3431.~子どもの問に~
「知的障害・発達障害をもつ生徒さんの 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック・発達支援教室 Elephas(エレファース)
・・・明るく、楽しく、さわやかに・・・
~今日のElephasブログ:「”生きる“の文字を見ると…」(4月9日)
おはようございます。国立北口教室の今村です。
小学2年生のSくんと国語の教科書より、やなせたかしさんの「手のひらを太陽に」の詩を一緒に読みました。
「この詩には、メロディーがあって、歌えるんだけど知ってる?」と尋ねると
「知らない…聞いたことない…」という返事。
講師が子どもの頃は学校で歌うことも多く、「詩」というより「歌」と思っていましたので、時代の違いに驚きつつ、教科書を広げたまま、講師が歌って聞かせました。
元気いっぱいに歌い終わった後、ひと通り解説して、
「Sくんは、この詩を読んでどんなふうに感じた?」と尋ねると、
「こわい…不安になる…」との答え。
待っていたのとは逆の感想…
気持ちを更に聞くと何度も出てくる「生きている」という言葉。
「生きる」の文字を見ると同時に「死」を連想してしまう…
「死ぬのがとっても怖くなり、胸がドキドキする」とのこと。
講師も子どものとき、死を初めて漠然と意識したころのことを思い出し、Sくんの感受性に深く共感しました。
その気持ちを真っすぐに講師に伝えてくるSくん。
気持ちを語り合いました。
「生」を尊い、大切なものと心から思っているのが分かりました。
最後に
「先生のおじいちゃんはね、103歳でまだまだ元気なんだよ。」とSくんに伝えました。
◇ワンポイント・メッセージ◇
そうですね、・・・みな通過するところですね。多くは遅かれ早かれ、児童期に経験するのではないでしょうか。自分の死も然ることながら、両親の死への不安や恐怖、また戦争や災害、病気や事故への不安や恐怖。今この、緊急事態宣言が発出された中、大人も子どもも緊張が高まっています。感染者数、死亡者数、著名人の死が日々昼夜を問わず報道され、「死」というものをいっそう身近に感じざるを得ない状況です。通常は口にしなくとも、誰もが共通に抱いている「死」への恐怖、私たちの共感性の根源はそこにあるのかもしれません。「死」に対峙するものとしての「生」の喜びも同じ根源から発せられるものであり、「死」があるからこそ、その喜びに一層が輝きが増すように感じます。Sくん、先生といいお話しの時が持てましたね。子どもの根源的な問(心の迷いや不安、恐怖)に真剣に向かい合ってあげることはとても大切なことです。