もう大昔の話だよ。
その昔、とある試験で不合格になった私を、
やたらバカにしていた男子クラスメイトがいた。
牛乳瓶の底くらい分厚い、
黒縁メガネをかけた、
絵に描いたようなガリ勉男子。

バカにされるたび、最初の方こそ
メソメソ泣いていたのだが、途中で
バカにされるのに慣れてしまった。
「あー、またか。」と思えるようになり、
慣れてきて涙の一滴も出なくなった。

(慣れってすごいね)
とは言え、気分は悪い。
私は、口には出さないものの、
バチが当たればいいと思い続けていた。
それから数年後、
そいつが交通事故に遭い、
意識不明の大重体になっていると
風の便りで知った。
お気の毒に…
なんて思わなかったね、微塵も。
だからといって、いい気味だとも
思わなかった。ただ、
人に嫌な思いをさせると、
きちんと報いを受けるのだと
いうことを確信した。
人に恨まれるようなことを
するもんじゃないね。
ではでは、またね!