礒飛容疑者の親類「なんでそんなことを…」 小学校時代に生活暗転 心斎橋刺殺
飛(いそひ)京三容疑者(36)
小学校に通い始めたころ、生活は暗転する。母親が亡くなり、
父親の材木店も倒産。家族は逃げるように同市を離れ、新しい勤め先に決まった同県下野市に転居したという。
礒飛容疑者は地元の中学校に進学したが、その後、生活が荒れ、暴走族の一員となってバイクを乗り回すなど非行が目立つように。
それでも、14~15年前に父親が体調を崩したときには病院に連れて行くなどの一面もあったという。
その父親も、間もなく死亡。女性は「厳格な父親が亡くなってたがが外れてしまい、だんだんと道を踏み外してしまったのだろう。
長い間会っていなかったが、仕事を一生懸命頑張り、結婚して幸せな家庭を築いていると思っていた。なぜ、縁のない大阪でそんなばかなことをしたのか」と声を震わせた。
産経新聞 6月11日(月)20時7分配信
ロバート・K・レスラー
元FBI捜査官。コンサルタント。司法行動学研究所(FBS)所長。
1974年当時、設立されたばかりのFBI行動科学課において プロファイリング技術の確立に貢献。
「シリアルキラー」(連続殺人犯)という言葉を提唱して現在使われるようになった。
作家のトマス・ハリスはレスラーに情報を提供されたことにより『レッド・ドラゴン』『羊たちの沈黙』を執筆した。
映画『コピーキャット』の題材にもなった。
プロファイリング
参考WEB・・http://akademeia.info/index.php?%BB%A6%BF%CD
快楽殺人
少年の頃は世界が自分の思い通りになるという妄想を抱くが、幼稚園などの集団に入ることで、現実が自分の思い通りにならないことを知る。
しかし、快楽殺人者にはこの現実認識がない。妄想と現実の境が失われているため、例えば自分とは縁もゆかりもない美女をわがものにしたいという妄想は
そのまま実行に移される。一説によれば、女性を殺すのは、抵抗したり拒絶したりするリアリティーを奪って妄想どおりの存在にしておくためともされている。
秩序型と無秩序型
秩序型は、殺した人間の指を切り取って戦利品として収集したり、ターゲットのタイプを限定したりする方向性がある。
そうしたこだわりは、子供の頃に抱いた妄想のイメージに何らかの形で捕らわれているためである。また、秩序型はには、
幼い頃に両親から虐待を受けたなどのトラウマ(心的外傷)を持つ者が多いのも特徴だという。心の傷から逃れるために生まれた解離(現実からの離反)の心理状態が、
ますます妄想をたくましくさせるのである。
一方、無秩序型は、突発的な女性殺人を繰り返した有名なテッド・バンディのように、非計画的で衝動的である。こちらの精神崩壊の度合いは、トラウマによる人格障害よりははるかに深刻で、
青年期以降に妄想型分裂症や解体型精神分裂にかかっているケースが多く見られるといっている。
殺人行動の4つの段階
1.計画と予備行動
2.実際の犯行
3.死体の遺棄
4.犯行後の行動
計画と予備行動
この段階における殺人者の行動は、犯行前のストレス要因・精神状態・犯行計画などに影響される。
犯行前のストレス要因
具体的な殺人者たちが犯行の直前に体験したストレス要因として、次が挙げられる。
•女性との軋轢【あつれき】
•両親との軋轢
•経済的不安
•結婚生活での問題
•男性との軋轢
•子供の誕生
•身体的な疾患・怪我
•法律上の問題
•仕事上の問題
•死の恐怖
特に最初の2つの女性や両親との軋轢は、ストレス要因の大部分を占める。
精神状態
•欲求不満
•敵意および怒り
•激昂
•強い興奮状態
犯行前の行動
殺人者によっては犯行前の数日間に、何らかの犯罪的・暴力的な行為に関与している。
犯行の数時間前になると、殺人者の多くは犠牲者の物色を始める。例えば主にヒッチハイカーを狙う殺人者は、
