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無料 小説 『御霊会 ごりょうえ』 オカルト・ホラー p62

2014-02-12 13:13:38 | アフィリエイト

無料 小説 『御霊会 ごりょうえ』 第1章 

2014-02-12 12:54:05NEW !
テーマ:

あの、銀子さんに、私……。姉の事を、相談したいのですが……。」

 

 前回、優介が訪ねて来た時、言っていた事を、銀子は思い出していた。

 

「恵美さんのお姉さんも、失踪していたわね……。その事? 」
 

 

そう、銀子が尋ねると、恵美は頷いた。恵美は身重の体で、姉の行



方を、必死に探しているのだろう。

 

「恵美さん、明日でも良いから、恵美さんの都合がいい時に、私の家



に来て下さいね。」
 

 

そう銀子が言うと、恵美は、少し微笑んで頭を下げていた。
 

 

 


 銀子の元に、恵美が尋ねてきたのは、それから三日後の夜だっ


た。

 

久美は、銀子と恵美の為に、暖かいココアを入れてくれた。

 

「銀子さん、姉の行方ですが……。私達姉妹は、両親を、早くに亡く


し、二人だけで生きて来ました。私と、二歳しか離れていないのに、



姉は私の事を、母親以上に、面倒を見てくれていました……。その



姉が、友達と諫早へ行ってから、姉の様子が変わり始めたので


す……。」
 

 

そう言うと、恵美は泣き崩れてしまった。その恵美に久美が言った。

 

「もう、そんなに、考えたら、お腹の子に悪いわ……。後は銀子先生


に、まかせた方が良いわ……。」
 

 

恵美は、小さく頷き頭を下げた。銀子は既に、神棚に向かい祈り始



めていた。

 

「今から、火事があった、あの日に行くわ。恵美さん、お姉さんの名



前と生年月日を、教えて欲しいの。」
 

 

そう銀子が言うと、恵美は写真を銀子の前に差しだした。その写真



の裏には、姉の名前と生年月日が記されていた。

 

「それでは、始めます。今から恵美さんの姉、桜井清美(さくらい き



よみ)の元に行ってきます。」

 

 

そう言うと、銀子はまた祈り始めた。

 

 

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