65オヤジのスタイルブック

DVD・起終点駅 ターミナル

映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、佐藤浩市と本田翼共演の「起終点駅 ターミナル」です。

 

直木賞作家の桜木紫乃の短編小説の映画化した本作。北海道の旭川で裁判官をしていた佐藤浩市演じる鷲田完治、大学時代の恋人、尾野真千子演じる被告の冴子の裁判をきっかけに逢瀬を重ねるうちに妻子を捨てて冴子と一緒になることを決心する。しかし、冴子は完治の目の前で自殺、この世を去ります。

25年後、誰とも関わることなく釧路で国選弁護人として、細々と暮らしていたところに、かつて弁護をした本田翼演じる敦子が現れる。身寄りのない敦子の生活の中で、二人の人生が少しづつ動き出すと言う内容です。

自らの犯した罪に、罰を課すように生活を送る完治。そんな生活を送る中でも、生きるために食べると言う行為。釧路の唐揚げのザンギとイクラの醤油漬けを作る姿に、彼の中にある唯一の生きる糧を感じます。イクラを涙ぐみながら食べるシーンが心打ちました。

佐藤浩市の演技は悲哀がじんわりと感じられ、佐藤に関わる二人の女性、尾野真千子と本田翼の演技も二人のかかえる哀しみが、そこはかとなく伝わってきました。厳冬の駅と澄んだ空気を感じる春の駅。異なる二つの駅の情景が、過去と現在そして未来へとつながり完治と敦子のターミナルとなる、なかなかの秀作だと思います。


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