とある習い事をしていたときに居た、
同じ生徒さんだった人の話。
彼女は遅刻魔だった。
もう50を超えたイイ年の人だったが、
とにかく時間が守れなかった。
レッスン時間に間に合ったことの方が
少なかった。
遅刻癖のある人というのは、
そう簡単に直るものではない。
遅刻と言っても、5分10分の世界ではなく、
余裕で30分遅刻してくる。
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一番頻度が高かった遅刻理由は、
『天気が良かったから、レッスンの前に
洗濯をしてから行こうと思った。
そしたら、時間が無くなった。』
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彼女はお金持ちだったので、
遅刻の際は、家から教室まで
タクシーで来ていた。
かかる料金は5000円ほどだったそうだ。
彼女と一緒に帰っているときに、
こんなことを言っていた。
『タクシー代に5000円払って、
遅刻してでもレッスン受講しに
来てる努力を(先生に)認めてほしいわ』
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私は、
“ほうほう、確かにそれはすごい。
それでもレッスンに参加しようとする
意気込みは私も認めたいところ”
と思った。
…思ったのだが。
さて。
ちょっと、私の中のオネエに
私の思いを代弁してもらおか。
出でよ!
フィナンシェ・マドレーヌ!
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えー?何なにー?アタシにトイレ行けって?
あー、小学生が喜ぶダイベンじゃないのね。
レディの前でも大声で言えるダイベンの方ね。
やだ、ほんと、日本語ってややこしいからさぁ。
橋とか箸とか。
UFJとかUSJとか。
…ピーターとかチーターとか。
え、今シーンとしたけど、
みんな分かってくれたやんね、今の。
池畑慎之介と水前寺清子やで。
こんなん説明せんでもピンと来てよ。
もう、やーねホント。
あー、そうそう、あの遅刻魔女のことやね。
遅刻理由、一瞬は、もっともらしく
聞こえるんよ。でも、よー考えたら
ちょっと待たんかいって思うねんよ。
…ま、思うだけで言わんけどさぁ。
そんなん、ちょっと早よ起きて
準備したら済む話じゃない??え、違う?
合ってるでしょ?こればかりは
男も女もオネエもオニイも同じや思うねん。
オキナワン・ピーポーは知らんで、
あの人らは沖縄時間があるらしいから。
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人身事故による電車遅延とかやったら、
まぁそれはしゃあないやん?
出掛ける前にお腹痛くなったとかさぁ。
それでも年間そう何回もあるわけちゃうやん?
早よ起きて洗濯モン干したら、
タクシー代5000円使うこともないやん?
電車賃往復で1000円も掛かれへんねんで?
浮いた4000円、うちらの店で
使うてくれたらいいって思うねん。
え?遅刻魔女はオカマバー来〜へんって?
まぁ、彼女にも選ぶ権利はあるからね。
いや、そんなん真に受けんといてよ。
言葉のアヤやんか。
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あ、ごめん、KTちゃん!
アタシ出勤準備するわ、
描いたり、塗ったり、付けたり…剃ったり。
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オネエって女より大変なのよ。
ほなまたね。