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真冬に凍りつくホラーはいかが?vol.7『見下ろすもの』修正版。

2010年08月03日 | 100円本

またまた再々アップです。

 

結局修正しちゃいました。

 

あ、これ実話っす。

 

 

 

 

 

 

 

 

うっとおしい。

 

ここんところの暑さもうっとおしい。

 

で、これを読んで少しでも涼めれば幸いです。

 

 

今回は寒い時期のお話。

 

 

 

 

 

 

12月初旬、

 

既に年末のクソ忙しい時期へ突入していた頃のお話。

 

 

 

当時、川口方面に職場があり

 

カワサキ250ccバイクに乗り岩槻から通っていた

 

毎日終業の時間が深夜にいたるというありさまだったが、

 

まだ若かったので、体もそれほどきつくはなかった

 

その日も、会社を出たのが午前一時をまわっていた。

 

今でこそ深夜になってもたくさんの車が走っているが、

 

当時は0時を過ぎるとR122も営業中のトラックくらいなもの

 

もちろん今のように夜中に開いている店なんてなんてない

 

ただひたすら家路に向かう

 

時速100km超でR122を飛ばして

 

下り車線を岩槻方面へ

 

第一冷蔵の陸橋で東北道を渡り、

 

坂を上り植木畑のクランクから突き当たりの信号を左へ曲がり

 

まっすぐ行くとR16

 

R16にぶつかる交差点の信号が赤になり、

 

ギアを5速から1速へと落としていくとエンジンがうなりをあげながら

 

一気に減速していく

 

心地よい振動とともにバイクは停止線で止まり

 

ギアをニュートラルにして青になるのを待つ

 

吐く息がフルフェイスのヘルメットのシールドを白く曇らせる

 

凍りつくような外気

 

防寒グローブをしていても指先の感覚がなくなる

 

足も太ももあたりがすでに麻痺状態のようだ

 

さすっても何も感じない

 

信号待ちでたまに行き交う車のライトをとみつめていると

 

ふと誰かの視線を感じた

 

その方向を見上げると交差点右の歩道橋にぼんやりと人影が

 

どうやら女性のようだ

 

20代前半くらいの女性が身を乗り出しているのが、

 

歩道橋の照明に照らされてはっきりと見える

 

どうやら道路を見下ろしている様だ

 

視線を感じたが

 

実際はこちらに気づくいているふりもなく

 

まるで自分の落下地点を測るようにジッと下を見つめている

 

こんな夜中になにを・・・?

 

感覚のなくなった指でぎこちなく袖をめくって時計を見ると午前2時

 

不思議な光景でもこちらは早く帰って暖かい毛布にくるまりたい

 

信号が青に変わるとギアを一速にいれ一気にアクセルをあけて

 

R16へ合流した

 

 

その翌日も同じ光景を目にした

 

 

時間も午前2時

 

何を見てるのだろう?

 

でもそれどころじゃない

 

とにかく早く帰って眠りたい

 

好奇心は身体の欲求に押し込められてしぼんでいった。

 

 

その後は同じ道を通っても上を見上げることもなく

 

歩道橋の上に立っている女性のことなどすっかり忘れていた

 

年が明け、通勤のルートも変わった

 

 

そしてまた年末の忙しい時期

 

深夜にやっと仕事が終わり家路へと急ぐ

 

時速100km超でR122を飛ばして

 

下り車線を岩槻方面へ

 

第一冷蔵の陸橋で東北道を渡り、

 

坂を上り植木畑のクランクから突き当たりの信号を左へ曲がり

 

まっすぐ行くとR16

 

去年の暮れと同じルートだ

 

またる交差点の信号が赤になり、停止線で止まる

 

今日は車もまったく通らない。

 

アイドリングの音だけドッドッドッと凍りつきそうな空間に響く

 

いきなり唐突に去年の女性のことが脳裏によみがえった

 

 

ゆっくりと見上げた視線の先には、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの時の女性がいた 

 

歩道橋の手すりから身を乗り出し

 

じっとこちらを見つめて・・・。

 

 

 

 

 

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