適当な犠牲者を見つけるために1日中ハイウェイで車を走らせたりする。
こうした行動には多くの場合アルコールあるいはドラッグが関係している。ある殺人者は一晩中ビールを飲み、マリファナを吸ってすごした後で、
一人の女性を刺し殺して内臓を取り出し、また別の犠牲者にも同じことを試みようとした。
非個人化
死体切断の一種。殺人者が犠牲者の個人的アイデンティティを消し去ろうとする行動のこと。この行動は犠牲者を殺す前に行われることが多い。
1:犠牲者の顔を毛布やシーツで覆う。
2:しかし非個人化がすべて明瞭な形で行われるわけではない。
犠牲者の身体を折り曲げて顔が見えないようにするといった行為も、非個人化のひとつといえる。
犯行直後の反応
•この段階で殺人者が見せる反応は様々である。開放感・緊張の軽減といったものから、逮捕を避けようという目的意識を持った行動まで色々ある。
•犯行現場を去った直後には深い開放感を覚えることが多いようだ。何人かの殺人者はそのまま家に帰り、その夜はぐっすり眠れたと語っている。
•自分の犯した行動の現実に直面してより積極的な反応を示す殺人者もいる。
犯行直後の時期が過ぎた後の行動
このときは一般に自己防衛の必要に迫られる行動が多い。例えば証拠を隠滅する・目立つことを避ける・アリバイを用意するなどである。
しかし同時に容疑を避けるという目的にまったく反するような行動も見られるのである。こうした行動は4つに分類することができる。
1.犯行現場の再訪
2.死体が発見されるのを観察する
3.殺人の記念品の保存
4.捜査への介入
こうした行動は殺人の興奮を持続させたいという欲求を、自己防衛本能を圧倒するまでに強くなっていることを示している。
記念品の保存
殺人者が保存していた記念品は、ごく身近なものかあら異常なものまで多岐に渡っている。
•衣服
•宝石
•指輪
•時計
•下着(フェティシズムの対象の代表)
•車(主にヒッチハイカーを狙い、犠牲者の車で旅をし続ける殺人者がいた)
•身分証明書
•写真(犠牲者を殺す前に全裸にして撮影していた殺人者もいる)
•犠牲者の身体の一部(性器・頭・内臓・足・乳房・血液)
秩序型殺人者と無秩序型殺人者
秩序型殺人者
特性
•兄弟の中で比較的年長。長子である場合がかなりの割合を占める。
•父親は安定した職業についていることが多いが、親のしつけはあまり首尾一貫していない。
•平均かそれ以上の知能を備えているが、自分の能力以下の仕事にしかついていない場合が多い。
•職種は専門知識を要するものが主。
•あちこちの職場を転々としている。
•殺人の前には外部からのストレスを感じていることが多い。ストレスの種類としては、金銭的なもの・夫婦間のもの・女性関係・職場の問題などである。
•社会的生活に適応しており、配偶者と共に生活している。
•殺人を犯したとき、激昂した精神状態にあったか、さもなければ抑鬱状態にあったと主張している。しかしその一方で、犯行を実際に行っている間は冷静でリラックスしていたことも認めている。
•犯行前にアルコールを飲んでいることが多い。
•自動車を所有し、きちんと整備している。
•殺人の記念品を待ち去っているから、空想が犯行後も持続していることもわかる。
•殺人者の自宅からは、事件に関する新聞記事の切抜きが発見されることも多い。つまり新聞を通じて捜査の進展を追いかけていることが多い。
犯行現場の特性
•犯行現場からは犯行前・犯行中・犯行後を通じて、一種の秩序が存在したことが見て取れる。犯行手段が秩序だっているという点から、その殺人が捜査の手がかりを与えないように綿密に計画されたことがわかる。
•犯行が計画的なものであっても、その犠牲者はまったくの見知らぬ他人であることが多い。つまりたまたまある特定の場所にいた女性もしくは男性を犠牲者に選ぶわけだ。とはいえ殺された人物たちには何からの共通の特徴を備えている。殺人者はそれぞれ犠牲者のタイプの好みを持っており、長い時間をかけて犠牲者を選定しているからである。
