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無料 小説 『御霊会 ごりょうえ』 第1章 p65

2014-02-13 14:46:39 | アフィリエイト

無料 小説 『御霊会 ごりょうえ』 第1章 

2014-02-13 14:29:46NEW !
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と、一人の友人が言った。

 

肝試しの順番を決めるつもりらしい……。

 

其々に殻つきの牡蠣を持ち、直接炭火に置いた。

 

その牡蠣の殻が開く順番を、肝試しの順番にした。

 

 

暫くすると、牡蠣の殻は、次々に口を開き始め、

 

清美の牡蠣が四番目に開き、和也の牡蠣が最後に開いた。

 

これで、五人は肝試しの順番が決定し、ドライブインを後にしたのだ。

 

その後、躊躇する事無く五人は、あの旅館へ向かった。

 

しかし、清美の予想では、旅館はもっと近くに、あるのだと思っていたが、

 

予想以上に旅館は遠かった。

 

しばらくして、二台の車は、目的地の旅館へ着いた。

 

クジで決めた通りに、他の友人から、順番に旅館に入るが、

 

特に何事も無い様子で、友人達は戻って来る。

 

次は清美の順番になった。

 

清美は、石段を上り旅館の中に入った。

 

そして、石畳の廊下を歩き始めたが、

 

特に変わった様子も無く、通り過ぎた。

 

清美は、其のまま旅館を出ると、裏山の石段を上り、

 

祠の場所まで来ていたが、何も目撃しなかった事に安堵した、

 

その時だった……。

 

一匹の猫が清美の前に現れた。

 

それは白い猫で、清美が可愛がっているミー子に似ている。

 

 思わず清美はその猫を呼んでいた。

 

「ミー子。こっちへおいで。」
 

 

そう呼ぶと、猫は暫く立ち止まり、清美を凝視したが、その後、呆気なく雑木

 

林へと逃げてしまった・・・。

 

清美は何度か繰り返し、その名前を呼ぶが、猫は二度と清美の前へ、現れる

 

事は無かった。

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