私が通ってた高校の理科の先生。
何をするでもなくいつも白衣を
まとっていて、ずんぐりむっくりで
髭が濃いから口元がいつも青くて
眉毛が太くて授業も面白くなくて、
ハイスクール奇面組の冷越豪(写真参照)
が現実世界に飛び出してきたかの
ような人だった。

経緯は忘れたが、先生は既婚者なのに
私と友達の間では証拠不十分の
ホモ説まで流れていた。
ある日の授業前のこと。
友人が、ホモか否かを確かめるべく、
何に載ってたのか、外人の
いかがわしい写真の切り抜きを先生に見せ、
『先生も、やっぱりこんなん興味ある?』
と、聞いたのだ。
私は、あの手の先生は、興味があっても
女生徒の手前、『ある』とは言わない
だろうと思っ…
『ないことない、先生も男だからね』
…え、なんやて!?
私が思ってた答えと違う!
もっと、こう、何ていうか
「こら!そんなもの持ってきてはダメです!」
とか
「興味ありません。しまいなさい。」
とか
「取り上げますよ!」
とか
「………(無視)。』
とかさぁ、もっと、こう…あるだろう!
模範解答的な教科書通りのセリフがさぁ!
まさかの、
『ないことない、先生も男だからね』
あれは即答だった。
なんというか、そこにいやらしさは
皆無で、雰囲気に似合わず爽やかで潔かった。
お世辞にも爽やかとか男前とは言えない風貌の
先生だったが、サラリと肯定することが
クール&スマートに感じられた
日本最古の先生かもしれない。
あるよ、ではなく、「ないことない」と
敢えて二重否定の技法を使うのも
なかなか良かった。あるよ、でも
素直でいいけど、ないことないの方が
本当は生徒にそんなこと答えたかぁ
ないんだよ、ぼかぁ。
だけどさぁ、ないというと嘘になる。
ならば「ないことない」と言おう。
さらば涙と言おう。
みたいな気概が窺える。
もしか、この先生が
「ない」と言っていたら、私は
尊敬することも、こうやってブログの
ネタにすることもなく、私の記憶から
消される存在になっていただろう。
更に、ホモ認定もしくは
むっつりスケベ認定してたはずだ。
バランスが難しい。
それ以上の余計な言葉を紡ぐと、ただの
やらしい先生という烙印を押されかねない。
さらりと清々しく短く答えた頭の良さ…。
少なくとも、ホモ説は払拭された。
未だに忘れられない私の高校の思い出だよ。
(…って、小さい思い出だな、おい。)
ではでは、またね。
-----------------------------------
日本屈指のダラブッカ奏者・講師はまちゃん
によるダラブッカオンラインレッスン
絶賛開催中!

ダラブッカ ベリーダンス うさぎ ドラムソロ