美意識を磨く 文田聖二の『アート思考』

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心揺さぶられる

2017年08月01日 20時55分13秒 | 日記
腹の底から沸き起こるような強い想いは、日常の蓄積(潜在意識)の表われ。強い想いと新鮮な感動が出会ったときにイノベーションを興すための入り口がみえてくる。この創作は、そんな日常に潜んでいる心揺さぶられる感覚、アフォーダンスを全身で捉えた記憶と記録を見える化し体感できる空間造形である。
思い込んでいる価値を突破して前向きに生きること、イノベーションを興すためには、新鮮なエモーションが必要となる。
学術的な縛りがない古代から、美の定義や人が思考する目的は心身の動揺を伴うような強い感動を人類にどれくらい与えられるかにあった。 人の心が揺さぶられる記憶と記録を引き出す意思、意図、意義は引き継ぐものがいる限り消えない。そんな意が様々なものたちを救ってきた。自分も救われている一人。

デッサンの効用

2017年08月01日 09時48分32秒 | 日記
デッサンって、どんなイメージで、どんな絵を思い浮かべますか?
鉛筆や木炭、コンテなどの画材を使って、モチーフを写真の様に写し描いていく修行のようなイメージを持たれている方が多いようですね。勿論、造形力を磨くために何枚もデッサンを描くといったこともありますが、そもそも「デッサン・デザイン」とも同じ語源である「designare(デシネーレ)」は、計画や考えを示すという意味をもつ設計図や企画書みたいなものです。
対象(モチーフ)を表面的に写し描かれたものがデッサンではなく、対象の特徴、内部の構造、本質など多角的な視点でとらえる(観察:リサーチ)力、的確に情報を読み解いて意をもって再構築する(思考:コンセプト)力、誤解がないように分かりやすく伝える(伝達:デザイン)力、これらを総合して描いたものがデッサンです。

なぜデッサン力が、「アート&デザイン(特殊な職業)」以外の一般社会人にも効用があり必要なのか?
一般企業の方たちもクライアントから依頼された、あるいは望んでいる考えや目的を正確に読み解き、コンセプトを構築し、商品化やサービスとして提供、伝達していく必要があります。クライアントと目的を共有するために絵に描ける(思考を視覚化する)ことでコミュニケーション能力も向上していきます。こういったいわゆる画力だけではなく、観察力・思考力・伝達力といった社会を生き抜くために必要となる感覚機能が、デッサンを学ぶことで身につけて磨くことができるのです。
教育機関だけではなく、企業や行政の職員の方に向けてデッサンレッスンを取り入れた研修も実施しています。
「一般企業と美術学校の組み合わせって不思議?」
社会人に共通して求められる力である、本当の問題点を発見して、その答え(将来のビジョン)を自ら創造し、そのビジョンを実現(解決)していくための感覚機能(観察力・思考力・伝達力)いわゆる創造性と視覚化が、デッサンの効用といえます。

美術の効用

2017年08月01日 09時46分04秒 | 日記
「アート&デザイン」と聞いて、あなたは何を思い浮かべますか?
人の心を高揚させ、歓喜させるバロック絵画やハリウッド映画、おしゃれなインテリアやファッション、浮世離れした芸術家、あこがれのイラストレーター、卓越した巨匠たちの彫刻、パリやルーブル美術館、印象派画家たちが描きだす輝く色彩…などでしょうか?また、思いどおりに絵を描いたり、造形できたりすることだけがアート&デザインの魅力、威力でしょうか?
日本では、芸能スポーツに関する情報やその選手、芸能人たちの活躍は各メディアで頻繁に紹介され、社会におよぼす影響力もひろく知られていますが、アート&デザインもまた、あらゆる分野での可能性を秘めながらその威力や魅力を充分に有効利用されていないのが現状です。
スポーツと同様、アート&デザインも生活に密着したものです。また、その土地の文化に根付いたものであり、その時代を象徴するものでもあります。だからこそアート&デザインの基本表現であるデッサンや色彩を学ぶことでその時代をその時代の人々の中で生き抜く力を磨いていくことができます。
 以前、小学校で起きた無差別の殺傷事件発生の数ヶ月後、恐怖感が残る児童に対して学校に復帰させるために校内での合同授業でのリハビリが行われました。これは決められた図柄を指定された枠内に決められた色を生徒全員で一緒に塗っていくという単純な壁画制作でした。先生や友達と協力しながら一枚の壁画作品を完成させていく行為の中で生徒たちの心が徐々に開かれていき、小学校で友達と集まることの喜び、楽しさを自然に取り戻していけたアート&デザインがもつ魅力、威力が効果的に使われていた印象の深い事例のひとつです。
また、アート&デザインを学んでいく過程で、自虐行為や過食の症状が無くなっていった教え子もいます。小さな出来事まであげていったらきりがありませんが、アート&デザインの影響力は多岐にわたり、計り知れません。
舞台や絵画、彫刻、絵本など、いわゆる作家活動に限らず、あなたがアート&デザインと考えるものなら「美術の効用」が、理想の旅行計画やおもてなし料理、夢のマイホーム構想、明るい将来のためのリフォーム、家族を喜ばせるレジャー、自分を成長させる仕事とどんな表現にもあてはまるはずです。それがアート&デザインの魅力であり、威力です。