都会生活1.2.3

すがる瞳

仕事で、保健所に書類を提出しに行く事が時々あります。

先日、駐車場がいっぱいで、保健所の周りをぐるぐる回って空きを探しました。

2周回ってもなかったので、裏口の建物横に止める事にしました。

書類を提出して、さ、帰るぞと車のドアを開けようとした時、熱い視線を感じ顔を上げると、

自転車置き場の横のスペースに犬舎が並んでいました。

捨てられたのでしょう。一匹のラブラドールレトリバーが私の顔をじっと見つめていた。

「お前、こんなところで寂しいよね。ごめんね。連れて帰ってあげれないんだ」

私の声かけに応えるように、その犬は目を伏せました。

車を走らせると、犬は横たわり丸まっていた。

コロナ渦でペットブームが続いています。でも、退屈凌ぎの軽い気持ちでの飼育は、思ったより大変ですぐに飽きてしまい、ぬいぐるみを捨てるように放置されるペットが沢山いると聞きました。

生き物です。命です。大切な家族として育ててほしい。それだけです。






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