縄文時代は世界五大文明の一つだった?
昨夜のNHKスペシャル「アジア巨大遺跡」シリーズの第4集は「縄文・奇跡の大集落~1万年持続の秘密」だった。この番組によると、日本の縄文時代の文化は1万年以上も継続しており、研究が進むにつれて、世界の4大文明とされるエジプト、メソポタミア、インド、中国と並ぶ5番目の古代文明に位置づけられるようだ。青森県にある三内丸山遺跡だけでも、1500年にわたって人が住んでいたことが実証され、竪穴式住居であっても中心的巨大建築には、300人も収容できる室内集会所の機能もあったらしいということだ。
発掘される土偶、土器、漆器、装身具などは、洗練され安定的な文化が継続していたことを示している。土器には煮炊きに用いられた痕跡があり、食糧を熱加工によって多様に活用していたことがわかる。従来の4大文明と違うところは、本格的な農耕をしていた痕跡がなく、狩猟採集を基本にしていたことだが、これも栗の林を茂らすなど、果樹栽培に近い努力をしており、豊かな自然環境を活用した独特の文明生活を営んでいたようだ。
この縄文時代は、日本がまだ大陸と地続きだった時代から始まったとされ、やがて弥生時代へと移って行くのだが、長く続いた縄文の民とその文明が、海を渡ってきた弥生人と簡単に入れ替わったということはないだろう。各地で混在し、稲作の普及とともに、混血と混交もしながら弥生時代の日本人になって行ったのだろう。海から新しい土地へ辿りついたという記憶は、高天原の伝説や、天孫降臨の神話の土壌になったかもしれない。そう考えると、日本誕生の神話には、さらなる古層が隠されているように思えてくる。
そこまで行くと考古学とは違う想像の世界になってしまうのだが、日本の国の過去に、世界の大文明と並ぶような、すぐれた文明があったというのは、やはり愉快な話題ではある。それが農耕さえしないで自然の恵みが許してくれる範囲で人間らしい文明を築いたところが、さらにすばらしい。エコ文明の模範ではないか。
そんなご先祖さまを持つ現代の日本人が、風光明媚な海を埋め立てて外国の軍隊のために軍事基地を作るなどは、もっての外である。猛毒無比で万年単位で毒性の残る原子力発電所を運転するなどは、狂気の沙汰と言うほかはない。千年万年の単位で人間の歴史を考えたら、いまの政権がやっていることの浅知恵と傲慢さが際立ってくる。たかが百年も生きていられない分際で思い上がるなと、天罰の一つも下してやりたくなる。
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縄文時代もバカにできないですね
基本的には現代社会の基礎をなすもので、古代人の知恵には感心します。