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インディアンは男も女も化粧する
イアリングを付け ネックレスをし ブレスを腕に 指にリングを
祈りの時 色とりどりに粧う
だが 心に化粧はしない
この日 駐車場で月を眺めながら
すっぴんの月
全てを余すこと無くさらしながら
美しい
人は心を粧う
美しく 蠱惑的に
清楚で 清純に
艶然として 匂うが如しに
男も負けずに
隈取りし
立派に 威圧的に 恫喝の仮面を被り
寛容さと慈愛を その心の顔に被せる
時には 律儀さと正直さを粧う
不思議だ
彼らは妖しく美しく
その巧まずした演技に引き込まれる
自分は化粧しない 仮面も被らない
したくても出きないから
自分は自分 自分でしかありえないし
演技する能力もない
化粧を透して人を理解する
それは 自分の想像を絶することだった
彼らと共に演技は出きても
しょせん素人芝居
何十年素人芝居を続けてきただろうか?
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この日
台場から首都高を時速100kmでのんびりとクルーズ
荒川沿いに東北道へ向かった
右手にカメラを構え 左手でハンドルを押さえ
助手席の窓越しに 富士山を撮る 17:30
17:24
メッセージが届いた頃
高速道路にいた
すっぴんな人は初めてだった
不思議で新しい人
また 飲みながら山頭火を語ろうか
俺より強いからな君は
お手柔らかに 頼む