•社会性を備えているので、殺害の前に犠牲者と会話を交わしたり、見せ掛けだけの友人関係を結ぶこともある。
•殺人とレイプは同時に計画されることが多い。
•行動を支配しているのは空想と儀式であり、その行動や犯行現場のパターンには強迫観念にも似た特徴が表れる。彼らは多くの場合、犯行に使う凶器をあらかじめ用意しており、犯行現場を離れるときには必ず持ち帰る。証拠を残すことを慎重に避け、殺害現場から死体を移動させることも多い。
無秩序型殺人者
特性
•兄弟の中では年下である傾向がある。
•知能が平均以下であることが多い。
•子供時代の親のしつけが、非常に厳しいものだった例も多い。
•父親が職業を転々としており、そのパターンを反映するかのように殺人者自身の職歴も長続きしないのが普通である。
•強迫的もしくは幼稚な観念に取り付かれているのが普通で、錯乱し、抑圧された精神状態で犯行を行うことが多い。
•社会に適応できていない。
•多くは結婚しておらず、一人であるいは親と暮らしており、自宅のすぐ近くで犯行を行う傾向がある。
•対人恐怖を抱いており、隔絶された妄想の世界を築いてしまいやすい。
•抑圧された精神状態のもとで衝動的に殺人を犯すことが多く、自分の住んでいる地域内で犠牲者を選ぶのが普通である。
•性的機能不全の状態であり、対等なパートナーとはどんな種類の性的接触も持てないことが多い。彼ら自身自分名は異性愛者(ヘテロセクシャル)だと主張しているが、実際にはセックスの経験は乏しく、性的に倒錯していることが明確に読み取れる。
犯行現場の特性
•無秩序型殺人者の犯行現場から受ける全体的印象は、犯行が唐突に行われ、発覚を防ぐための工夫らしきものが見当たらないということである。
•現場はひどく乱雑であり、恣意性、無計画性、そして象徴性といったものが感じられる。
•犯人が前から知っている人間を犠牲者に選ぶことも多いが、その場合も年齢・性別などはたいして重要視されない。
•犠牲者への接近も電撃的。背後から近づき、いきなり力ずくで襲い掛かる場合もあるし、突然銃で撃ち殺すことさえある。犠牲者は何の警戒もしていないので抵抗のしようがない。
•犠牲者を非個人化したがる傾向があり、身体のある特定の部分に対して極めて残虐な行為を働くことがある。オーバーキルや顔に必要以上の傷を付けるといった行動は、犠牲者から人間らしさを消し去ろうという意図の下で行われる。また、顔面を傷付けるのは、その犠牲者が殺人者の知人だったか、さもなければ殺人者の心理的抑圧の原因となる誰かに似ていたことを示している。
•殺害後には性的でサディスティックな行為が行われるのが普通で、死体の切断という形をとることが多い。それ以外にも腹部の傷の中への射精などの様々な種類がある。犠牲者の衣服や住居から、犯人が放尿・脱糞・マスターベーションをした形跡が発見されることもある。
•死体を手元に保存しておくことが多い。
•犠牲者の死体は殺害場所にそのまま放置されることが多い。死体が切断されている場合には、ばらばらにされた各部分が殺害者にとって何らかの意味がある形に置かれているケースもある。
•死体を隠そうともせず、指紋も足跡もそのまま残していくので、警察の捜査の手がかりはたくさんある。凶器も普通は手近にあるものが使われ、しかも現場に放置されるので、重要な証拠となる。
古典型大量殺人
•大量殺人犯は不満を持っている傾向があり、人生について虚無感を抱いている怒りに満ちた人々である。
•多くは35~45歳。
•自分にとって物事がうまくいく見込みがほとんどないと思い込んでいる。
•大量殺人犯は銃器、特に短時間に死者の数を最大にする半自動式火器に大きな関心を持つことが多い。
•古典的大量殺人犯は現場で死のうとすると一般的に思われているが、調査では明らかに自殺を企図していたのは5人に一人に過ぎないことが示されている。
