生誕 |
1935年??月??日 福岡県 |
居住 |
アメリカ合衆国 |
国籍 |
日本 |
出身校 |
順天堂大学 |
学問 |
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研究分野 |
大腸生理学 |
研究機関 |
イェシーバー大学 |
新谷 弘実(しんや ひろみ、1935年 - )は、福岡県出身の外科医。2007年現在、アメリカのイェシーバー大学アルベルト・アインシュタイン医学校外科学教授で、胃腸内視鏡の分野の医師である。『病気にならない生き方』という健康法を提唱した著書がミリオンセラーになった。
経歴
1960年、順天堂大学医学部卒業後、横須賀米国海軍病院にてインターン。その終了後1963年に渡米し、ニューヨーク大学附属ベルビュー病院、べス・イスラエル病院等で外科のチーフレジデントを終えた。
1969年9月、コロノスコープ(内視鏡)を使って、開腹手術をせずに大腸ポリープを切り取ることに世界で初めて成功し、1971年のアメリカ胃腸内視鏡学会で発表するなどの業績を残す。以後、日本とアメリカで35万人の胃腸内視鏡検査、11万例に及ぶポリープ切除を1例の合併症なく成功させている。 アメリカ大統領の主治医も務めたことのある世界的権威として活躍。
しかし、乳製品有害論を調べ尽くし、その真実性を確かめてから、乳製品をいっさい断ちました。
食生活を大きく変えることは苦痛です。食生活は長年にわたる習慣的な行動であり、ふつうのひとは大きく変えることはないでしょう。
世の中のほとんどのひとは、習慣によって生活しています。ごく少数のひとたち、千人に一人以下の超少数派のひとたちは、習慣ではなく、理論によって生活しようとするのです。
しかし、実は習慣というものは “時代遅れになった古い理論” にすぎないのです。牛乳をせっせと飲むことは、ある理論にもとづいた行動なのです。「牛乳を飲むと骨が丈夫になる」 というのは今日では否定されている “時代遅れの理論” なのです。
つまり、古い理論と新しい理論があるだけなのです。
そして “罠” にはまってしまい、何年もせっせと食べ続けることになります。そうやってほとんど毎日常食しているひとたちのうち、研究熱心で、懐疑心のあるほんのごく少数の人たちが或る日ネットで “真実” を知って愕然とするのです。