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発達障害・知的障害の生徒様の個性と可能性を伸ばす

11.自分はどう育てられたか?

 おはようございます。造形リトミック教育研究所の玉野 摩知佳です。

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11.ちょっと 一息 (自分はどう育てられたか?)
 
 初代所長すなわち父がよく言っていたことが、「逆を考える」です。

 療育において子育て考えるとき、逆に自分はどう育てられたかを振り返ってみましょう。

 私の父は中国の大連育ちで、比較的裕福な家庭の一人っ子でした。非常に甘やかされて育ったそうです。箸の使い方も下手で、ただ好きなことを一生懸命やるように祖父に言われて育ったようです。従って、私も同じように育てられました。父に叱られたり、怒られたりはほとんどなく、片手に収まってしまいます。

 私が子どもの時に特に好きだったのは、昆虫です。とにかく虫が好きで、蝶もたくさん採りました。ただ普通とちょっと違う点は、採った後に昆虫の展翅をすることです。子どもでも、大人のコレクターがするのと同じように父から指導を受けました。

 40年以上前ですが、渋谷にある志賀昆虫店にいくことが楽しみでした。そこには、本格的な方が使う3段4段の虫とり網や世界の蝶などがあったように思います。このときに大人が使う、本物にふれるチャンスがありました。

 昆虫については、こんなこともありました。友達からアフリカの蝶(マダラチョウ)をもらったこともあります。彼はお父さんの仕事でアフリカに行っていたのです。そのお礼に、私はブラジルの蝶を彼にあげました。私も父の仕事の関係で、ブラジルに行っていたことがあるのです。

 標本を見るのもとても楽しみでした。その時の父の解説がとても印象深く、今も言葉として耳に残っています。

・「昆虫はすごいなあ。空も飛べるし、木にも止まれる。水の中でも水の上でも、 いろんなところで生活できる」

・「昆虫の形には意味がある。必ず左右対称だ」

・「蝶の飛び方と翅には関係がある。その構造には自然の美がある」

 父の説明を繰り返し聞いていたので、私も昆虫を見るとそのように感じるようなりました。

 また近所の昆虫好きの大学生(当時)もよく父と昆虫の話に熱中していました。父と図鑑を見ながら、「この蝶はこれかな?」「こっちじゃないですか?」など会話が弾み、毎日のように行き来がありました。

 その大学生の部屋に行くと、ベッドの下の引き出しに標本箱がごっそり入っていて、自分の持っていない昆虫があるととてもうらやましかったのを覚えています。一番ほしいと思ったのが、「ギフチョウ」でした。その大学生は、後に生物学者になりました。

 「子どもだから・・・」という発想は父にはなく、小さいときから本物に触れさせてくれました。採集道具や標本、図鑑(分厚くて、詳しくて学者が見るような)、本当に好きな人の思い、考え方にじかに触れてきました。ここで、探求していく面白さを知りました。

「好き」なものから広がっていく世界には、非常に魅力があります。楽しみや元気、力を与えてくれます。またそれは、ものの見方や考え方をまなぶ場でもあり、忍耐力や根気、逆に達成感や満足感を楽しみながら養ってくれる場でもあります。

 造形リトミック研究所は、「好きなもの」を、絵描き歌という「簡単な手法」で、「楽しみながら」描くことを通して、見る力を育てることを目指しています。最終的には、ひとりひとりが好きな世界をもち、その世界が広がっていくことを願っています。

http://www.zoukei-rythmique.jp/ 造形リトミック教育研究所
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