拡散、転載希望のオンライン署名が回ってきましたので、下記へ転載します。
「ストップ汚染水! 海はあらゆるいのちの源です。 これ以上の放射能を海へ流さないでください。」
私たちは、3.11東日本大震災・東京電力福島原発事故の被災者、太平洋沿岸の住民、または支援者として、東京電力原子力事故の一刻も早い収束を願う市民です。
2011年3月11日から4年以上もの間、大量の放射性物質が、大気中のみならず、海洋に流出し続けています。しかし、東京電力と政府、原子力規制委員会は、効果的な汚染水対策をとることに失敗し続けているばかりか、放射性物質が大量に含まれている処理水を海洋へ放出する計画を進めています。さらに、汚染水流出の監視を怠り、東京電力は事実の公開をしないでいたということが最近明らかになりました。
このままでは、日本を取り巻く海は、際限のない放射能汚染にさらされてしまうでしょう。近くには、世界三大漁場の一つがあります。福島第一原発専用港湾周辺の魚から高濃度の放射性物質が検出されています。
放射性物質は海流に乗って世界の海へと運ばれます。先日ついに、福島原発事故で放出されたセシウムが、太平洋を越えてカナダの海岸で確認されました。カナダの専門家は「これは間違いなく、事故によるものでは歴史上最悪の放射性物質の海洋放出だ。今後も注意深くモニタリングする必要がある」と述べています。
福島第一原発からのこれ以上の海の放射能汚染を見過ごすことはできません。
ひとたび拡散されてしまえば、放射性物質を回収することはほぼ不可能であり、半永久的に、様々な生物・人間に悪影響を及ぼし続けるでしょう。この問題への対応は、流出そのものを止めることが最優先されるべきです。
そしてそれを実現できるのは、“いつか未来の誰か”ではなく、“今、私たち” です。
東京電力、日本政府、原子力規制委員会が、責任ある汚染水対策と事故対応を実施するよう、この署名への皆様のご参加をお願いいたします。
私たちは、東京電力、日本政府、原子力規制委員会に対して、以下のことを要請します。
1. 東京電力は、放射能汚染水の排水路から湾外への流出、およびサブドレン・地下水ドレン・汚染水タンクからの汚染水(処理水を含む)の海洋への漸次放出を止めてください。
2.原子力規制委員会は、東京電力に上記を実施するよう指示してください。
3.東京電力と日本政府は、福島第一原発の汚染水対策について、「凍土遮水壁」やトリチウム水を含めて、抜本的に再検討し、実効性ある安全な方法を選択してください。
4.日本政府は、福島第一原発事故による汚染水対策に関するあらゆる情報を迅速に多言語で情報公開してください。
5.原子力規制委員会は、原発再稼働のための適合性審査を中止し、福島原発事故対策を最優先して取り組んでください。
より詳しい説明----------------------------------------------
■事故直後から高レベル放射能が外洋へ流出
今年2015年2月に、排水路から高レベルの放射能が外洋へ直接流出していたことが発覚しました。東電は、2014年4月から測定を続け状況を把握していましたが、公表することはなく、原子力規制委員会も放置していました。汚染源として、2号機大物搬入口の屋上のたまり水が疑われています。しかし、原子炉建屋周辺は線量が高く、調査が難しい個所も多く、特定には至っていません。排水路などから湾内外への放射能流出は、事故直後に始まり、今でも続いています。一刻も早く、これを防止しなければなりません。
■増え続ける汚染水――毎日約300トン、総量は60万トン超
東京電力は現在、1日約320トンの水を事故で溶けた核燃料の冷却のために1〜3号機の原子炉に注水しています。この水は、高濃度の放射能を含んで建屋の地下に流れ込み、建屋の壁などから流れ込む1日約300トンの地下水と混合しています。東京電力は、この高濃度汚染水からセシウムと塩分だけを除去し、約320トンは再び冷却のために原子炉へ、残り約300トンをサイト内に設置したタンクに貯蔵しています。
■地下水バイパス、サブドレン、地下水ドレン――汲み上げた汚染水を海洋放出
増え続ける汚染水対策として東京電力は、原発の山側にある井戸(地下水バイパス12本)から汲み上げた地下水を、2014年5月から海洋放出しています。2015年2月までに52回83,740トン、トリチウムの総量は約152億ベクレルです。東京電力は原子炉建屋周辺の井戸(サブドレン43本)と海側井戸(地下水ドレン)の地下水の放出計画への動員も地元漁業者に迫っています。これらの地下水はみな「トリチウム汚染水」ですが、東京電力は「国の基準(1ℓ当り60,000ベクレル)より低い1,500ベクレルを運用目標とするので何も問題ない」としています。しかし、放出総量については一切規制がありませんから、事実上規制なしに等しい状態です。
■処理後の水も汚染水! タンクにはトリチウム1000兆ベクレル!
タンクの高濃度汚染水対策として東京電力はALPS(多核種除去設備)による処理を進めています。しかし、この装置では、1ℓあたり数百万ベクレル含まれるトリチウムの除去はできません。処理した水を、東電は「処理水」と称していますが、これも汚染水とみなすべきものです。この「処理水」を含めた汚染水の総量は60万トンを超えています。タンク中のトリチウムの総量は約1,000兆ベクレルであり、福島第一原発の放出実績の約600年分に相当します。トリチウム以外の核種を含む膨大な放射能が既に湾内外に流出したことも合わせると、これ以上、海洋への放射能放出をすべきではありません。
■原子力規制委員会は規制を放棄、地元の了解は得られていない
原子力規制委員会は2015年1月、東京電力がALPS等で処理した「処理水」の海洋放出を行う方針を決定しました。規制機関が東京電力の汚染水対策の失敗を擁護するような方針を出すことは、規制の放棄に等しいものです。全国漁業協同組合連合会は、「極めて遺憾」、「漁業者、国民の理解を得られない汚染水の海洋放出は絶対に行わないよう強く求める」という会長声明を公表しています。
■汚染水の流出・放出を止め、安全に管理を!
また、2020年には東京オリンピックが開催されます。安倍首相は、事故原発および汚染水はコントロール下にあると公約しましたが、これは実態とかけ離れています。公約が実現されなければなりません。
日本政府は、原発再稼働ではなく、福島第一原発事故をコントロール下におくことを最優先にするべきです。東京電力と日本政府は直ちに、福島原発からの放射能汚染水を止める計画をたて実行するべきです。
署名締切延長!