航空自衛隊入間基地の修武台記念館の見学会に申し込んだところ、
無事当選したので、行って来ました。
“修武台”とは、旧日本陸軍の陸軍航空士官学校の事で、
昭和天皇が行幸した折に、名付けた名前だそうです。
ちなみに、小田急線に“相武台前”と言う駅がありますが、
これも、陸軍士官学校が彼の地にあって、これも、
昭和天皇の行幸に際して、陸軍士官学校が相武台と
名付けられたことに由来があるそうです。
つまり、陸軍士官学校の最寄り駅だったんですね。
元々、士官学校前駅と言う名前だったらしいですしね。
似たような旧日本陸軍の施設には、
移転前の市ヶ谷にあった陸軍士官学校の市ヶ谷台、
陸軍予科士官学校の振武台、
陸軍経理学校の若松台、
東京陸軍幼年学校の建武台、
名古屋陸軍幼年学校の観武台、
熊本陸軍幼年学校の清水台とたくさんあったようですので、
“XX台”と言うのが、旧日本陸軍は好きみたいですね。
さて、修武台の話に戻ります。
この修武台記念館の建物は、
元々陸軍航空士官学校の学校校舎として建設されたもので、
戦後、米軍基地司令部庁舎として使用、
日本に返還後は、旧日本軍及び航空自衛隊の歴史資料を
保存・展示する施設としてきたそうです。
その後、古くなったので、陸軍航空士官学校の学校校舎の
イメージで立て直して、今に至るようです。
見学会は、午前コース/午後コースの2コースありますが、
今回参加したのは、午後コース。
だって、午前コースだと、1000時に入間基地集合なんだもん。
まぁ、横須賀に1000時に行くので、入間に1000時に行くことが
出来ないとは言わないけど、楽な方が良いよね(笑)。
受付開始は1300時。受付の稲荷山門到着。
受付で名札を受け取って移動のバスに乗り込むと
既にバスには結構な乗客がいました。
私は、ちょうど1300時頃に到着する電車で行ったのですが、
それよりも前の電車で行ったんですかね?
ちなみに、門の警備は、基地警備隊。
航空自衛隊仕様の青っぽい迷彩服を着た警衛が、
警備をしていました。
稲荷山門の近くには置いていませんでしたが、
途中では、使い込まれた感じの軽装甲機動車を見かけました。
稲荷山門から、修武台記念館までは、基地内を少々移動。
途中、車両整備場や、航空医学実験隊の建物の横を通ります。
修武台記念館到着!
今回の参加者がそろうのを待って、いよいよ見学会の開始。
まずは、ガイダンスシアターで、館内の説明や、
見学会の注意事項を見たのち、いよいよ自由見学。
正直、自由見学だとは思っていませんでした!
これはある意味うれしい誤算。
ガイドツアー方式だと思っていました。
“自由見学”と言う事なので、まずは、最初のガイダンスで、
「おすすめです」と言っていた、保管庫見学から行います。
保管庫には、アンリ・ファルマンの実機があります。
(少し、頭が見切れてしまいましたorz)
方向を変えて。
説明にある通り、アメリカで修復をうけたものの、
プロペラやエンジンなどは、当時のものを実装しているそうです。
こちらは、F-1支援戦闘機初号機
初号機だとは思いませんでした。
こちらは、V-107救難機
F1は初号機でしたが、こちらは最終飛行機
エンジンが傍らに置いてありました
T-33練習機に使われていた、アリソンJ33-A-35
保管庫は、こんな感じ。
ちなみに保管庫には、エアコンが効いていました。
ちょっと驚きです。
きちんと保管しようとしているんですね。
修武台記念館の本館に戻ります。
見学は、2階から始まります。
2階は、旧日本陸軍/海軍の歴史のコーナーになっています。
陸軍/海軍の年表
旧軍時代の搭乗員教育についての展示
航空士官学校の頃の展示
加藤隼戦闘隊の展示
零戦などのエンジンの展示
太平洋戦争についての展示
などなど・・・
館内には【写真撮影禁止】と言う掲示が沢山出ていますが、
自衛隊関係者など向けの表示なのかな?
今回の見学会に際しては、遺書や手記の様な個人的な書き物、
映像類などの著作権を気にするもの以外の、
パネルや展示物の撮影はOKと言う事でしたので、
色々と撮ってきました。
こちらは、便殿の扉
陸軍航空士官学校本部の2階には、昭和天皇行幸の際に
休憩に使った便殿があったそうで、これはそのドア。
いっちゃぁ何ですが、結構普通のドアですね。
こちらは“加藤隼戦闘隊”で有名な、加藤建夫少将が、
少佐時代に着用していた軍服。
残っているんですね。
進みます。
これは、常陸教導飛行師団の2式複座戦闘機「屠龍」
平成8年9月に千葉県八千代市で発掘されたものだそうで、
昭和20年1月27日東京に来襲したB29に、
体当たり攻撃を行った機体。
体当たりを食らったB29は、もちろん撃墜されています。
よく、その体当たりをした機体だと特定できたと思います。
さらに先に進みます。
これは、“ゼロ戦”で有名は、零式艦上戦闘機で使用された、
「栄」エンジン。
説明版には、11型・12型(ハ25)・21型(ハ115)とありました。
一体、どれなんだと!(笑)
この、ひしゃげたプロペラが付いているのは、ハ41。
2式単座戦闘機「鐘馗」に用いられたそうです。
本館での実機展示のハイライト、桜花の実機です。
主に、胴体部分が実機の様です。
残っていたのか・・・。
実は、嘗て、入間基地がジョンソン基地と呼ばれる
米軍基地だったころ、基地への目標のための標識として、
使われていたものだそうです。
なんか、色んな意味で、悪趣味な気がしますね。
進みます。
やはり、“航空”と言う括りでは、
加藤健夫を避けることにはいかないようで、
またも、加藤健夫の軍服類。
右が外套(少佐時代)、左が軍服。
軍服にはキャプションがありませんでしたが、
階級章的に、こちらも少佐時代?
