65オヤジのスタイルブック

DVD ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像

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映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、年老いた美術商と孫の名画真贋を巡るヒューマンドラマ「ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像」です。

今回の作品は、フィンランド作品で、ヘルシンキとストックホルムを舞台に描かれています。物語は年老いた美術店主オラヴィが、資金繰りもおぼつかい店に、突然、疎遠となった娘の孫の職業訓練を頼まれます。乗る気のないオラヴィでしたが、オークションハウスで一枚のサインのない肖像画と出会い、その作品がロシア近代絵画の巨匠、イリヤ・レーピンの作品と確信、美術商として最後の仕事として作品を落札します。レーピンの真贋のために孫と共に奔走、手がかりを見つけますが、そこには思いもしない落とし穴が。。。

美術の仕事に携わる者としては、名画との出会いから自らの鑑識眼を信じて大きな賭けに出たオラヴィの心情は少なからず理解できます。この物語の中心にあるのは美術商としての執着が招いた彼の人生。そこに、孫息子のオットーの存在が晩年の人生に深く関わっていくところが、とても面白いです。

また、生前サインのない作品が存在しないと言われていたレーピン肖像画の秘密もラストで明かされ美術ファンとしても興味深い視点で映画が作られているところも、オラヴィと娘と孫との関係に深く入り込み感動が徐々に湧き出てくる秀作でした。

アート映画としてもヒューマンドラマとしても楽しめるオラヴィの最後の取引を目撃してみてください。

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