性別を元に戻したい

１０月３０日の朝日新聞にこんな記事が出ていた。

性別変えたけれど

（要旨）

自分は性同一性障害だと考えて戸籍上の性別を変えたが、
やはり適合できず元に戻したくなった――。
性別変更をする人が増えるにつれ、
こんな悩みを抱える人が出てきた。
再変更は現在の法律では想定されておらず、ハードルは高い。
専門家からは「何らかの救済策が必要」との声も出ている。

４０代元男性は、戸籍上の性別を女性に変えたが、
いま、強く後悔し、家裁に再変更の申し立てを繰り返すが、
「訴えを認める理由がない」と退けられ続けている。

幼い頃から吃音（きつおん）に悩み、疎外感を抱いていた時、
性同一性障害の人たちと交流する機会があった。
「自分たちの存在を認めないのはおかしい」と訴える姿が
とてもポジティブに映り、「自分も同じ（性同一性障害）だ」
と考えるようになり、男性器切除の手術を受けた。

「性同一性障害特例法」が施行されたため、心療内科を受診し、
十数回の診察を経て、複数の医師から性同一性障害の診断を受けた。
その後家裁に性別変更を申し立て、変更が認められた。

だが、すぐに後悔に襲われた。
男性だった時には簡単に見つかった仕事が、
女性になってからは断られ続け、
性別を変えたためだと感じるようになった。
弁護士に再度の性別変更を相談したが、
「今の制度では難しい」と言われたという。

今は、パン工場の仕事を見つけ、最初は女性として就職したが、
会社の同意を得て男性として働いている。

「精神的に不安定な状態で申し立ててしまった。
このまま生きるのは非常に苦痛で何とか元の性に戻りたい。」


診断経験豊富な意思によると、
「自分の性への認識が揺らいだり、別の原因で
生きづらさを感じた人が『自分は性同一性障害だ』
と問題をすり替えたりする事例がある。」
「本人が強く主張すれば、その通り診断してしまうことはあり得る。
先に性別適合手術を受けてきた場合はなおさらだ」




元々意を決して転換し法的手続きをしたのだか、元に戻したい
という人がいること自体知らなかった。
「自己責任」と言えばそれまでだが、極端なケースにも思えるが、
混乱の最中正しい判断ができない、ということも弱者故ということか。