逃せば完全遅刻である。
昭和50年9月27日
小島と本間が のほほんとバスを待っていたら
始まった。
商業科不良二人組が
十日市場中のOB達にヤキを入れられたのである。
多勢に無勢
それにその二人は喧嘩慣れしているわけではない。
大怪我はしなかったそうだがボコボコだった。
結局警察が入って後日示談で済んだそうだ。
まあそれはどうでも良い。
この時に小島が
ある男に声をかけられたのである。
商業科二人がボコボコにされているとき
「お前らやめろ」
仲介に入った男がいた。
やや背は高く体つきもがっちりしている。
「とまりそうもねえな」
「おい、一商生！」
その男が小島に声をかけた。
「お前らの仲間がやられてるんだぞ。助けねえのか？」
無理して平静を装っていたのだろうが
「い、いや友達じゃないんで」
小島は本音が出たようだ(笑)。
しかたがない、その二人は通学時態度が悪く
小島たちに嫌われていた。
「しょうがねえな。同じ高校なら ふつう助けるぞ」
「お前らやめろ。
だめか しょうがねえな」
呆れて
そのまま橋本行に乗ってしまった この男が
後の第1回湘南空手道選手権大会に挑戦してきて準優勝した阿部春雄である。
都田中学から相原高校に進学
当然 竹生とも面識ある。
会うのは3年後だが何ともニアミスしていたものだ。
