「ねぇ?」
と君は云った。
「うん」
とボクは応えた。
「だからさぁ、何か観て来たの?」
ボクは眼を天井に向ける?
さあ、ボクは何を見ていたのか?見ているようで、何も見ていなかったのかもしれない。
「それで、何か感じることあったの?」
「え?」
とボクは云った?
感じるもの?
秋の昼下がりの日だまり。
ぬくぬくとしてて、
雲の上を漂っている感じかな?
「何か会話とかしたの?」
会話?色んな声や音がした?
笑い声や大勢の人が、あちらこちらで会話してたと思う。
感触もあったと思う。
手触り、肌触り、
頭のてっぺんにツンとくる感触。
匂いもした?
どんな匂いかって?
なんかここち~い匂い。
久しぶりの折り紙教室、
ボクは何も考えてはいなかった。
ただ、おばあちゃん、おじいちゃんの笑顔が目の裏に焼きついている!
「ねぇ?」
と君が云う。
「それだけなの?何か詰まんないじゃん?」
ボクはボーッと天井を視ている。