戦前 親父は銀行員をやめニチロに勤めながら
後妻であるお母さんの影響でロシア正教に
函館のニコライ堂でパイプオルガンを弾いていたそうだ
同好会のようなものだろう
写真を見ると
とても自分の親父とは思えないほど若い
オルガンは上手だった
ミサの時 教会で
小学生なのにバリトンの担当で
よく覚えていない
ただ教会の屋根裏で
沢山の人がいたな
ラテン語の4線譜の楽譜があったのを覚えている
5線譜が出来る前 多分ヨーロッパ中世の頃のものだろう
休止符みたいのがいっぱい並んで
あの頃を手繰る
バッハのオルガン曲が好きだった
ゴシック建築に惹かれる
計算された複雑さが好きだった
完璧な構築
大きな講堂で聞くと
荘厳そのものだ
何時からかモーツアルト
壊れてゆく男が
何故かわからないが
若者のように滅びの美学を賛美してるわけではない
素直に生きて
才能を 遊ぶ金に換え
放蕩三昧
共同墓地にほうり投げられ
その墓すらわからない
小市民である自分には
到底できない その人生に
少し 羨ましく思う
アマデウスか
懐かしいな