うさぎとベリーダンスとダラブッカ “KT LOVES Lapin”(セクシー田中さん)

金魚の金ちゃんが盗まれた!




父の手作り小池で伸び伸び育ち、
金魚なのに鯉にしか見えない
金魚の金ちゃん。


今朝、母が開口一番に
『KT!金ちゃんがいないねん!』と言った。

通常の私は、年寄りよろしく、よっこらせと
起き上がり、腰に手をあててスローリーに
立ち上がり、ヨロヨロとした足取りで
階段を降りるのだが、今日は違った。

布団を足で跳ね除け、
これくらいの勢いで金ちゃんの住む
小池へと急いだ。

【お父さんは心配症1巻より】


金ちゃんの姿がない。
呼んでも来ない。
手を叩いても来ない。

以前、飼っていた金魚が野良猫に
狙われたことがあった。以来、父が
厳重に猫対策をしていたのに、
また猫が来たのだろうか。
それにしても、暴れた様子もない。

私は閑静な住宅街に住んでいるが、
ここ数年はアライグマやハクビシンが
出没するようになった。もしかして、
猫ではなく彼らの仕業なのだろうか。

いや、盗っ人だろうか。
金品や下着なら分からんでもないが、
よりによって金魚を欲しがるだろうか。
(捕まえて、クーラーボックスに入れて
持って帰る姿を想像してしまった。
もはや、それは盗っ人ではなく太公望だ)


それにしても、こんな突然の別れに
なるとは。昨日まで、優雅に泳いでたのに。
病気で苦しんで死ぬのと、突然いなくなるのとでは、
悲しみがまた違う。悲しいというより、
驚きの方が強い。
「また明日ね」なんて普通に言うセリフだが、
翌朝たまたま生きてただけで、場合によっては
突然死してそのまま還らぬ人になることだって
あり得るのだ。明日なんて、実際には
不確実なものなのかもしれない。


夜は、家に居ながら
ナイトアクアリウムを楽しませてくれた
金ちゃん。
こんな呆気なく私達の元を
去っていくなんて。


私達は、金ちゃんのいない小池に
向かって「あぁ、本当にいない」と
溜め息まじりに呟いたその刹那、
チャポン…と小池の石橋の下から
音が聞こえたのだ!!
エアロスミスの、コレが流れた瞬間だった。
【映画・アルマゲドンの挿入歌(観てないけど)】

そのあと、金ちゃんが
「俺は死んでねーよ、盗まれてもねーよ」と
橋の下から姿を現したのだ!
私達は、歓声をあげると同時に泣いた。
金ちゃんがいなくなった寂しさを無理に
押し殺していたが、いるとなればもう
もう我慢することもない。私は大いに
安堵し、ボロボロ泣いた。

金ちゃんの存在がどれだけ
大きいか分かった朝だった。
それと同時に、金ちゃんだけでなく、
愛ペットや家族の姿があるということが
どれほど尊いことか思い知った。

明日も、ここで生きて会えるなんて、
約束されてはいないのだ。


押すなよ、絶対押すなよ!押すなって!

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