依頼者の女性は、30年前に一度だけ飲んだ地元産の「コガコーラ」を、どうしてもまた飲んでみたいとの事だった。
九州にある廃業した古賀飲料という工場跡を尋ねると、そこは半年前に開業した自動車整備工場になっていた。
10年ほど空き倉庫になっていたそうで、飲んだことのありそうな年配の市民へ聞き取りを行ったり、コーラを販売していたらしい商店や、近所に住む社長さんのご兄弟を訪ねたものの、コーラの空き瓶すら出てこなかった。
諦めずに再び工場跡の倉庫へ戻ると、元工場の資材などが除けて置いてある片隅からコーラの中身が入ったままの瓶が出てきて、その瓶にコガコーラと書いてあったことにはちょっと笑えた。
知らせを受けて古賀元社長が現場へやってきた。
近隣にラムネ工場があるので、そこを借りてコガコーラを再現してくれると言うのだ。
樽に糖分とコーラの原液とクエン酸を入れて味見をし、ライン生産で2400本ものラムネの瓶を利用したコーラが出来上がった。
なぜかコガコーラファンという市民がその場に集まっていて、皆で試飲された。
コカコーラとの比較になる様で、色が薄く、甘くて、酸味があるようだ。
作られたコーラは、スタジオのコメンテーターと客席全員に振舞われていた。
そんなに美味しいものではないので、というコメントで番組は笑いで終わったが、依頼者は満足したであろう。