私の友人に、
男モンのスリッパ、
貰いモンのダボダボシャツ、
作業着のようなパンツを履いてる人がいた。
性格もガサツで、言葉遣いも荒かった。
そんな風貌とはウラハラに、
ものすごく達筆だった。ギャップ萌え、だ。
字を芸能人に例えるなら、佳麗な夏目雅子。
私のバイト先に、絶世の美女がいた。
残念なことに字が汚かった。
汚いといっても、私のように走り書きが
汚いとかでなく、普通に書いている
文字が走り書きみたいだった。
そこには、ギャップ萌えなど存在しない。
むしろ、人を興醒めさせる。
例えるなら、コロッケ扮する岩崎宏美。
マンガみたいに「え、この人がこの字?」
と言わんばかりに、
字と人を交互に見てしまいそうだ。
(…分かるかい?)
さて、私の話。
とある部署から、医療材料の交換を
依頼された。小さなものだったので、
失くさないよう袋に入れ、
「交換ご依頼分です」とメモを貼っておいた。
数日後、その部署を通りかかったときのこと。
私が書いたメモを持った依頼者に呼び止められた。
依頼者
『あの、これなんですけど』
私
『あれ?私、なんか間違えてましたか?』
依頼者
『いえいえ、誰が書いたんだろうと噂になってて』
私
『私ですよ』
依頼者
『やっぱり!あまりにキレイなので、
捨てられなくて、みんなで感動しながら
回し読みしてたんです!』
私
『いや〜、人に渡すものなので
丁寧に書いたんですよ。普段は汚い字です』
そう言い終えると、
依頼者は私が書いたメモを撫でくれた。
いやいやいや、こっちの方が感動するよ。
ただのメモなのに、捨てられないとか
言ってもらえて。
そんなことで感動してくれる人が、
この疲弊しきった厭世的な現代社会に
まだいるなんて、まだまだ世の中
捨てたモンじゃないね。
そういや、私も、あまりにキレイな
字を書く人のメモが捨てられず、
手帳に貼って持っていたことがある。
キレイな字って、心が洗われるんだよな。
字がキレイで損なことはひとつもないね。
キレイってだけで賢くも見えるし。
普段の字も丁寧に書くことを
心掛けたいものだ。
…と、
思ったその日に走り書きしてもうた。
ではでは、またね。
🌸🐇KT'sこぼれ話🐇🌸
さすがに見飽きただろうと
お思いかな?
絶賛鑑賞中だよ〜!