ハムカツなんかを食べていた。
食べながら窓の外に目をやると、
少し離れたところで
違和感を感じる男女がいた。
面識のない者同士ではなく、
スナックの店員の女性と、
そのお客さんと思しき男。
男の挙動が不審だった。
男から離れて自分の車に乗ろうとする
女性を無理矢理引き止め、ベタベタ
触れようとしているのだ。
女性は苦笑いで、決して喜んでいない。
困っているけど、お客さんだから
邪険に出来ない、といった面持ち。
しつこそうだな、大丈夫だろうか…と
思った刹那、男は女性のお尻を触ったのだ。
ナチュラルにでなく、明らかに
ニュルっといやらしく触ったのだ。
女性は、不快だったのか男の手を跳ね除けた。
「いいじゃないか、アケミ!
減るモンじゃないしよぉ!」という
セリフが聞こえてきそうな場面だった。
私は女性が心配でならなかった。
しつこくまとわりつく男。
女性は車に乗りたくて仕方ない様子。
そして、男は今度は
明らかにモギュッと女性のお尻を触る
というより揉んだのだ!しかも2回!
欲情したのか、男は嫌がる女性に
無理矢理抱き着こうとしたのだ!
女性は抱きつかれまいと後ろずさりしている!
もう黙っちゃいられねぇ!
てやんでぇ!バーロー!
こんにゃろー!
私は食べさしのハムカムを置き、
シートベルトをガチャリと外し、
今助けるからなとドアに手をやった。
あとは、岩から生まれたモンキーマジック!
とばかりに飛び出すだけだ!
その時!女性は男の一瞬の隙をついて
上手く自分の車に乗り込んだ!
ふ〜、やれやれ。よかったよかった。
いや、よかったと言えるのかは分からないが、
執拗な男から離れられて安心した。
品性のカケラもない男だった。
いやはや。
まぁ、まるでドラマのようなシーンだったが、
私が「助けなければ!」と思い、
自分の危険をかえりみずためらうことなく
出ようとした行為は自分で自分を
ほめてやりたい。
見て見ぬふりをする人間でないと確信した。
出たとて、多分
「大丈夫ですかー?」と駆け寄るしか
出来なかったと思うけどね。
最悪、返り討ちに遭っていたかもしれない。
私の思いをプロレスラー風に言うと、
こうだ!
「おい!おい!おい!
いいか〜お前ら〜!
「嫌よ嫌よも好きのうち」
なんてなぁ〜、ねぇんだよ!」
ではでは、またね!