翌日2016/09/07から東京藝術大学大学美術館で開催の、
「驚きの明治工藝」特別内覧会に行ってきました。
本当はね、開幕と同時にblogがupできると良いんですが、
一応、平日は仕事をしている身。
週末のupになってしまいました。
ちなみに、この記事内に複数の写真がありますが、
今回の『驚きの明治工藝』展は、一部の作品を除き、
写真撮影可の展覧会です。
それ故、この記事にも作品の写真が掲載されています。
さて今回の特別内覧会は、17:30集合で18:00開始、
終了20:00と言うスケジュール。
この日は、開幕前日ということで、
開会式の様な事が行われていたり、
特別内覧会参加者が会場内で見てる最中に、
美術館の外では、MXテレビの中継があったりした様です。
事実、我々特別内覧会参加者と入れ替わるように、
テレビクルーが会場から出てきていました。
これまで色んな内覧会に行ったことがありますが、
今回の特別内覧会が一番シンプルでした。
開始時間になると「はい、ではご覧下さい」と、
自由に解き放されました(笑)
ギャラリートークが有ったりして、作品の解説をしてくれる
内覧会もあるんですが、得てして、トーク伸びたりして、
自由鑑賞の時間が短くなったりしてしまうので、
こう言う、野に解き放つような内覧会も良いですね。
この展覧会のビックリした所は、出展されている作品のすべてが、
台湾のコレクター宋培安氏に寄るものであるということ。
一人で、これだけの工芸品を集めているというのは凄い。
って言うか、一般民衆には判らないだけで、
コレクターなら普通なのかな?
それでやっとここから展示物の話(苦笑)
入口正面にあって目立つのがこれ。
《自在龍》宗義(明治~昭和時代)鉄
同じく入口付近にあったのがこちら。
《色絵金彩鴛鴦置物》宮川香山(明治~大正時代)白磁、色絵
宮川香山の名前が出てきたので、なんとも懐かしく思いました。
サントリー美術館で、宮川香山の回顧展を見た事があります。
やっぱり、いろんな展覧会に行って勉強してくるものですね。
そして、その宮川香山の作品の向かい側に有ったのが、
《蒔絵螺鈿芝山硯屏》易信(明治~昭和時代)象牙、蒔絵、螺鈿
枠が象牙なんですかね?
いやぁ、象牙の手に入らない今では、考えられないですね。
そして、明治期の工藝品と言えば、こう言う自在細工類ですよね。
《自在蛇》明珍宗春(江戸時代)鉄
《自在蛇》宗義(明治~昭和時代)鉄
これが本物だと、一体いくらになるんでしょうか?(笑)
《自在伊勢海老》守由(明治時代)銅
こちらは、イタリアンに出てきそうです?
《自在手長海老》明珍(江戸時代)鉄・銀、鍛造・象嵌
こちらは、細工としても凄いんでしょうけど、
なんともユニークな表情が特徴的です。
《自在鯱》無銘(江戸時代)鉄
藝大で鮭と言うと、高橋由一の《鮭》を思い出しますが、
でもこれは、
《塩鮭》加納鉄哉(大正10年(1921))牛角、彩色
です。
加工品と言うか、ニセモノと言うか。
塩鮭じたいが『加工品』ですからね(笑)
って言うか、大きさはししゃもくらい??
これは見事な作品です。
《蝉》竹江(明治時代)牛角、木、銀
こちらが裏。
まるで本物ですが、胴体が彩色された木、
脚が銀、羽根が水牛の角で出来ているそうです。
材料を聞いても、まだ、本物のように思えますね。
この様な自在細工類、細工物以外にも、
なんとも見事な工藝品があります。
こちらも、入口付近にあったのと同じく宮川香山
《留蝉蓮葉水盤》宮川香山(明治~大正時代)青磁、色絵
上が正面から、下が左から
なんとも蝉が見事です。
宮川香山と言うと、こう言う細工の施された焼き物ですねぇ。
こちらは目を引いた花瓶
《薩摩焼送子観音花瓶》藪明山(明治~昭和時代)陶、色絵
そして、七宝焼きもありました
《花鳥文花瓶》安藤重兵衛(明治~昭和時代)七宝
七宝焼きの花瓶なんであるんですね。
七宝焼きのイメージとしては、もっと小さくて、
ブローチみたいなものですが。
そしてこれも、七宝焼き
《菖蒲文花瓶》太田甚之栄(明治時代)七宝
普通に陶器みたいに見えます。
こんなモノもありました。
《菊文箱》無銘(明治~昭和時代)七宝
七宝焼きと言っても色々あるんですね。
今度は螺鈿です。
《蒔絵螺鈿芝山花瓶》虎爪(明治時代)銀、蒔絵、螺鈿
なんか、すご過ぎ
菊のご紋の入った花瓶がありました。
《芙蓉菊図花瓶》佐藤一秀(明治~大正時代)銀、片切彫、象嵌
菊のご紋が有るということは、皇室の関連?
反対側の展示室に向かうと、ちょっとほっこりするような展示品も。
《猫置物》善拙(江戸~明治時代)木
抜き足差し足忍び足(笑)
そして、ツイッターとかで(何故か)人気のこちら
《狸置物》大島如雲(明治~昭和時代)銅、鋳造
「えっ?なんですか?私が何か。」と言う表情?(笑)
「こんなのが置いてあっても、嬉しくないなぁ」と思わされるのがこちら
《山姥香炉》恵順(江戸~明治時代)木
山姥は中が空洞になっているので、口から煙が出てくるそうです。
って言うか、何故に山姥?
もっと、いいモチーフがあったと思うんですけどね?
他にも沢山あるんですが、きりがないので、これで最後
《三猿根付》小林盛良(明治~大正時代)金
見ざる言わざる聞かざるですかね。
冒頭にも記しましたが、
これが一人のコレクターのコレクションとはびっくりですね。
いいもの見させてもらいました。
名称 | 驚きの明治工藝 http://www.asahi.com/event/odorokimeiji/ |
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会期 | 2016年9月7日(水)~10月30日(日) |
会場 | 東京藝術大学大学美術館 本館 展示室1、2 |
当日観覧料 | 一般1300円、高校生・大学生800円、中学生以下無料 |
開館時間 | 10:00~17:00(入館は閉館の30分前まで) ※10月21日(金)、22日(土)は、上野「文化の杜」TOKYO数寄フェス(仮称)開催のため、午後8時まで臨時夜間開館いたします(入館は午後7時30分まで) |
休館日 | 月曜日(9月19日、10月10日は開館)、10月11日(火) |
巡回展 | 京都展 2016年11月12日(土)~12月25日(日) 細見美術館 |
川越展 2017年4月22日(土)~6月11日(日) 川越市立美術館 |