義母、92歳。
揚げ物は結構好きみたい。
私の手料理で褒めてくれるのは、
餃子、唐揚げ、カキフライ。
「美味しい」と言ってもらえることは、滅多にない。
私の育った環境、そして
夫と結婚して子供を育てた日々の暮らしでは
一口ごとに「美味しい」と言ってもらえるのに慣れていたので
義母との食事は毎回、とてもさみしいし
自分では美味しい!と思うから
いつも心の中で自画自賛。
日曜日、夫と三人の夕食で。
この日はカキフライ。
夕方近くに買い物に行って、ササッと作ったにしては
手早く美味しく出来て、自己満足。
「この牡蠣、大きくて美味しいね~。」
「うん、うまい。」などと話しながら食べていたが
義母はテレビに夢中で感想なし。
いっちょまえに私たちに負けないくらいの勢いで
箸を伸ばしていたことに驚くが、いつものこと。
山盛りのお皿が残り5個、くらいになった時に、
ひとくちかじったフライを見つめて
義母が言った。
「・・・これ、牡蠣?」
内心、爆笑。
なんだと思って食べていたのか!
おばあちゃんの大好きなカキフライですよ。
喜んでくれるかと、このメニューにしたのに~
そもそも、声が小さいのだ。
褒めるとか、お礼を言うとか、
もっとはっきり伝えてほしい。
何かを渡しても、「どうも・・・」と
「どう・・・」しか聞こえてないし
(話す時は、普通に大きい声なのに)
もちろん「ありがとう」とは言われてない。
私は元気よく挨拶をしろと子供を育てたので
ほんっとにイラっとする~
実母が来ると、その明るさにホッとする。
「いっただきま~す♪
あら、この頃食べてないわ、カキフライ。
大きくて美味しいこと!」と、
きっと褒めてくれるに違いない。
・・・まあ、人それぞれ、
個性の問題だからね。
求める私が悪いんだろうけど。
食事を作って、こんなにも感謝されないことって
今までなかったので
冬同居の三年目、ようやくその状況にも慣れたとはいえ
いまだにさみしさはぬぐえずにいる。
もしかしたら、味を感じないほど老いてしまったのか。
人は誰しも、興味のないことには鈍感だ。
そういえば、洋服はすぐに褒める。
「あら、いいね、私もこういうの
一枚欲しいと思っていたの。」
なんでも私の真似をする。

今年編んだお気に入りのベストも、
義母があまり褒めるので、あげてしまった・・・。
もったいない、と周りに言われたが
喜んで着てくれるなら・・・とプレゼントしたのに
あの日一日着ただけで、どこへやったやら。
着ないなら私が着たかった。
今日も愚痴でした、すみません。