ー 女の給料は男の75パーセント ー

女の給料は男に比べると少ないという。
6月7日のテレビ報道によれば男女の賃金格差は男を100とすると女は74.8だそうである。男女の格差はよろしくない。女の給料を男並みにしろと言っているように感じたがどうだろうか。
それにしてもよくわからない。以前は専業主婦=永久就職と言われ、専業主婦は女のあこがれだった。多くが結婚の相手にサラリーマンを選んだ。当然収入はゼロである。しかし、それが騒ぎになったという話は聞いたことがなかった。
それがなぜ今になってエプロンをスーツに変え、給料の多寡にまで話が及ぶのか。察するに世代も代わり、もっといい暮らしがしたくなったということだろう。人間の欲には際限がない。
番組の趣旨はともかく、こと給料に関して男だから高い給料を出さなければならない、女は安くてもいいという話は安直であるし、説得力がない。給料は基本的には会社への貢献度で決められるべきである。
だから、例えば子どもの “ お迎えの時間 ” があって、早く退社したいのであれば、他の人が5時までかかる仕事を3時までに終わらせたらいい。給料は人並みにもらえる。
対して他の人が8時間かかり、自分も8時間かかる仕事を6時間しかやらなかったとしたら、2時間分の給料は差し引かれて当然である。
あるいはジョブ・ディスクリプション(職務記述書)を作って会社にいる時間と仕事の中身をはっきりさせ、それに見合った給料を決めればいい。
そうすれば “ お迎え” に行く母親が隣の同僚に自分の仕事をお願いし、負い目を感じるという現象は生じない。父親についても然り。
そもそも男か女かはもちろん、正規か非正規か、フルタイムかパートタイムか、年寄りか若いか、高学歴か無学か、資格を持っているかいないか、日本人か外国人かで給料に差をつける合理的な理由はひとつもない。
肝心なのは会社にとってその人間が役に立つか立たないかである。働く方の側からいえば、自分に「雇用される力」があるかないかである。
“ お迎え ” に限らず、勤務時間を短くしても他の従業員と同じかそれ以上に役に立っていると会社が判断すれば、他の従業員と同じかそれ以上の給料がもらえるはずである。
雇用される力こそがアピールすべきことであり、自学研鑽の対象である。
だから男:女の比較などナンセンスである。