高橋のブログ

不定期に..

【第88回日本音楽コンクール.ヴァイオリン部門.本選を聴く】

2019-10-28 07:14:12 | 日記


結果は以下の通り

1位:.東亮太(桐朋学園大学)。ブラームス
2位及び聴衆賞:前田妃奈(東京音楽大学附属高等学校)。プロコフィエフ2番
3位:河井勇人(九段中等教育学校。桐朋音教首席卒業)。チャイコフスキー
入選:東城大河(東京藝術大学)。シベリウス


書類選考後、8月に始まった1次~3次を突破した4人による決戦となった。私が初めて聴いたのが、第62回大会。もう四半世紀の月日が流れた。多くの奏者に出会った。
演奏会と違って、なぜか私も緊張するのはいつもと同じ。今年も私は3次予選と本選を聴いた。3次予選では前田さんのシュトラウスのソナタが絶品で、今回の本選でも大いに期待した。



今回4人を聴いた中で私は順位から記すと前田→河井→同点2人(東、東條)という印象だったが、結果は上記の通り。
3次予選の審査得点60%は加算されるので、本選だけの評価が順位にそのまま反映されるわけではないが、私は3次でも前田さんが一番だと思っていた。今ひとつ釈然としなかった。
確かに東さんは上手だった。しかも一番目に弾いた。一番目はその演奏が今後の基準になるわけだ。いろいろプレッシャーもある。第1楽章からきちんと弾いていたが、私には何かもう少し訴えるものが欲しかった。


ニ番目は河井さんだ。冒頭からとても柔らかい音色で驚いた。楽器は貸与されているストラディヴァリウス「Lyail」だ。ストラディヴァリウスで弾けばきれいな音になるわけではない。
奏者に実力がなければ、全く使いこなせないヴァイオリンだが、彼はそれを手なずけているように思えた。第3楽章は推進力あふれる演奏で若さを感じた。聴衆も熱狂。
第1楽章がもう少し深ければ...という印象。



ここで休憩


三番目は前田さん。高校2年生。いきなりソロから始まる曲。プロコフィエフならではの、聴いていると、どこに連れて行かれるか不安になりそうな..そんな気配をとても感じさせてくれる演奏だった。
第2楽章はもう少しはじけてもいいように思えたが、それも彼女の考えだったかもしれない。私のプロコフィエフはこうです!!という強いメッセージを感じた。
しかしフライングブラヴォーには参った。それも「ブラ~~ヴォーーー」という奇声だ。勘弁してほしかった。


最後は東條さん。第1楽章後半及び第3楽章でオーケストラと少しかみ合わないというか、そんなところを感じた。第2楽章は素晴らしかっただけにそこが少し残念。


昨年も感じたのだが、勝手気ままなことを書かせてもらうと、日本音楽コンクールヴァイオリン部門の本選者の実力が若干下がってきているように思えた。
以前は本選者全員、甲乙つけがたいというか、まさに実力伯仲の演奏だったのだが、今年も少し開きを感じた。ただ、それは私の印象であって、自分の予想と順位が全く違うので、説得力はない。

ほぼ満席。あの小説、映画の影響がヴァイオリンコンクールにも少し影響したか?私としては本選前の予選もぜひ聴いて欲しいと思う。今年もそちらは半分も聴衆はいなかった。

共演は渡邊一正 指揮 東京交響楽団
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