子供の頃、なぜ、テレビで、マンガやドラマや映画を、タダで見ることができるのか、分からなかった。
視聴者から料金を取らずに、CM放送の対価としてスポンサーから取るという、素晴らしいビジネスモデル。
考えてみれば、テレビというメディアは、時代を先取りしていたのだ。
テレビ受像機というハードの方は、テレビ局とは全く無縁の電機メーカーが作って売っていた。
テレビ局は、番組というコンテンツを作って、テレビ受像機に配信するだけ。
しかも、無料で。
まだ貧しかった日本人にとって、テレビは夢のようだった。
公共の電波を利用するテレビは、免許事業。
だから、テレビ局にとっても、夢のような事業だった。
免許事業数社による独占のおかげで、ボロ儲けができた。
そんな、あまりに恵まれた環境に、ドップリ浸かっていたせいで、すっかり競争力を失ってしまった。
最近のテレビ局は、自滅の道を進んでいるとしか思えない。
昔、放送というメディアは、私たち視聴者に、それまで、一部の特権階級や金持ちしかアクセスできなかった、完成度の高いコンテンツを無料で提供してくれた。
視聴者という素人に、報道やドラマ、エンタメコンテンツで、プロの力を見せつけてくれた。
それなのに、いつの間にか、プロ意識を失い、素人ユーチューバーと競い合っている体たらく。
今どき、新聞のテレビ欄を見て、放送時間を待って、番組を視聴するなんて、老人だけだろう。
イーターネットを使いこなせない、情報弱者マジョリティの時代が、終わろうとしているのに、テレビ局は、一体どうするつもりなのか。
他人事ながら、心配だ。