突き放して瞬間左順突きを入れた。
いつもと違うのは顔じゃなく胸にである。
どん!
一発で うずくまってしまった。
取り巻き連中が驚いていたが
何よりびっくりしたのは俺である。
想像以上にベンチプレスの効果が出ていた。
「おい?大丈夫かよ。そんなんで倒れるなよ」
苦しそうに しかし立ち上がりながら
「痛ってえ~」
知らん。つかんできたのはお前だ。
「じゅんじに言っとけよ。女に手を出しといてただじゃすまねえからな」
捨てセリフを吐いて取り巻き共々
そのままどこかに行ってしまった
気がついたら遠巻きに見物者が結構いた。
俺もだいぶずうずうしくなってきたようだ。
「上行って福士先輩に報告しておこうか(笑)」
横浜駅ビル上階の理容ナリタには和道会白楽支部の福士先輩がいる。
ちょっと自慢しておこうと思ったがやめた。
夜 順二に電話した。
「お前のおかげで喧嘩売られたぞ。どうしてくれるんだ」
「知らねえよ。村田が相変わらずカブ乗ってるからじゃねえのか?」
「もう違うよ。FXだ」
ちっとも話が噛み合わない(笑)。
うちのクラスは卒業してから毎年クラス会をやっているから
順二とは秋前になると必ず打ち合わせになるが
いつもながら話がピーマンになる。
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