5-敵もさるもの
受け取るものがあって、友人と待ち合わせた。
彼女の姑が、ハハと同じ年。
夫の実家に一人で暮らしていることから
姑あるあるの話が尽きない、楽しい話し相手。
・・・やっぱりね、同じ経験をした人は
受け止め方が違う。
いつも、ものすごーーく共感してもらい、同情してもらい、
慰められ、勇気づけられる。
彼女の都合で待ち合わせが15時と遅めだった。
「ちょっと出かけてきます。帰りは・・・・
4時半すぎると思います」と告げると
「いいよ。」
・・・言い方!
許可いるんかーい!
1時間で切り上げるつもりが、ワタシの馴染みのカフェに
彼女と繋がりのある方がいらしてて
SNSを交換したり、オーナーさんと写真を撮ったり
そんなこんなで予定オーバー。
家に帰ると17時11分だった。
「ただいま~。遅くなりましたー。」
とリビングに入ると
「はあ~~~~~!!(長すぎる安堵の声)安心した!」
何をそんなに心配していたのか。
まだ外は暗くないですよ、、、
「心配しないでくださーい。」思わず言うと
「そういう時はね、電話ってものがあるんだから。」と
顔を笑ってるけど、案外マジで返してきた。
電話電話電話!!!
ほんっとに電話が好きなんだから。
(嫁に来て以来、ここの家族の電話好きには
常日頃、辟易していた・・・)
洗面所に手を洗いに行きながら、もちろん顔は
「イーーーーーーーっだ!!」と舌を出していた。
こんなことではスッキリしない。
それでも、やらずにいられない。
10人兄弟の長男である義父に嫁いだハハ。
妹たちがゾロリといる中で、教員の仕事をしながら
炊事、掃除、家のことは全部やっていたと叔母から聞く。
本当にすごいと思うし、
務めている嫁にそれらを全部させていた、そこの家もすごいね。
面倒な兄弟たちのいざこざも、
うまく立ち回って収めてきたのだろうと想像できる場面に
何度も出くわした。
顔に出すまいと心掛けているはずの
ワタシの不機嫌に気づいたか?
硬直した空気を醸し出していた空間の気まずさを
どう打開しようか、
ここはヨメの腕の見せどころだなと、
折れる覚悟を決めてはいたが
二人して、ただ黙ってテレビを見ながらご飯を食べていた。
ふと、「あらー、こんなことあるんだねぇ。」と
ハハが、いつもの口調でいつも通りに話しかけてきた。
「そうですねぇ~。」と、ワタシも機嫌よく返した。
ん??
普段のままだ。
さっきのやり取りは、もう忘れたの?
それとも忘れたフリをして、とりなしたの?
・・・さすがです。
ワタシも相当デキる方だと思うけど、
ハハは一枚上手だったな。
・・・次回に続く。