幼い頃、親父と布団に寝ていた。三才の時、母が死んだ後のことだ。親父は寝る前に昔話を語ってくれる。「昔、昔のその昔、そのまた昔のその昔」親父が言うには、一回の昔は一年だと言う。十回言うと50年前、百回言うと500年前。「ねえ、父ちゃん今日の話は何年前なの?」親父は、「そうだな、500年前ぐらいかな」いつも寝る前に本題の昔話を聴けなかった。「昔、昔のその昔、そのまた昔のその昔」