3127.~立体認知~
「知的障害・発達障害をもつ生徒さんの 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック・発達支援教室 Elephas(エレファース)
発達支援教室エレファースでは、療育の毎日のようすをエレファースブログでご紹介しています。それを広く皆さまと共有できますように、本ブログでは Elephasブログにワンポイントメッセージを加えさせていただいています。
・・・明るく、楽しく、さわやかに・・・日々を大切に過ごすためのささやかな糧となればと思います。
~今日のElephasブログ:「展開図を組み立てる」(4月17日)~
おはようございます。武蔵境教室の大竹です。
Tくん、算数の大抵の問題はスラスラこなしますが、立体図形の問題になると「えー、分かんないよ。」と言い出しました。直方体の展開図で、辺や頂点がそれぞれどこと重なるかという問題です。
立体をプリント上の平面で考えるのは本当に難しいもの。そこで、実際に展開図を作図して立体に組立ててみることにしました。
最初は「めんどくさいなー。」と言いながら書き出したTくんでしたが、図工が得意で好きなこともあり、作図していくにつれ、「そっか、こことここ(向かい合う辺)は平行じゃないといけないんだ。」「ここ(面の角)は直角か。」と気づき始めました。方眼紙を使わずにまっさらな画用紙での作図でしたので、難易度はとても高かったのですが、最後まで書き上げて組み立てることが出来ました!
立体に組立てながらプリントの問題を考えていくと、「おー、こことここが重なってるのか。」と納得した様子のT君。そして、組立てた時に少し隙間が出来てしまった所を見て「この線がちょっとずれちゃった(完全に平行ではなかった)から隙間が出来ちゃったのか。」と、平行でないといけないことの意味も分かったようでした。
◇ワンポイント・メッセージ◇
私たちは乳幼児期から、体を動かすこと(移動や遊び、粗大から微細)を通して立体空間を把握してきました。これは算数の立体学習においても、同様です。展開図が頭の中で動き出すようになるためには、まず実際に展開図を立体にしてみる体験が必要です。Tくんの生き生きと学ぶ様子からも、そのことは納得できます。しかもそれを一度だけではなく、できるだけ数多く行うことが必要です。
造形リトミックの創造造形にも立体把握と立体操作の要素がふんだんにあります。工作を通して、描画と絵画では使わない脳の機能の発達を促しているのです。