飛(いそひ)京三容疑者(36)
小学校に通い始めたころ、生活は暗転する。母親が亡くなり、
父親の材木店も倒産。家族は逃げるように同市を離れ、新しい勤め先に決まった同県下野市に転居したという。
礒飛容疑者は地元の中学校に進学したが、その後、生活が荒れ、暴走族の一員となってバイクを乗り回すなど非行が目立つように。
それでも、14~15年前に父親が体調を崩したときには病院に連れて行くなどの一面もあったという。
その父親も、間もなく死亡。女性は「厳格な父親が亡くなってたがが外れてしまい、だんだんと道を踏み外してしまったのだろう。
長い間会っていなかったが、仕事を一生懸命頑張り、結婚して幸せな家庭を築いていると思っていた。なぜ、縁のない大阪でそんなばかなことをしたのか」と声を震わせた。
産経新聞 6月11日(月)20時7分配信
ロバート・K・レスラー
元FBI捜査官。コンサルタント。司法行動学研究所(FBS)所長。
1974年当時、設立されたばかりのFBI行動科学課において プロファイリング技術の確立に貢献。
「シリアルキラー」(連続殺人犯)という言葉を提唱して現在使われるようになった。
作家のトマス・ハリスはレスラーに情報を提供されたことにより『レッド・ドラゴン』『羊たちの沈黙』を執筆した。
映画『コピーキャット』の題材にもなった。
プロファイリング
参考WEB・・http://akademeia.info/index.php?%BB%A6%BF%CD
快楽殺人
少年の頃は世界が自分の思い通りになるという妄想を抱くが、幼稚園などの集団に入ることで、現実が自分の思い通りにならないことを知る。
しかし、快楽殺人者にはこの現実認識がない。妄想と現実の境が失われているため、例えば自分とは縁もゆかりもない美女をわがものにしたいという妄想は
そのまま実行に移される。一説によれば、女性を殺すのは、抵抗したり拒絶したりするリアリティーを奪って妄想どおりの存在にしておくためともされている。
秩序型と無秩序型
秩序型は、殺した人間の指を切り取って戦利品として収集したり、ターゲットのタイプを限定したりする方向性がある。
そうしたこだわりは、子供の頃に抱いた妄想のイメージに何らかの形で捕らわれているためである。また、秩序型はには、
幼い頃に両親から虐待を受けたなどのトラウマ(心的外傷)を持つ者が多いのも特徴だという。心の傷から逃れるために生まれた解離(現実からの離反)の心理状態が、
ますます妄想をたくましくさせるのである。
一方、無秩序型は、突発的な女性殺人を繰り返した有名なテッド・バンディのように、非計画的で衝動的である。こちらの精神崩壊の度合いは、トラウマによる人格障害よりははるかに深刻で、
青年期以降に妄想型分裂症や解体型精神分裂にかかっているケースが多く見られるといっている。
殺人行動の4つの段階
1.計画と予備行動
2.実際の犯行
3.死体の遺棄
4.犯行後の行動
計画と予備行動
この段階における殺人者の行動は、犯行前のストレス要因・精神状態・犯行計画などに影響される。
犯行前のストレス要因
具体的な殺人者たちが犯行の直前に体験したストレス要因として、次が挙げられる。
•女性との軋轢【あつれき】
•両親との軋轢
•経済的不安
•結婚生活での問題
•男性との軋轢
•子供の誕生
•身体的な疾患・怪我
•法律上の問題
•仕事上の問題
•死の恐怖
特に最初の2つの女性や両親との軋轢は、ストレス要因の大部分を占める。
精神状態
•欲求不満
•敵意および怒り
•激昂
•強い興奮状態
犯行前の行動
殺人者によっては犯行前の数日間に、何らかの犯罪的・暴力的な行為に関与している。
犯行の数時間前になると、殺人者の多くは犠牲者の物色を始める。例えば主にヒッチハイカーを狙う殺人者は、
適当な犠牲者を見つけるために1日中ハイウェイで車を走らせたりする。
