4066.~好きなことで力を伸ばす2~
「知的障害・発達障害をもつ生徒さんの 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック・発達支援教室 Elephas(エレファース)
・・・明るく、楽しく、さわやかに・・・
~今日のElephasブログ:「より広い世界へ」(4月29日)
おはようございます。西国分寺教室の髙須です。
絵を描くことが大好きなHくん。
とりわけ動物を好んで描くことが多いHくんに、講師からある提案をしています。
それは、描かれた動物に関連すること、主に生息域や食性を描き入れることです。
トラでは、ジャングルを想定して鬱蒼とした木々を描き、サルでは、好物の果物を描きました。
カマキリを描く際にカマキリの食性を調べたところ、
カマキリは小さな昆虫のみならず、蛇や鳥をも食べることがわかりました。
カマキリの数ある食べ物にオニヤンマを見つけたHくんは、トンボを描きました。
それも画面の余白にではなく、カマキリに重なるようにトンボを描いたのです。
まるで、カマキリに狙われたトンボが観念したかのように。
Hくんに描き終わった絵を少し離れたところから見てもらいます。
「とてもいいわね。どう?」と言うと、
Hくんはにっこりとして、「うん、いい」と答えます。
―空いているところに描く―とは限らない自由な発想が、見る人の目を楽しませてくれます。
このような感性を大事にしたいと思います。
講師も一緒に動物の生態を学ぶ、とても充実した時間です。
Hくんの満足げな表情から、描くことはHくんをより広い世界へと導いてくれているようです。
◇ワンポイント・メッセージ◇
昨日のブログのR君に続いて、Hくんもとっても絵が好きなのですね。描きたいものが表現に結びつき、作品となることはすばらしいことです。好きなことに没頭することを周囲も肯定して応援してあげましょう。絵においてはもちろん、教科学習においても、作業においても、ひいてはコミュニケーションにおいても大切な力が、制作を通して無理なく楽しく着々と養われているはずです。これは絵画制作の有する威力、そして描画と絵画を方法論化した造形リトミックの目指すところのものです。