ごく庶民的な環境で育ったせいか、これまでの人生で、この世の中は不平等かつ不公平だと感じることが多かった。
悔しいが、親の学歴や職業、地位、興味によって、家庭の経済的、文化的環境には大きな差が生じる。子供にとって、これは不平等かつ不公平。
子供たちのスタートラインには、生まれながらに乗り越えられない大きな格差がある。
しかも、それは家庭の経済的格差にとどまらず、家庭の文化的格差まで生み出す。
裕福な家庭の子供は、何も心配せずに、自分の部屋で、勉強さえしていればよいかもしれないが、そのような子供はごく一部。
多くの子供たちは苦労ばかり、決して勝てるはずのない、スタートラインからして異なる不平等かつ不公平な競争を強いられる。
そんな現実を見ていると悔しくて腹が立つ。しかし、悔しくても腹が立っても、それに負けてはいられない。
人生は一度だけ、諦めたらそれまでだからだ。
自分に与えられた人生を、少しでも明るく生き抜くためには、不平等や不公平に負けてはいられない。
そうは言っても、世の中は理不尽な格差だらけ。
日本の政治の世界だって首相をはじめとして、世襲議員ばかり、企業だって世襲や縁故だらけ。
だから、今の日本には戦後の経済成長をもたらしたバイタリティも下剋上もない。不平等や不公平がまかり通るエセ競争社会になってしまった。
親の力だけで、エセ競争社会を勝ち上がったエセ指導者やエセヒーローばかりの日本なんて、もうウンザリだ。
しかし、文句を言っていてもしょうがない。とにかく格差を乗り越えて、精一杯、頑張って生きなければ、生存限界から抜け出せないどころか、自由や民主主義とは無縁の地獄に落ちてしまう。
「もう駄目だと思う先に、道は開ける」という言葉がある。決して諦めてはいけない。
他人が何と言おうと、「今に見ていろ」という強い信念を持って生きて行くしかない。
一寸の虫にも五分の魂、踏み躙られてたまるか。