こうした行動には多くの場合アルコールあるいはドラッグが関係している。ある殺人者は一晩中ビールを飲み、マリファナを吸ってすごした後で、
一人の女性を刺し殺して内臓を取り出し、また別の犠牲者にも同じことを試みようとした。
非個人化
死体切断の一種。殺人者が犠牲者の個人的アイデンティティを消し去ろうとする行動のこと。この行動は犠牲者を殺す前に行われることが多い。
1:犠牲者の顔を毛布やシーツで覆う。
2:しかし非個人化がすべて明瞭な形で行われるわけではない。
犠牲者の身体を折り曲げて顔が見えないようにするといった行為も、非個人化のひとつといえる。
犯行直後の反応
•この段階で殺人者が見せる反応は様々である。開放感・緊張の軽減といったものから、逮捕を避けようという目的意識を持った行動まで色々ある。
•犯行現場を去った直後には深い開放感を覚えることが多いようだ。何人かの殺人者はそのまま家に帰り、その夜はぐっすり眠れたと語っている。
•自分の犯した行動の現実に直面してより積極的な反応を示す殺人者もいる。
犯行直後の時期が過ぎた後の行動
このときは一般に自己防衛の必要に迫られる行動が多い。例えば証拠を隠滅する・目立つことを避ける・アリバイを用意するなどである。
しかし同時に容疑を避けるという目的にまったく反するような行動も見られるのである。こうした行動は4つに分類することができる。
1.犯行現場の再訪
2.死体が発見されるのを観察する
3.殺人の記念品の保存
4.捜査への介入
こうした行動は殺人の興奮を持続させたいという欲求を、自己防衛本能を圧倒するまでに強くなっていることを示している。
記念品の保存
殺人者が保存していた記念品は、ごく身近なものかあら異常なものまで多岐に渡っている。
•衣服
•宝石
•指輪
•時計
•下着(フェティシズムの対象の代表)
•車(主にヒッチハイカーを狙い、犠牲者の車で旅をし続ける殺人者がいた)
•身分証明書
•写真(犠牲者を殺す前に全裸にして撮影していた殺人者もいる)
•犠牲者の身体の一部(性器・頭・内臓・足・乳房・血液)
秩序型殺人者と無秩序型殺人者
秩序型殺人者
特性
•兄弟の中で比較的年長。長子である場合がかなりの割合を占める。
•父親は安定した職業についていることが多いが、親のしつけはあまり首尾一貫していない。
•平均かそれ以上の知能を備えているが、自分の能力以下の仕事にしかついていない場合が多い。
•職種は専門知識を要するものが主。
•あちこちの職場を転々としている。
•殺人の前には外部からのストレスを感じていることが多い。ストレスの種類としては、金銭的なもの・夫婦間のもの・女性関係・職場の問題などである。
•社会的生活に適応しており、配偶者と共に生活している。
•殺人を犯したとき、激昂した精神状態にあったか、さもなければ抑鬱状態にあったと主張している。しかしその一方で、犯行を実際に行っている間は冷静でリラックスしていたことも認めている。
•犯行前にアルコールを飲んでいることが多い。
•自動車を所有し、きちんと整備している。
•殺人の記念品を待ち去っているから、空想が犯行後も持続していることもわかる。
•殺人者の自宅からは、事件に関する新聞記事の切抜きが発見されることも多い。つまり新聞を通じて捜査の進展を追いかけていることが多い。
犯行現場の特性
•犯行現場からは犯行前・犯行中・犯行後を通じて、一種の秩序が存在したことが見て取れる。犯行手段が秩序だっているという点から、その殺人が捜査の手がかりを与えないように綿密に計画されたことがわかる。
•犯行が計画的なものであっても、その犠牲者はまったくの見知らぬ他人であることが多い。つまりたまたまある特定の場所にいた女性もしくは男性を犠牲者に選ぶわけだ。とはいえ殺された人物たちには何からの共通の特徴を備えている。殺人者はそれぞれ犠牲者のタイプの好みを持っており、長い時間をかけて犠牲者を選定しているからである。