2階の展示は、ここまで。
1階におります。
その途中の会談で、この様な表示が。
1954年7月1日の航空幕僚監部開庁式における、
初代航空幕僚長上村健太郎空将の
訓示の抜粋です。
2階は旧軍時代の歴史展示でしたが、
1階は、自衛隊時代の展示になります。
部屋の入口付近には、F-15。
やっぱり、これからですか(笑)
その奥には、ナイキユニバーサルシステム(AJAX)
ナイキのとなりには、20mm(改)対空機関砲(VADS-Ⅱ)
保有期間に終わっていないので、
現場では、まだ現役と言う事ですね。
BADGEシステムも展示。
もうJADGEに換装されていますからね。
でも、これらをみると、時代を感じますね。
監視コンソールのアップ。
北海道・東北地方が見えるので、
北部航空方面隊のもの?
航空自衛隊創設60周年のシンボルマーク。
あまり一般では見かけることは無かったですね?
航空自衛隊の歴代の制服。
手前が古くて、奥に行くと新しい制服です。
JALのSky MuseumにもCAの歴代制服と言う事で、
同様の展示がありましたね(笑)
ここで、一旦、ロビーに出ます。
ロビーには、航空自衛隊創設50周年のタイムカプセル。
50年後の、航空自衛隊創設100周年の時に開けるそうです。
って言うか、地中に埋めないんですね。
これは、ロビー中央付近に展示されている、
航空士官学校の模型。
昭和19年ごろのものだそうです。
今いるのは、奥側の広いところ。
手前に、出城みたいなところもあったんですね。(いまは無し)
こちらは、ロビー奥にあった、
航空自衛隊創設60周年を記念したF-15DJの模型。
防衛省・自衛隊60周年記念航空観閲式において、
安倍総理に贈呈されたものと同じだそうです。
ちなみに、機体番号の“60”は、安倍総理の60歳と、
航空自衛隊創設60周年をかけているそうです。
これは、ロビーの奥にある、
ブルーインパルスコーナーの展示
ここいらで一旦、最初に説明を聞いた
ガイアダンスシアターに集合して、アンケートの記入タイム。
アンケートが終了したら、あとは、帰りのバスまで、
外での撮影タイム!
これが、修武台記念館の外観。
横須賀の在日米軍司令部庁舎(旧横須賀鎮守府)に
雰囲気的に似ていますね。
こちらは、嘗て、航空士官学校時代にあった、
(修武台)航空神社の跡。
元々は、航空事故による殉職者を祀った神社だったそうです。
終戦後、進駐軍が来る前に、一旦、所沢にある神社に奉遷した後、
1965年11月に廃社されています。
いまの羽田空港にも、航空神社がありますが、
神社としては別のものです。
こちらは修武台の碑
修武台の名前を付けたのは、昭和天皇でした。
こちらは、雄魂の碑
昭和33年の入間基地創設以来、殉職した隊員の
鎮魂のために建てられた記念碑
こちらは、航空兵の像
航空士官学校以来の航空兵をたたえる像
昭和61年の建立の様です。
地対空誘導弾ナイキJ
こちらは、J/TPS-100移動式3次元レーダー
固定式のBADGEシステムのレーダーの代替えの為の
移動式のレーダー装置。
F-86セイバー
“最後の有人機”F-104
頭が見切れてしまったorz
横のステップを上がるとコックピットが覗けるんですが、
みんなコックピットを覗いていて、
中々クリアに撮れなくて、焦ってしまった結果が、これだよorz
これは、初めて見ます。C-46輸送機。
こちらは、T-34練習機
かわいそうに、ちょっと色あせてきています。
T-33練習機
保管庫にアリソンJ33-A-35が保管されていましたね。
ジョンソン基地時代の銘版もありました。
修武台記念館付近の記念碑や、航空機の配置。
ここいらでタイムアップ!
来た時と同様、稲荷山門までバスで送ってもらい、
稲荷山門にて解散。
航空祭にも来ようかなぁ。
-----
[2017/08/26追記]
昨日、国立科学博物館に行ったときに、
ゼロ戦を見てきました。
零戦二一型 (複座改造偵察機)です。
複座のゼロ戦は、珍しいですね。
これが、栄エンジン。
零戦二一型なので、そのままならば、
栄一二エンジンのはずです。
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