![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/29/fce3e3ef50c9b65b2251d96548d1beaf.jpg?1663076067)
父の手作り小池で伸び伸び育ち、
金魚なのに鯉にしか見えない
金魚の金ちゃん。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/c3/78f866c4d16735d2fbb5db53523120b2.jpg?1663076398)
今朝、母が開口一番に
『KT!金ちゃんがいないねん!』と言った。
通常の私は、年寄りよろしく、よっこらせと
起き上がり、腰に手をあててスローリーに
立ち上がり、ヨロヨロとした足取りで
階段を降りるのだが、今日は違った。
布団を足で跳ね除け、
これくらいの勢いで金ちゃんの住む
小池へと急いだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/e9/968835a0e015bee523e4165f30825e8e.jpg?1663076931)
【お父さんは心配症1巻より】
金ちゃんの姿がない。
呼んでも来ない。
手を叩いても来ない。
以前、飼っていた金魚が野良猫に
狙われたことがあった。以来、父が
厳重に猫対策をしていたのに、
また猫が来たのだろうか。
それにしても、暴れた様子もない。
私は閑静な住宅街に住んでいるが、
ここ数年はアライグマやハクビシンが
出没するようになった。もしかして、
猫ではなく彼らの仕業なのだろうか。
いや、盗っ人だろうか。
金品や下着なら分からんでもないが、
よりによって金魚を欲しがるだろうか。
(捕まえて、クーラーボックスに入れて
持って帰る姿を想像してしまった。
もはや、それは盗っ人ではなく太公望だ)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5c/22/120247354b576bef9c74b959d06ebcbb.jpg?1663077922)
それにしても、こんな突然の別れに
なるとは。昨日まで、優雅に泳いでたのに。
病気で苦しんで死ぬのと、突然いなくなるのとでは、
悲しみがまた違う。悲しいというより、
驚きの方が強い。
「また明日ね」なんて普通に言うセリフだが、
翌朝たまたま生きてただけで、場合によっては
突然死してそのまま還らぬ人になることだって
あり得るのだ。明日なんて、実際には
不確実なものなのかもしれない。
夜は、家に居ながら
ナイトアクアリウムを楽しませてくれた
金ちゃん。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/fd/8864a539510b8c489a48ec747e3b31b7.jpg?1663076256)
こんな呆気なく私達の元を
去っていくなんて。
私達は、金ちゃんのいない小池に
向かって「あぁ、本当にいない」と
溜め息まじりに呟いたその刹那、
チャポン…と小池の石橋の下から
音が聞こえたのだ!!
エアロスミスの、コレが流れた瞬間だった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/f4/5b1165239373f55ba63783e1b96cf943.jpg?1663078951)
【映画・アルマゲドンの挿入歌(観てないけど)】
そのあと、金ちゃんが
「俺は死んでねーよ、盗まれてもねーよ」と
橋の下から姿を現したのだ!
私達は、歓声をあげると同時に泣いた。
金ちゃんがいなくなった寂しさを無理に
押し殺していたが、いるとなればもう
もう我慢することもない。私は大いに
安堵し、ボロボロ泣いた。
金ちゃんの存在がどれだけ
大きいか分かった朝だった。
それと同時に、金ちゃんだけでなく、
愛ペットや家族の姿があるということが
どれほど尊いことか思い知った。
明日も、ここで生きて会えるなんて、
約束されてはいないのだ。