•社会性を備えているので、殺害の前に犠牲者と会話を交わしたり、見せ掛けだけの友人関係を結ぶこともある。
•殺人とレイプは同時に計画されることが多い。
•行動を支配しているのは空想と儀式であり、その行動や犯行現場のパターンには強迫観念にも似た特徴が表れる。彼らは多くの場合、犯行に使う凶器をあらかじめ用意しており、犯行現場を離れるときには必ず持ち帰る。証拠を残すことを慎重に避け、殺害現場から死体を移動させることも多い。
無秩序型殺人者
特性
•兄弟の中では年下である傾向がある。
•知能が平均以下であることが多い。
•子供時代の親のしつけが、非常に厳しいものだった例も多い。
•父親が職業を転々としており、そのパターンを反映するかのように殺人者自身の職歴も長続きしないのが普通である。
•強迫的もしくは幼稚な観念に取り付かれているのが普通で、錯乱し、抑圧された精神状態で犯行を行うことが多い。
•社会に適応できていない。
•多くは結婚しておらず、一人であるいは親と暮らしており、自宅のすぐ近くで犯行を行う傾向がある。
•対人恐怖を抱いており、隔絶された妄想の世界を築いてしまいやすい。
•抑圧された精神状態のもとで衝動的に殺人を犯すことが多く、自分の住んでいる地域内で犠牲者を選ぶのが普通である。
•性的機能不全の状態であり、対等なパートナーとはどんな種類の性的接触も持てないことが多い。彼ら自身自分名は異性愛者(ヘテロセクシャル)だと主張しているが、実際にはセックスの経験は乏しく、性的に倒錯していることが明確に読み取れる。
犯行現場の特性
•無秩序型殺人者の犯行現場から受ける全体的印象は、犯行が唐突に行われ、発覚を防ぐための工夫らしきものが見当たらないということである。
•現場はひどく乱雑であり、恣意性、無計画性、そして象徴性といったものが感じられる。
•犯人が前から知っている人間を犠牲者に選ぶことも多いが、その場合も年齢・性別などはたいして重要視されない。
•犠牲者への接近も電撃的。背後から近づき、いきなり力ずくで襲い掛かる場合もあるし、突然銃で撃ち殺すことさえある。犠牲者は何の警戒もしていないので抵抗のしようがない。
•犠牲者を非個人化したがる傾向があり、身体のある特定の部分に対して極めて残虐な行為を働くことがある。オーバーキルや顔に必要以上の傷を付けるといった行動は、犠牲者から人間らしさを消し去ろうという意図の下で行われる。また、顔面を傷付けるのは、その犠牲者が殺人者の知人だったか、さもなければ殺人者の心理的抑圧の原因となる誰かに似ていたことを示している。
•殺害後には性的でサディスティックな行為が行われるのが普通で、死体の切断という形をとることが多い。それ以外にも腹部の傷の中への射精などの様々な種類がある。犠牲者の衣服や住居から、犯人が放尿・脱糞・マスターベーションをした形跡が発見されることもある。
•死体を手元に保存しておくことが多い。
•犠牲者の死体は殺害場所にそのまま放置されることが多い。死体が切断されている場合には、ばらばらにされた各部分が殺害者にとって何らかの意味がある形に置かれているケースもある。
•死体を隠そうともせず、指紋も足跡もそのまま残していくので、警察の捜査の手がかりはたくさんある。凶器も普通は手近にあるものが使われ、しかも現場に放置されるので、重要な証拠となる。
古典型大量殺人
•大量殺人犯は不満を持っている傾向があり、人生について虚無感を抱いている怒りに満ちた人々である。
•多くは35~45歳。
•自分にとって物事がうまくいく見込みがほとんどないと思い込んでいる。
•大量殺人犯は銃器、特に短時間に死者の数を最大にする半自動式火器に大きな関心を持つことが多い。
•古典的大量殺人犯は現場で死のうとすると一般的に思われているが、調査では明らかに自殺を企図していたのは5人に一人に過ぎないことが示されている。