もう31年ほど前の作品。山田洋次監督が教育について、生きることについて考え温め続けた4部作のPart1で、夜間中学を舞台にしている。私はこの作品を31年前映画館で観て初めて夜間中学の存在を知った。
先生役が西田敏行で、これはもうピッタリのはまり役。あの当時人気だった裕木奈江とか、中江由里とか、萩原聖人もすっごく若くて瑞々しい。
あと、大江千里が医師役で出てて驚き!
誰かに似てるなと思ったら、星野源。
声とか歌の感じとか。
田中邦衛や竹下景子が脇を固め、八百屋店主としてチョイ役で渥美清が出てくるけど、ほんと僅かなセリフなのにめちゃ目立つ。寅さん存在感ありすぎだっつーの。
義務教育である中学時代を送れなかった一人一人の生徒、年も違えば、国籍も様々な人生に焦点を当てながら物語は進行する。
最後のシーンは、卒業式を前に病で命を絶った生徒の通夜に向かう先生二人が、雪の舞い散る校門を出て歩く姿で終わっている。
降り頻る雪は生徒達が辿ってきた道とこれからを予想され、校舎から漏れる灯りの柔らかさが希望を描いているみたい。
自分の力ではどうにもならない事の多い理不尽な人生を、もがきながら未来のためにと学ぶ姿は尊いなあ。
シリーズ全ての放送を望みます。